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84 七聖天のジャンヌ
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♢♦♢
「雑魚は引っ込んでろ! 待ってろよユリマ!」
磔にされたユリマを見て、俺は気が付けば待ち構えている無数の騎士魔法団の大群に突っ込んでいた。
「ぐはッ!」
「がッ……⁉」
次々に押し寄せる敵を全員斬り倒す。俺は自分の真の神器である『双樹剣セフィロト』をドラドムートから授かった事もあり、明らかに今までよりもパワーアップしている。何よりこの青いクリスタルの双剣は、俺がどれだけ渾身の力を込めて何百回振ろうとまるで折れる気配がない――。
コレが俺の本当の力なんだと改めて実感する事が出来た。
『彼女が未来の運命を知っているユリマか』
「ああ、そうだ。ユリマは俺達の命の恩人でもある。絶対に助けなくちゃ」
双剣に姿を変えたドラドムートはしかとここに存在している。武器と意思を通じて言葉を交わしているなんてきっと俺とドラドムートだけだろう。そんな事をふと思っている間にも、大量にいる団員達は更に次から次へと俺目掛けて攻撃を仕掛けてきていた。
剣、槍、斧、魔法。
ありとあらゆる武器と攻撃魔法が飛んでくるが、この程度の攻撃は俺には通用しない。気の流れを会得しているだけでもその実力差は段違いだ。
「そういえば勢いで飛び出してきちゃったけど、多分またイヴが怒ってるよな?」
『過ぎた事は仕方がない。イヴの事であるから顔を合わせた時に必ず文句を言われるだろう。もう動き出した以上その間すら生ませない様にひたすら戦い続けるのだグリム』
双剣となった今、恐らく自分もイヴに文句を言われるであろうと悟ったドラドムートは俺にそうアドバイスしてくれた。長い付き合いだからやっぱ良く分かってるな。どの道俺が用あるのはヴィルのみ。こんな有象無象達に構っている時間も体力もない。何故一緒にいるのかは知らないが、お前のところに深淵神アビスもいるならまとめて倒すだけだ。
「1,2番魔法隊、用意ッ!」
激しい戦場と化したこの場で、一際大きな声が轟いた。俺はそれが直ぐに団長や指揮官の合図である事が分かり、直ぐ近くにいる団員達を斬り倒しつつその声が轟いた方向を見た。するとそこには前線から少し離れた位置で弓を構える者や魔力を高めている者達が攻撃態勢に入っていた。
「放てぇぇぇッ!」
次の瞬間、これまた無数の矢や攻撃魔法が一斉に俺とフーリン目掛けて発射された。
「精霊魔法、“ディフェンション・リバース”――!」
――ズガガガガガガガッ!
攻撃の雨が俺達に降り注ぐ寸前。俺とフーリンの前にはそれぞれ防御壁が現れた。言わずもがなこれはエミリアの防御壁。助かった。何時もここぞのタイミングで助けてくれて本当に感謝してるぜエミリア。
これだけの攻撃全て防ぎ切るエミリアの防御壁。だが生まれ変わったエミリアの精霊魔法は更にここから。攻撃を全て受け切った防御壁は神々しい光を纏うと同時に、今受けた攻撃を全て倍にしてそっくりそのまま敵軍目掛けて返された。
「「ぐわぁぁぁぁッ!!」」
凄まじいカウンターが団員達を襲うと、俺とフーリンの前の敵軍一角が一瞬にして壊滅状態となった。相変わら凄い魔法だな。
「ありがとなエミリア!」
俺は離れたエミリアに向かって大声でお礼を言った。だがそれと同時に“しまった”とも思ってしまった。何故なら……。
「馬鹿者がッ! まんまと奴らのペースにハマってんじゃないよこの大馬鹿者がッ!」
時すでに遅し。
気を付けようとドラドムートと話していたばかりなのに怒られてしまった。あーあ。まぁしょうがない。
『やはり開口一番あれであったか』
「ごめんドラドムート。ついうっかりしてた」
「何をブツブツ話しているんだいアンタ達は! もういいからさっさと奴ら全員片付けなッ!」
相変わらずだなイヴは。
俺とフーリンが目を合わせてそう思っていると、突如強力な超波動を纏った何者かが俺達の前に颯爽と姿を現した。
「よくもまぁこんな派手にうちの団員倒してくれちゃって」
現れた男は金色の短髪に細い三日月の如し目で俺達を見てそう言った。男は背丈以上に長く鋭い切っ先の付いた槍を手にし、その身から溢れ出ている超波動が只者で無い事を容易に示していた。
「誰だお前」
「俺はジャンヌ。七聖天の1人だ。お前がヴィルの兄貴だろ? ハハハ、狂った弟に比べてまともそうじゃねぇか」
ジャンヌと名乗ったこの男。七聖天という事は奴が手にしている槍は神器である『雷槍グルニグ』か。ちょっと面倒なのが出てきたな。
「どうでもいいだろそんな事」
「確かに違いねぇな。ホントはお前の相手もしたかったんだけどよ、ヴィルが絶対に手ぇ出すなってうるせぇんだ。だからそっちのお前が相手してくれよ」
ジャンヌは槍をフーリンに向けながらそう言った。
「お前はかなりの強者の様だな。いいだろう。手合わせ願おう」
「ノリがいいじゃねぇか。槍男同士、どっちが上が楽しみだな」
「コイツは俺が倒す。先に行ってくれグリム」
「分かった。頼んだぞフーリン。勝って直ぐに来いよ」
「ああ」
フーリンとジャンヌは既に超波動を高め合いながら互いに睨み合っている。一旦フーリンと別れた俺は2人を横目に再び前方にる団員達に向かって走り出した。
「雑魚は引っ込んでろ! 待ってろよユリマ!」
磔にされたユリマを見て、俺は気が付けば待ち構えている無数の騎士魔法団の大群に突っ込んでいた。
「ぐはッ!」
「がッ……⁉」
次々に押し寄せる敵を全員斬り倒す。俺は自分の真の神器である『双樹剣セフィロト』をドラドムートから授かった事もあり、明らかに今までよりもパワーアップしている。何よりこの青いクリスタルの双剣は、俺がどれだけ渾身の力を込めて何百回振ろうとまるで折れる気配がない――。
コレが俺の本当の力なんだと改めて実感する事が出来た。
『彼女が未来の運命を知っているユリマか』
「ああ、そうだ。ユリマは俺達の命の恩人でもある。絶対に助けなくちゃ」
双剣に姿を変えたドラドムートはしかとここに存在している。武器と意思を通じて言葉を交わしているなんてきっと俺とドラドムートだけだろう。そんな事をふと思っている間にも、大量にいる団員達は更に次から次へと俺目掛けて攻撃を仕掛けてきていた。
剣、槍、斧、魔法。
ありとあらゆる武器と攻撃魔法が飛んでくるが、この程度の攻撃は俺には通用しない。気の流れを会得しているだけでもその実力差は段違いだ。
「そういえば勢いで飛び出してきちゃったけど、多分またイヴが怒ってるよな?」
『過ぎた事は仕方がない。イヴの事であるから顔を合わせた時に必ず文句を言われるだろう。もう動き出した以上その間すら生ませない様にひたすら戦い続けるのだグリム』
双剣となった今、恐らく自分もイヴに文句を言われるであろうと悟ったドラドムートは俺にそうアドバイスしてくれた。長い付き合いだからやっぱ良く分かってるな。どの道俺が用あるのはヴィルのみ。こんな有象無象達に構っている時間も体力もない。何故一緒にいるのかは知らないが、お前のところに深淵神アビスもいるならまとめて倒すだけだ。
「1,2番魔法隊、用意ッ!」
激しい戦場と化したこの場で、一際大きな声が轟いた。俺はそれが直ぐに団長や指揮官の合図である事が分かり、直ぐ近くにいる団員達を斬り倒しつつその声が轟いた方向を見た。するとそこには前線から少し離れた位置で弓を構える者や魔力を高めている者達が攻撃態勢に入っていた。
「放てぇぇぇッ!」
次の瞬間、これまた無数の矢や攻撃魔法が一斉に俺とフーリン目掛けて発射された。
「精霊魔法、“ディフェンション・リバース”――!」
――ズガガガガガガガッ!
攻撃の雨が俺達に降り注ぐ寸前。俺とフーリンの前にはそれぞれ防御壁が現れた。言わずもがなこれはエミリアの防御壁。助かった。何時もここぞのタイミングで助けてくれて本当に感謝してるぜエミリア。
これだけの攻撃全て防ぎ切るエミリアの防御壁。だが生まれ変わったエミリアの精霊魔法は更にここから。攻撃を全て受け切った防御壁は神々しい光を纏うと同時に、今受けた攻撃を全て倍にしてそっくりそのまま敵軍目掛けて返された。
「「ぐわぁぁぁぁッ!!」」
凄まじいカウンターが団員達を襲うと、俺とフーリンの前の敵軍一角が一瞬にして壊滅状態となった。相変わら凄い魔法だな。
「ありがとなエミリア!」
俺は離れたエミリアに向かって大声でお礼を言った。だがそれと同時に“しまった”とも思ってしまった。何故なら……。
「馬鹿者がッ! まんまと奴らのペースにハマってんじゃないよこの大馬鹿者がッ!」
時すでに遅し。
気を付けようとドラドムートと話していたばかりなのに怒られてしまった。あーあ。まぁしょうがない。
『やはり開口一番あれであったか』
「ごめんドラドムート。ついうっかりしてた」
「何をブツブツ話しているんだいアンタ達は! もういいからさっさと奴ら全員片付けなッ!」
相変わらずだなイヴは。
俺とフーリンが目を合わせてそう思っていると、突如強力な超波動を纏った何者かが俺達の前に颯爽と姿を現した。
「よくもまぁこんな派手にうちの団員倒してくれちゃって」
現れた男は金色の短髪に細い三日月の如し目で俺達を見てそう言った。男は背丈以上に長く鋭い切っ先の付いた槍を手にし、その身から溢れ出ている超波動が只者で無い事を容易に示していた。
「誰だお前」
「俺はジャンヌ。七聖天の1人だ。お前がヴィルの兄貴だろ? ハハハ、狂った弟に比べてまともそうじゃねぇか」
ジャンヌと名乗ったこの男。七聖天という事は奴が手にしている槍は神器である『雷槍グルニグ』か。ちょっと面倒なのが出てきたな。
「どうでもいいだろそんな事」
「確かに違いねぇな。ホントはお前の相手もしたかったんだけどよ、ヴィルが絶対に手ぇ出すなってうるせぇんだ。だからそっちのお前が相手してくれよ」
ジャンヌは槍をフーリンに向けながらそう言った。
「お前はかなりの強者の様だな。いいだろう。手合わせ願おう」
「ノリがいいじゃねぇか。槍男同士、どっちが上が楽しみだな」
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