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報告書㊙︎ 1 異世界派遣
しおりを挟む『自衛隊』
日本の平和と独立を守り、国を守る事を主たる任務とし、必要に応じ公共の治安維持にあたる組織である。
「神無月一等陸尉!君に異世界派遣の任務を命ずる」
「え・・・?」
異世界だと・・・漫画や小説の見すぎじゃねぇのか?
しかし、自衛官。ましてや、このお偉さんが冗談なんか言うはずが無いし・・・。
「あの・・・ご質問してもよろしいでしょうか」
「なんだね・・・ってまぁ君の言いたいことは分かるよ急に異世界って言われても混乱するだろうな」
「えぇ・・・」
「なのでこれを見ておくように」
バサリと置かれた書類は表紙に「極秘」と書かれており厚さは20~30cmあった。
「・・・何か分厚く見えるんですが」
「あぁ今までの偵察部隊が集めた全ての情報が入ってるからな。1週間の時間を与えるから1週間で読んでくれ」
「1週間ですか・・・この量を」
「あぁ1週間後派遣部隊の幹部ミーティングが行われるから」
「分かりました何とかします」
「よし!んじゃ私は今から用事があるから失礼するよ!」
勢いよくその場を後にするお偉いさん。
その場に放置された俺は貰った資料をカバンの中に入れ防衛省を後にした。
「あれ!匠じゃん!何で防衛省に?」
「ん?若菜か・・・」
若菜にはまだ言えないよなぁ・・・異世界派遣なんて。
「まぁちょっとした打ち合わせみたいなもんだ」
「ふーん・・・あっ夜ご飯一緒にいかない?」
「飯かぁそー言えば今日は朝から何も食べてなかったな・・・よし!行くか」
「じゃ匠の奢りね!」
「え・・・?」
そんなこんなで匠は若菜に腕を引っ張られ居酒屋に来た。
ここは個室で落ち着くな・・・
つか、ここって結構高かったような・・・
匠と若菜は向かい合って座っていた。先に頼んでいた飲み物とおしぼり・お通しが出てきてペラペラとめくりメニューを見ていた。
「ねぇ私に隠し事してるでしょ?」
さすが幼馴染だ・・・!俺の心でも読めてんのか!
と、心の中で思いながら返事をする。
「え・・・?なんだよ急に何も無いよ」
「嘘だね・・・匠は気づいてないかも知れないけど匠が嘘つく時って鼻が少し膨らむんだよ」
若菜は酒の入ったグラスの縁に指を置きそれを行ったり来たりさせながら言った。
まぁ隠したっていつかバレるか・・・
匠はグラスにあった酒を口に少し含みそれ飲み机に置いた。
「若菜に隠し事は無理だったな・・・」
「で、何を隠してんの?そのための個室なんだから」
その為だったんですね・・・
「今日防衛省に行ったのはこの為だったんだよ」
バサりと渡された紙の束をテーブルの上に出した。
若菜は「んーなになに」と言いながらその紙を取り顔色が変わった。
「異世界派遣通知書・・・?ドアの向こう側には別世界が広がっている?ねぇこれって・・・」
「そう俺が異世界に行くってわけ」
「これなら私も持ってるよ」
「え・・・」
匠と同じ書類をテーブルの上に出した。
「だって若菜って海上だろ?何でまた・・・」
「私だけじゃないわよみんなも一緒よ」
「みんなってまさか・・・あいつらか・・・」
そして、俺と若菜の食事会から1週間が経過しついに幹部会議の場に俺はいた。
「では、派遣される部隊幹部の紹介をします。右から海上自衛隊、山内 若菜一等海尉同じく木村 健人1等海尉続きまして航空自衛隊、柴田 嵐士一等空尉同じく袖口 陽一等空尉最後に陸上自衛隊、神無月 匠一等陸尉同じく益子 零一等陸尉以上六名。なお、神無月 紗希一等陸佐と田崎 涼介陸将は大臣との会議のため不在となります」
長々とすげぇな・・・。
しかし、何で・・・
「何でお前らが呼ばれたんだ・・・」
「僕も知りたいよ・・・こんなに見知った顔が集まるとは思わなかったし」
「ホントよねぇ高校の時、皆が自衛官になるって言った時もビックリしたけど、まさかまた一緒に仕事するとはねぇ」
「まぁ上の連中が決めた事だワシらがとやかく言うのはやめようぜ」
「そうですよ。まぁ決めた人は誰か分かりましたが・・・」
「私も分かっちゃったよぉ」
俺を含める6人は小学校からの幼馴染。しかも全て学校で同じクラス。まぁ奇跡としか言いようがないよなぁ
「それより今は会議をしよう。最初は1ページ目の所からーーーーー」
そして、始まった会議は数時間にも及んだ。終わる頃には日は完全に落ちており、時計は19時になる所だった。
匠達6人はは会議室を後にし夜の街をあるいていた
「あぁーやっと終わった・・・」
「普通の会議よりは楽だったけどねぇ」
「それはちげぇーねぇな」
笑顔で話をする6人。
そして匠はめんどくさそうな顔をしていた
「その前に一ヶ月後に向けて準備進めないとな・・・」
「「「「「あっ・・・」」」」」
匠の言葉で5人が顔を合わせる。
はぁ・・・めんどくさい。
まず本部に行って書類の提出とディスクの整理と・・・あぁ思っただけでめんどくさい
「まぁそれは明日からやるとしてだ・・・これから飲みにでも行くか!」
「いいね!」
「僕この前いい店見つけたんだよ」
「では、そこに行きましょう」
「賛成ぇ~」
6人は笑顔で語り合いながら夜の東京を練り歩き店へと向かった。
ーーーーー
ーーー
ー
そして1ヶ月後。
6人とその部下たちはドアの前にいた。
「さて行きますか異世界へ」
ドアを開け、向こうの世界に足を踏み入れた。
これが彼らが伝説の物語へとなる1歩となった。
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