1 / 2
報告書㊙︎ 1 異世界派遣
しおりを挟む『自衛隊』
日本の平和と独立を守り、国を守る事を主たる任務とし、必要に応じ公共の治安維持にあたる組織である。
「神無月一等陸尉!君に異世界派遣の任務を命ずる」
「え・・・?」
異世界だと・・・漫画や小説の見すぎじゃねぇのか?
しかし、自衛官。ましてや、このお偉さんが冗談なんか言うはずが無いし・・・。
「あの・・・ご質問してもよろしいでしょうか」
「なんだね・・・ってまぁ君の言いたいことは分かるよ急に異世界って言われても混乱するだろうな」
「えぇ・・・」
「なのでこれを見ておくように」
バサリと置かれた書類は表紙に「極秘」と書かれており厚さは20~30cmあった。
「・・・何か分厚く見えるんですが」
「あぁ今までの偵察部隊が集めた全ての情報が入ってるからな。1週間の時間を与えるから1週間で読んでくれ」
「1週間ですか・・・この量を」
「あぁ1週間後派遣部隊の幹部ミーティングが行われるから」
「分かりました何とかします」
「よし!んじゃ私は今から用事があるから失礼するよ!」
勢いよくその場を後にするお偉いさん。
その場に放置された俺は貰った資料をカバンの中に入れ防衛省を後にした。
「あれ!匠じゃん!何で防衛省に?」
「ん?若菜か・・・」
若菜にはまだ言えないよなぁ・・・異世界派遣なんて。
「まぁちょっとした打ち合わせみたいなもんだ」
「ふーん・・・あっ夜ご飯一緒にいかない?」
「飯かぁそー言えば今日は朝から何も食べてなかったな・・・よし!行くか」
「じゃ匠の奢りね!」
「え・・・?」
そんなこんなで匠は若菜に腕を引っ張られ居酒屋に来た。
ここは個室で落ち着くな・・・
つか、ここって結構高かったような・・・
匠と若菜は向かい合って座っていた。先に頼んでいた飲み物とおしぼり・お通しが出てきてペラペラとめくりメニューを見ていた。
「ねぇ私に隠し事してるでしょ?」
さすが幼馴染だ・・・!俺の心でも読めてんのか!
と、心の中で思いながら返事をする。
「え・・・?なんだよ急に何も無いよ」
「嘘だね・・・匠は気づいてないかも知れないけど匠が嘘つく時って鼻が少し膨らむんだよ」
若菜は酒の入ったグラスの縁に指を置きそれを行ったり来たりさせながら言った。
まぁ隠したっていつかバレるか・・・
匠はグラスにあった酒を口に少し含みそれ飲み机に置いた。
「若菜に隠し事は無理だったな・・・」
「で、何を隠してんの?そのための個室なんだから」
その為だったんですね・・・
「今日防衛省に行ったのはこの為だったんだよ」
バサりと渡された紙の束をテーブルの上に出した。
若菜は「んーなになに」と言いながらその紙を取り顔色が変わった。
「異世界派遣通知書・・・?ドアの向こう側には別世界が広がっている?ねぇこれって・・・」
「そう俺が異世界に行くってわけ」
「これなら私も持ってるよ」
「え・・・」
匠と同じ書類をテーブルの上に出した。
「だって若菜って海上だろ?何でまた・・・」
「私だけじゃないわよみんなも一緒よ」
「みんなってまさか・・・あいつらか・・・」
そして、俺と若菜の食事会から1週間が経過しついに幹部会議の場に俺はいた。
「では、派遣される部隊幹部の紹介をします。右から海上自衛隊、山内 若菜一等海尉同じく木村 健人1等海尉続きまして航空自衛隊、柴田 嵐士一等空尉同じく袖口 陽一等空尉最後に陸上自衛隊、神無月 匠一等陸尉同じく益子 零一等陸尉以上六名。なお、神無月 紗希一等陸佐と田崎 涼介陸将は大臣との会議のため不在となります」
長々とすげぇな・・・。
しかし、何で・・・
「何でお前らが呼ばれたんだ・・・」
「僕も知りたいよ・・・こんなに見知った顔が集まるとは思わなかったし」
「ホントよねぇ高校の時、皆が自衛官になるって言った時もビックリしたけど、まさかまた一緒に仕事するとはねぇ」
「まぁ上の連中が決めた事だワシらがとやかく言うのはやめようぜ」
「そうですよ。まぁ決めた人は誰か分かりましたが・・・」
「私も分かっちゃったよぉ」
俺を含める6人は小学校からの幼馴染。しかも全て学校で同じクラス。まぁ奇跡としか言いようがないよなぁ
「それより今は会議をしよう。最初は1ページ目の所からーーーーー」
そして、始まった会議は数時間にも及んだ。終わる頃には日は完全に落ちており、時計は19時になる所だった。
匠達6人はは会議室を後にし夜の街をあるいていた
「あぁーやっと終わった・・・」
「普通の会議よりは楽だったけどねぇ」
「それはちげぇーねぇな」
笑顔で話をする6人。
そして匠はめんどくさそうな顔をしていた
「その前に一ヶ月後に向けて準備進めないとな・・・」
「「「「「あっ・・・」」」」」
匠の言葉で5人が顔を合わせる。
はぁ・・・めんどくさい。
まず本部に行って書類の提出とディスクの整理と・・・あぁ思っただけでめんどくさい
「まぁそれは明日からやるとしてだ・・・これから飲みにでも行くか!」
「いいね!」
「僕この前いい店見つけたんだよ」
「では、そこに行きましょう」
「賛成ぇ~」
6人は笑顔で語り合いながら夜の東京を練り歩き店へと向かった。
ーーーーー
ーーー
ー
そして1ヶ月後。
6人とその部下たちはドアの前にいた。
「さて行きますか異世界へ」
ドアを開け、向こうの世界に足を踏み入れた。
これが彼らが伝説の物語へとなる1歩となった。
0
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる