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指南前半戦 身体を鍛え、足固めをせよ
第4話 弟子のパーティー(A級)の身体能力不足を解消せよ
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リーゼロッテの仲間たちに大海を見せるための手合わせから1日後。
俺と戦乙女の5人は、石段を登っていた。
「ハァ……ハァ……。ちょっ、休憩しませんか」
「ゼェ……ゼェ……。み、水。水飲ませて」
「オレはまだまだ行けるぜ。リーゼロッテと先生は……もうあそこまで上ってやがる!」
戦乙女の3人、アン、ロロ、メイリン。
彼女たちがどうして10,000段を超える石段を登る苦行をしているのかというと、リーゼロッテとの手合わせ直後にさかのぼる。
◇ ◇ ◇
リーゼロッテとの手合わせを終えた俺はギルドでお願いを受けた。
「先生。不躾ではありますが、是非ともアンとロロを特訓させてはもらえないでしょうか?」
リーゼロッテ曰く、2人はそれぞれ技術の面でランクに見合う実力を持っているが、体力や持久力などの身体能力がそれに追いついていないとのことだ。
メイリンは拳闘士だからそういった面は不足していないとのことだが、魔法主体のアンとロロはどうしても体力や持久力など身体能力の低さが目立つのは当然のことか。
「そうだなぁ。S級ともなれば、特殊な環境下での魔物討伐もこの先することになるだろうし……」
俺の言葉にリーゼロッテは頷いていた。多分、姉弟子から色々と聞かされたのだろう。
リーゼロッテも近頃、俺にその件について相談するつもりだったようで、ここで俺と再会できたのはとても僥倖とのことだ。
師範としても、大切な仲間が死んで弟子が悲しむのは見たくないしな。
「アン、ロロ。君たちのリーダーは特訓をつけてほしいと頼んでいる。先ほどの戦いをきちんと見た者なら、リーダーのいう特訓を受けるべきかどうかについてどう判断すべきかは……分かるかな?」
ただ、弟子がお願いしても、当人にやる気があるかどうかは別問題だ。
それに、俺とリーゼロッテの戦いで目を覚ましたかどうかも確かめておきたい。
目を曇らせたまま、この先S級になった冒険者の未来は……死だからな。
「私は……受けたい。この機会に、パーティーについて来られるように頑張りたい」
「身体能力については、リーダーから口酸っぱく言われてましたからね。それに……倒れたアンやメイリンを回復させるのも訓練になりそうですし」
「オレも参加させてくれ。そもそも、リーゼロッテが強くなった理由とかめっちゃ興味あるからよ」
ギリ及第点といったところか。
リーゼロッテも満足げにしているから、充分にやる気はあると見てよいだろう。
「君たちの気概、確かめさせてもらった。明日から、特訓を始める。各自、ギルドで1カ月の休暇手続きを済ませてから正門前に集合せよ」
戦乙女はこの後、ギルドで1カ月の特訓のため、活動を休止。その知らせは王都にも届き、ニュースにもなった。
そして、正門前でキューを紹介すると、リーゼロッテ以外の3人は腰を抜かし、数分後に再起した。
その後、キューに乗ってから数十分。
俺やリーゼロッテにとって見慣れた山が見えてきた。
「どうだ、リーゼロッテ。懐かしいだろう」
「はい。まだ半月だというのに、もう懐かしさが心にあります。もはやあそこが故郷と言っても過言ではありません」
それは過言だ。明らかに実家で暮らしていた期間の方が長いはずだ。
「お、おいリーゼロッテ。見間違いだろうけれど、あそこって『星霊峰』じゃなかったか?」
「メイリン。あなたの認識で間違いありません。あそこは世界有数の神聖地として地図にのっている場所です」
「そもそもあそこで人は暮らせるの? いや、暮らせるね。だって、1人ここにいるし」
星霊峰。
俺の道場はその星霊峰の中腹に位置し、標高でいえば2,500メートルくらいだ。
山の麓からは石段がのびていて、明日から10日は3人にこの石段を登らせる予定だ。
さすがに今日はもう遅いし、今から俺の道場がある場所の環境に慣れてもらわないとな。
その後、俺たちは無事に道場へと到着した。3人の案内はリーゼロッテに頼み、俺はその間に今日調達したキングミノタウロスの肉を取り出して、焼肉の準備をする。
保管庫に入れていた調味料も取り出し、弟子たちに評判のつけダレもつくる。
今回はけむ臭くなるから、外で食べさせるか。
「先生。ただいま案内を終わらせてきました」
「ご苦労。こっちも夕食の準備が終わったところだ」
全員が集まり、皆で焼肉に舌鼓をうった。俺のつけダレはアンたちにも好評で、途中でもう1度つくることになった。
今のうちに精をつけてもらいたいからな。これも指南の1つだ。
そして、戦乙女の特訓が開幕した。
1カ月のうちの最初の10日間は、主に下半身を鍛えさせるため、山の麓と俺の道場をつなぐ石段を往復させる。
往復回数については、1日目は5往復とし、日数ごとに1往復ずつ増やす予定だ。
そういう予定だったのだが……。
「ハァ……ハァ……。ちょっ、休憩しませんか」
「ゼェ……ゼェ……。み、水。水飲ませて」
「オレはまだまだ行けるぜ。リーゼロッテと先生は……もうあそこまで上ってやがる!」
夕暮れに差しかかろうとする中、俺たちはまだ4往復目の途中だった。
遅れている原因は言わずもがな、アンとロロの身体能力不足で、休憩回数という形で現れていた。
「いいか! A級冒険者は、この石段を5往復できるくらいの肉体は身についていることが大前提だ! 今日の夕食は、全員がこの石段を5往復するまで用意しないからそのつもりで励めよ!」
「は、はいぃ~!」
俺と戦乙女の5人は、石段を登っていた。
「ハァ……ハァ……。ちょっ、休憩しませんか」
「ゼェ……ゼェ……。み、水。水飲ませて」
「オレはまだまだ行けるぜ。リーゼロッテと先生は……もうあそこまで上ってやがる!」
戦乙女の3人、アン、ロロ、メイリン。
彼女たちがどうして10,000段を超える石段を登る苦行をしているのかというと、リーゼロッテとの手合わせ直後にさかのぼる。
◇ ◇ ◇
リーゼロッテとの手合わせを終えた俺はギルドでお願いを受けた。
「先生。不躾ではありますが、是非ともアンとロロを特訓させてはもらえないでしょうか?」
リーゼロッテ曰く、2人はそれぞれ技術の面でランクに見合う実力を持っているが、体力や持久力などの身体能力がそれに追いついていないとのことだ。
メイリンは拳闘士だからそういった面は不足していないとのことだが、魔法主体のアンとロロはどうしても体力や持久力など身体能力の低さが目立つのは当然のことか。
「そうだなぁ。S級ともなれば、特殊な環境下での魔物討伐もこの先することになるだろうし……」
俺の言葉にリーゼロッテは頷いていた。多分、姉弟子から色々と聞かされたのだろう。
リーゼロッテも近頃、俺にその件について相談するつもりだったようで、ここで俺と再会できたのはとても僥倖とのことだ。
師範としても、大切な仲間が死んで弟子が悲しむのは見たくないしな。
「アン、ロロ。君たちのリーダーは特訓をつけてほしいと頼んでいる。先ほどの戦いをきちんと見た者なら、リーダーのいう特訓を受けるべきかどうかについてどう判断すべきかは……分かるかな?」
ただ、弟子がお願いしても、当人にやる気があるかどうかは別問題だ。
それに、俺とリーゼロッテの戦いで目を覚ましたかどうかも確かめておきたい。
目を曇らせたまま、この先S級になった冒険者の未来は……死だからな。
「私は……受けたい。この機会に、パーティーについて来られるように頑張りたい」
「身体能力については、リーダーから口酸っぱく言われてましたからね。それに……倒れたアンやメイリンを回復させるのも訓練になりそうですし」
「オレも参加させてくれ。そもそも、リーゼロッテが強くなった理由とかめっちゃ興味あるからよ」
ギリ及第点といったところか。
リーゼロッテも満足げにしているから、充分にやる気はあると見てよいだろう。
「君たちの気概、確かめさせてもらった。明日から、特訓を始める。各自、ギルドで1カ月の休暇手続きを済ませてから正門前に集合せよ」
戦乙女はこの後、ギルドで1カ月の特訓のため、活動を休止。その知らせは王都にも届き、ニュースにもなった。
そして、正門前でキューを紹介すると、リーゼロッテ以外の3人は腰を抜かし、数分後に再起した。
その後、キューに乗ってから数十分。
俺やリーゼロッテにとって見慣れた山が見えてきた。
「どうだ、リーゼロッテ。懐かしいだろう」
「はい。まだ半月だというのに、もう懐かしさが心にあります。もはやあそこが故郷と言っても過言ではありません」
それは過言だ。明らかに実家で暮らしていた期間の方が長いはずだ。
「お、おいリーゼロッテ。見間違いだろうけれど、あそこって『星霊峰』じゃなかったか?」
「メイリン。あなたの認識で間違いありません。あそこは世界有数の神聖地として地図にのっている場所です」
「そもそもあそこで人は暮らせるの? いや、暮らせるね。だって、1人ここにいるし」
星霊峰。
俺の道場はその星霊峰の中腹に位置し、標高でいえば2,500メートルくらいだ。
山の麓からは石段がのびていて、明日から10日は3人にこの石段を登らせる予定だ。
さすがに今日はもう遅いし、今から俺の道場がある場所の環境に慣れてもらわないとな。
その後、俺たちは無事に道場へと到着した。3人の案内はリーゼロッテに頼み、俺はその間に今日調達したキングミノタウロスの肉を取り出して、焼肉の準備をする。
保管庫に入れていた調味料も取り出し、弟子たちに評判のつけダレもつくる。
今回はけむ臭くなるから、外で食べさせるか。
「先生。ただいま案内を終わらせてきました」
「ご苦労。こっちも夕食の準備が終わったところだ」
全員が集まり、皆で焼肉に舌鼓をうった。俺のつけダレはアンたちにも好評で、途中でもう1度つくることになった。
今のうちに精をつけてもらいたいからな。これも指南の1つだ。
そして、戦乙女の特訓が開幕した。
1カ月のうちの最初の10日間は、主に下半身を鍛えさせるため、山の麓と俺の道場をつなぐ石段を往復させる。
往復回数については、1日目は5往復とし、日数ごとに1往復ずつ増やす予定だ。
そういう予定だったのだが……。
「ハァ……ハァ……。ちょっ、休憩しませんか」
「ゼェ……ゼェ……。み、水。水飲ませて」
「オレはまだまだ行けるぜ。リーゼロッテと先生は……もうあそこまで上ってやがる!」
夕暮れに差しかかろうとする中、俺たちはまだ4往復目の途中だった。
遅れている原因は言わずもがな、アンとロロの身体能力不足で、休憩回数という形で現れていた。
「いいか! A級冒険者は、この石段を5往復できるくらいの肉体は身についていることが大前提だ! 今日の夕食は、全員がこの石段を5往復するまで用意しないからそのつもりで励めよ!」
「は、はいぃ~!」
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