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第六章【獣人の国】
第九十九話 声我慢して
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船の上って最高すぎる。思う存分イチャイチャして、部屋から出たのは3日経ってからだった。
「マリヤ様、大丈夫ですか?」
アリアムさんが心配してくれる。3日も出てこなけりゃ心配にもなるよね。
「大丈夫です。あの、ただイチャイチャしていただけなので」
「そうですか」
アリアムさんの顔が赤い。なんか、スミマセン。
「ユリアーノさんはどこですか?」
「私の向かいのお部屋です」
ユリアーノさんの部屋の扉を叩く。すぐにユリアーノさんが出てきた。
「マリヤさん!」
「ちょ、ユリアーノさん?」
ガバッと抱きつかれてビックリする。あ、何か良い匂いした。
「すごく心配したんですよ」
「ごめんなさい」
「無事だったなら、それでいいです」
離してくれないな?1か月以上心配掛けたし仕方ないか。
ぎゅっと抱きしめ返すと、ユリアーノさんがビクッとした。
「ユリアーノさん、エリオネルの傷、治してくれてありがとうございました」
「ああ、マリヤさんの大切な人ですから、仕方ないです」
抱きしめられててわからなかったけど、本当は治したくなかったのかな。
「ユリアーノさんが居なかったら、危なかったですよね。何か、お礼できませんか?」
「お礼……?」
やっとユリアーノさんが体を離してくれた。
ちゅ、と唇にキスされる。触れるだけのキスにビックリする間も無く、ユリアーノさんがまた離れた。
「ユリアーノさん?」
「……ごめんなさい」
ユリアーノさんの顔が真っ赤になってて、怒る気を失う。てか、そんな可愛い顔反則なんだが。
「本当にごめんなさい」
パタンと扉を閉められて、何だか面食らった。
バルカスとのキスのせいでガード緩くなってるかもしれない。気をつけよ。
待って、エリオネルに言った方がいいよね?大丈夫かな……
大丈夫じゃなかった。
目の前で殴られるユリアーノさんを見て、言わなきゃよかったと思った。
でも、エリオネルの気持ちもよくわかるし……
「2度としないでください」
「嫌です」
「わー!エリオネル、待って待って、暴力はよくない!」
「バルカスも本当は殺したいのに」
ひゃー!そうだよね、バルカスに至ってはエリオネルの前でキスしちゃったもんね。
「マリヤさん!俺のこと、少しも好きじゃないですか?」
いやー、ここで好きって言っちゃうと色々問題あるんだけど。嘘をつくのも何だかなあ。
「少しも好きじゃなかったら、諦めます」
「………」
「本当のこと言ってください」
「好きか嫌いかで言ったら、好きですけど、諦めてください」
ぺこっとお辞儀して、できるだけ冷淡な声を出す。
「は、無理です」
ユリアーノさんがくしゃっと泣きそうな顔をした。
エリオネルが俺の手を掴んで、部屋に引っ込む。閉めた扉にドンッと押しつけられた。
痛くないけど、荒い行動にビックリする。
「エリオネル?」
「嫉妬で狂いそう」
「ごめんね」
「遮断使わないから、声我慢して」
へ?何?自慢じゃないけど、俺、感じやすいんですけど!?
「やだっ、ムリだよっ、エリオネル!声出したい」
「………」
無言のエリオネルが怖い。本気かな?
ごそごそと彼の手が腰の辺りを弄る。ううっ、手つきがエロい。
「ふ、ぅ……」
両手で口を押さえてるので、エリオネルのやりたい放題になっていた。
腰から上がって、服の中に手が入ってくる。
「ひんっ」
変な声出た。
『何か声しなかった?』
外で人の声がする。熱くなっていた体がさーっと冷めていった。
「エリオネル、ごめんなさい、本当にやめて」
「やめないよ」
ツーっと涙が落ちる。それをエリオネルが舐めた。
「マリヤ様、大丈夫ですか?」
アリアムさんが心配してくれる。3日も出てこなけりゃ心配にもなるよね。
「大丈夫です。あの、ただイチャイチャしていただけなので」
「そうですか」
アリアムさんの顔が赤い。なんか、スミマセン。
「ユリアーノさんはどこですか?」
「私の向かいのお部屋です」
ユリアーノさんの部屋の扉を叩く。すぐにユリアーノさんが出てきた。
「マリヤさん!」
「ちょ、ユリアーノさん?」
ガバッと抱きつかれてビックリする。あ、何か良い匂いした。
「すごく心配したんですよ」
「ごめんなさい」
「無事だったなら、それでいいです」
離してくれないな?1か月以上心配掛けたし仕方ないか。
ぎゅっと抱きしめ返すと、ユリアーノさんがビクッとした。
「ユリアーノさん、エリオネルの傷、治してくれてありがとうございました」
「ああ、マリヤさんの大切な人ですから、仕方ないです」
抱きしめられててわからなかったけど、本当は治したくなかったのかな。
「ユリアーノさんが居なかったら、危なかったですよね。何か、お礼できませんか?」
「お礼……?」
やっとユリアーノさんが体を離してくれた。
ちゅ、と唇にキスされる。触れるだけのキスにビックリする間も無く、ユリアーノさんがまた離れた。
「ユリアーノさん?」
「……ごめんなさい」
ユリアーノさんの顔が真っ赤になってて、怒る気を失う。てか、そんな可愛い顔反則なんだが。
「本当にごめんなさい」
パタンと扉を閉められて、何だか面食らった。
バルカスとのキスのせいでガード緩くなってるかもしれない。気をつけよ。
待って、エリオネルに言った方がいいよね?大丈夫かな……
大丈夫じゃなかった。
目の前で殴られるユリアーノさんを見て、言わなきゃよかったと思った。
でも、エリオネルの気持ちもよくわかるし……
「2度としないでください」
「嫌です」
「わー!エリオネル、待って待って、暴力はよくない!」
「バルカスも本当は殺したいのに」
ひゃー!そうだよね、バルカスに至ってはエリオネルの前でキスしちゃったもんね。
「マリヤさん!俺のこと、少しも好きじゃないですか?」
いやー、ここで好きって言っちゃうと色々問題あるんだけど。嘘をつくのも何だかなあ。
「少しも好きじゃなかったら、諦めます」
「………」
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「は、無理です」
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「………」
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ツーっと涙が落ちる。それをエリオネルが舐めた。
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