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女神とスキルの始まり①
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七聖天が1人、ユリマ・サーゲノムから世界に訪れる未来と自分達のスキルの真相を知ったグリム達。
呪われた世代と蔑まれていた彼らが与えられたのは世界を救う為の“使命”であった。
ユリマの話を聞いたグリム達はいまいちまだ実感がない様子。
そんな彼らを見たユリマはリューティス王国の歴史――女神とスキルの始まりをグリム達に語り出した。
全ての始まりは数百年前。
これは、今や世界で大国と知られるリューティス王国がまだ無名の小さい国であった時代まで遡る。
♢♦♢
~リューティス王国・数百年前~
世界には大きな大陸が複数存在し、その大陸の上では大小様々な国が誕生していた。
当時、リューティス王国があった大陸では全ての国がそれぞれ我が王国の領土を広めようと、毎日各地で激しい戦争が繰り広げられていた。
この時代のリューティス王国は現代より……いや、今のリューティス王国からは到底想像できない程小さく弱い、力の無い王国であった。
自分達の領土を広げる事はおろか、毎日自分達のその小さい王国を死守する事で精一杯。周辺の王国からの熾烈な攻撃をただただ耐えるしか出来なかったのだ。
このままではリューティス王国が制圧されるのは時間の問題。
攻撃する周辺の王国の者達だけでなく、リューティス王国の民や国王が1番にそれを痛感していた。そこで、我が王国と民を何としてでも守ろうとした当時の国王はこの状況を覆すべく、ある“手段”を使った。
その手段とは、『深淵神《しんえんしん》アビス』の召喚――。
国王は深淵の世界の神の力を呼び出し、その力でこの戦争を終わらせようと考えたのだ。しかし、この時代では深淵神の召喚は世界中で“禁忌”とされていた。
理由はその“代償”。
そう。
この召喚には、深淵の神を召喚するのに値する“命”という代償を払わなければならず、その必要な命の数は37,564――。
当時10万人程しか民がいなかった小さなリューティス王国にとって、実に王国の3分の1以上の人間の犠牲が必要だった。民を守る為に民の命を犠牲にするなど本末転倒。
国王は最後の最後までこの召喚をするべきかと頭を抱えていたが、もう王国も民も士気が下がり疲労困憊。今日を耐え凌ぐのがやっとだったリューティス王国にとって、もう残された道はこのまま滅びるか賭けで召喚を行うかの2択しかなかったのだ。
悩んだ末に国王は覚悟を決める――。
国王の側近や他の者達は背に腹は代えられぬと、民に召喚の事実を伝えずにこのまま儀式を始めようと声を上げていたが、国王はこんな状況だからこそ投げやりになるのではなく、明日への希望。そしてリューティス王国と民の未来の為にこの召喚を行うと、全ての民に堂々と告げた。
この国王の鬼気迫る想いを確かに感じ取った民は皆国王のその想いと言葉に賛同し、遂に深淵の世界の神を呼び出す禁忌の扉を開いたのだった。
そして。
召喚の儀式は見事成功――。
リューティス王国は37,564人の命と引き換えに『深淵神アビス』を召喚し、リューティス王国は深淵の世界の強大な力をアビスから授かった。
民全てに“スキル”という力が与えられ、スキルと武器を手にした民達は凄まじい強さで攻め込んで来る敵を一掃。深淵神アビスの強力な加護を受けた民達は、今日という日を凌ぐのも精一杯だった事が嘘であったかの如く怒涛の攻撃を仕掛け続け、瞬く間に周辺の王国を侵略、制圧する事に成功したのだった――。
だがまだリューティス王国の勢いは止まらない。
これまでひたすら辛く苦しい戦争を耐え忍んでいた反動で、リューティス王国の勢いは衰えるどころかどんどん士気が上がっていた。更に手にしたスキルを覚醒させる者が毎日の様に現れ、気が付けばリューティス王国はこの大きな1つの大陸で頂点にまで登りつめていた。
そして、全てを制圧したリューティス王国の国王はその国々を従え、グリム達が生きる現代まで続く世界トップクラスの大国を築き上げた――。
だが、まだ力が有り余っていたリューティス王国はこの戦乱の時代を統率しようと、隣の大陸にまで侵略を始める。
しかし、破竹の勢いで侵略を続けるリューティス王国のこの動きに、突如待ったをかけた者達が現れた。
リューティス王国の侵略を阻止しようと立ちはだかった者達……それは、“祖の王国”――。
祖の王国は屈強な肉体と高い身体能力が持ち味の“獣人族”が暮らす王国。彼らはその肉体と自然から与えられる強い魔力を武器にして戦う戦闘民族。彼らは戦闘民族と言っても、普段はとても穏やかで優しい者達である。
この世界の禁忌に触れたリューティス王国の侵略を危険視した祖の王国は、“獣王”と呼ばれる彼らの長を筆頭に深淵の力を手にしたリューティス王国相手に真正面から立ち向かったのだった。
獣人族の強さは絶大。
深淵神アビスからスキルを授かったリューティス王国でさえも彼らのその強さに歯が立たなかった。加えて、リューティス王国と戦っている事を知った他の王国が幾つも祖の王国を援護し始め、再びリューティス王国はピンチを迎える事となった。
押されたリューティス王国に巻き返す力はない。
あと一息でこの状況を覆せると思っていた獣人族と他国の者達であったが、リューティス王国のピンチを見かねた深淵神アビスが新たな力をリューティス王国に与えてしまった。
それが神器――。
七聖天が1人、ユリマ・サーゲノムから世界に訪れる未来と自分達のスキルの真相を知ったグリム達。
呪われた世代と蔑まれていた彼らが与えられたのは世界を救う為の“使命”であった。
ユリマの話を聞いたグリム達はいまいちまだ実感がない様子。
そんな彼らを見たユリマはリューティス王国の歴史――女神とスキルの始まりをグリム達に語り出した。
全ての始まりは数百年前。
これは、今や世界で大国と知られるリューティス王国がまだ無名の小さい国であった時代まで遡る。
♢♦♢
~リューティス王国・数百年前~
世界には大きな大陸が複数存在し、その大陸の上では大小様々な国が誕生していた。
当時、リューティス王国があった大陸では全ての国がそれぞれ我が王国の領土を広めようと、毎日各地で激しい戦争が繰り広げられていた。
この時代のリューティス王国は現代より……いや、今のリューティス王国からは到底想像できない程小さく弱い、力の無い王国であった。
自分達の領土を広げる事はおろか、毎日自分達のその小さい王国を死守する事で精一杯。周辺の王国からの熾烈な攻撃をただただ耐えるしか出来なかったのだ。
このままではリューティス王国が制圧されるのは時間の問題。
攻撃する周辺の王国の者達だけでなく、リューティス王国の民や国王が1番にそれを痛感していた。そこで、我が王国と民を何としてでも守ろうとした当時の国王はこの状況を覆すべく、ある“手段”を使った。
その手段とは、『深淵神《しんえんしん》アビス』の召喚――。
国王は深淵の世界の神の力を呼び出し、その力でこの戦争を終わらせようと考えたのだ。しかし、この時代では深淵神の召喚は世界中で“禁忌”とされていた。
理由はその“代償”。
そう。
この召喚には、深淵の神を召喚するのに値する“命”という代償を払わなければならず、その必要な命の数は37,564――。
当時10万人程しか民がいなかった小さなリューティス王国にとって、実に王国の3分の1以上の人間の犠牲が必要だった。民を守る為に民の命を犠牲にするなど本末転倒。
国王は最後の最後までこの召喚をするべきかと頭を抱えていたが、もう王国も民も士気が下がり疲労困憊。今日を耐え凌ぐのがやっとだったリューティス王国にとって、もう残された道はこのまま滅びるか賭けで召喚を行うかの2択しかなかったのだ。
悩んだ末に国王は覚悟を決める――。
国王の側近や他の者達は背に腹は代えられぬと、民に召喚の事実を伝えずにこのまま儀式を始めようと声を上げていたが、国王はこんな状況だからこそ投げやりになるのではなく、明日への希望。そしてリューティス王国と民の未来の為にこの召喚を行うと、全ての民に堂々と告げた。
この国王の鬼気迫る想いを確かに感じ取った民は皆国王のその想いと言葉に賛同し、遂に深淵の世界の神を呼び出す禁忌の扉を開いたのだった。
そして。
召喚の儀式は見事成功――。
リューティス王国は37,564人の命と引き換えに『深淵神アビス』を召喚し、リューティス王国は深淵の世界の強大な力をアビスから授かった。
民全てに“スキル”という力が与えられ、スキルと武器を手にした民達は凄まじい強さで攻め込んで来る敵を一掃。深淵神アビスの強力な加護を受けた民達は、今日という日を凌ぐのも精一杯だった事が嘘であったかの如く怒涛の攻撃を仕掛け続け、瞬く間に周辺の王国を侵略、制圧する事に成功したのだった――。
だがまだリューティス王国の勢いは止まらない。
これまでひたすら辛く苦しい戦争を耐え忍んでいた反動で、リューティス王国の勢いは衰えるどころかどんどん士気が上がっていた。更に手にしたスキルを覚醒させる者が毎日の様に現れ、気が付けばリューティス王国はこの大きな1つの大陸で頂点にまで登りつめていた。
そして、全てを制圧したリューティス王国の国王はその国々を従え、グリム達が生きる現代まで続く世界トップクラスの大国を築き上げた――。
だが、まだ力が有り余っていたリューティス王国はこの戦乱の時代を統率しようと、隣の大陸にまで侵略を始める。
しかし、破竹の勢いで侵略を続けるリューティス王国のこの動きに、突如待ったをかけた者達が現れた。
リューティス王国の侵略を阻止しようと立ちはだかった者達……それは、“祖の王国”――。
祖の王国は屈強な肉体と高い身体能力が持ち味の“獣人族”が暮らす王国。彼らはその肉体と自然から与えられる強い魔力を武器にして戦う戦闘民族。彼らは戦闘民族と言っても、普段はとても穏やかで優しい者達である。
この世界の禁忌に触れたリューティス王国の侵略を危険視した祖の王国は、“獣王”と呼ばれる彼らの長を筆頭に深淵の力を手にしたリューティス王国相手に真正面から立ち向かったのだった。
獣人族の強さは絶大。
深淵神アビスからスキルを授かったリューティス王国でさえも彼らのその強さに歯が立たなかった。加えて、リューティス王国と戦っている事を知った他の王国が幾つも祖の王国を援護し始め、再びリューティス王国はピンチを迎える事となった。
押されたリューティス王国に巻き返す力はない。
あと一息でこの状況を覆せると思っていた獣人族と他国の者達であったが、リューティス王国のピンチを見かねた深淵神アビスが新たな力をリューティス王国に与えてしまった。
それが神器――。
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