104 / 112
エミリアvsデイアナ
しおりを挟む
♢♦♢
グリムとフーリンの元に七聖天のジャンヌが現れたと同時、グリムを囲う城の正面に配置された団員達とは別に、銀色の弓を携えたデイアナは実力ある団長10名と200以上の団員を率いた騎馬隊でエミリア達の元へと奇襲を仕掛けたのだった。
「狙うは邪神の首! 全員で1体ずつ確実に仕留めるわよ!」
「「おおぉぉぉッ!!」」
既にハクやイヴの実力を知っているデイアナには僅かな慢心も無い。七聖天が2人いたとはいえ、ラドット渓谷の時よりも戦力は今のが方が圧倒的に上である。
「わッ! なんか凄い数がこっちに来てるんだけど!」
「いちいち騒ぐんじゃないよ五月蠅いねぇ。あんなの束になったところで実力が知れているよ。今のアンタなら1人で勝てるから早く片付けてきなエミリア」
「え、私1人で……? でも、うん。分かったよイヴ。私やってみるね」
以前のエミリアからは想像だに出来ない行動。人は直ぐに成長する事なんて出来ない。だがエミリアは少しずつだが着実に実力と精神が強くなっていた。
(ハクちゃんとイヴには本当に感謝してもしきれない。こんな私を信じてここまで導いてくれた。だから今度は私の番。
イヴの事だから絶対に認めないと思うけど、出会った時より確実にイヴは魔力が“弱まってきている”――。
ハクちゃんはまだ大丈夫そうだけど、ドラドムートも最終的に残った魔力を使ってグリムの神器になった事を考えると、ここからはもう私達が頑張るしかない!)
そう。ハク達の力が徐々に弱まってきている事にエミリアは気付いていた。無論ハクもイヴもドラドムートもその事は一切口にしていないが、それはまたグリムとフーリンも薄々感じ取っていた事実である。
「精霊魔法、“エルフズ・ウインド”!」
「「ぐあぁぁぁぁ……ッ⁉」」
エミリアの攻撃魔法が騎馬隊の先頭集団を襲う。
残された3神柱の力は限界が近付いてきている。それと同時に着々と復活の兆しを強める深淵神アビス。行きつく未来がどういう結果であれ、全ての決着はもう直ぐそこまで迫っていると皆が思い抱いているのであった。
「あの杖の子、前会った時よりも数段強くなってるわ……! これも邪神の力なのねきっと。でも今度こそ倒す。魔法団員はこの場で私達の援護! それ以外の騎士団員と全団長は私に続きなさい! 何が何でも邪神達を討ち取るわよ!」
デイアナの鬼気迫る掛け声で団員達の士気が一気に高まる。後方支援の魔法隊約20人が魔力を練り上げ何時でも援護が出来る態勢を取り、残る約150人の騎士隊が武器を振り上げながら勢いよくエミリア達に向かって突撃する。
「王2級魔法、“サウザンド・ソムストーム”」
デイアナによって放たれた王2級魔法。それは何時しかエミリア達目掛けて放たれたあの時の千本の矢であった。デイアナは騎士隊が突撃するのとほぼ同じタイミングで矢を放ち、一気にエミリア達を討ち取ろとしているのだ。
「精霊魔法、“ディフェンション・ドーム”」
エミリアはデイアナの攻撃に対し何時もの丸い1枚の防御壁ではなく、ハクやイヴも含めた自分達を覆うようなドーム型の防御壁を展開した。
ディフェンションの応用。
エミリアはイヴとの特訓でディフェンションの幅を更に広げていたのだ。普段の1枚の防御壁に対して全方位に対応したこのディフェンションに防げないものはない。勢いよく向かって来る騎馬隊より僅かに先に届いたデイアナの千本の矢が次々と防御壁に撃ち込まれる。
――ズガガガガガガガッ!
怒涛に降り注ぐ矢の雨。しかし、デイアナの王2級魔法であっても
矢1本としてエミリアの防御壁を貫けなかった。そして、このエミリアのディフェンションは更にここから――。
「“リバース”!」
エミリアの力強い声に反応するかの如く、ドーム型の防御壁で受け止めた千の矢は瞬く間に神々しい光と共にエミリアの目の前まで迫っていた騎馬隊目掛けて一気に放たれた。
エミリアはドーム型の防御壁によって上から降り注いできたデイアナの矢を全て受け切ると同時に、今度はそのまま正面から騎馬隊目掛けてリバース効果を発動させる。今のエミリアにはまさに死角がない。究極の守りが最大の攻撃と化すのだ。
七聖天クラスともなれば、リバースで返したその魔法の威力は優に“神1級魔法”クラスといっても過言ではなかった――。
「「うぐぁぁぁぁッ……!!」」
「ば、馬鹿なッ⁉ 私の攻撃魔法をそのまま返した……⁉」
「ヒッヒッヒッ。相変わらず行儀の悪い矢だねぇ。それに正確にはそのままではなく倍さ。アンタの攻撃なんか遥かに上回っているよ」
余裕の笑みを浮かべながらイヴは言い放つ。デイアナは初めてエミリア達と対峙したあの日と同じ様なデジャヴに襲われていた。自身の王2級魔法が全く通じなかったあの日の事を。
「くッ、嫌な事を思い出してしまったわ。でもあの時よりもこっちの戦力が上。それに確かに杖の子は強くなっているけど、肝心の邪神達は何故か前よりも魔力が弱く感じるわね。気のせいかしら……?」
ハク達の魔力が弱まっている事にデイアナも気付き始めていた。だがいくら弱ってると言っても元の次元が違う。勿論これだけでデイアナも油断した訳では一切ないが、思いがけない僅かな綻びに勢いを増すのは簡単であった。
「邪神の魔力は凄まじい! だが理由は分からないが以前よりもその力が弱まっている! 確かに脅威な敵に変わりはないが、今の私達なら倒し切れるわよ!」
流石七聖天の1人。実力も然ることながら、自分が率いる団員達を要所要所のところで鼓舞し士気を保っていた。数の多さが必ずしも有利とはならないが、エミリア達にとって一筋縄で片付く敵でもなかった。エミリアはカウンター攻撃で数こそ減らしたものの、実力あるデイアナや団長達はまだ無傷だった。
グリムとフーリンの元に七聖天のジャンヌが現れたと同時、グリムを囲う城の正面に配置された団員達とは別に、銀色の弓を携えたデイアナは実力ある団長10名と200以上の団員を率いた騎馬隊でエミリア達の元へと奇襲を仕掛けたのだった。
「狙うは邪神の首! 全員で1体ずつ確実に仕留めるわよ!」
「「おおぉぉぉッ!!」」
既にハクやイヴの実力を知っているデイアナには僅かな慢心も無い。七聖天が2人いたとはいえ、ラドット渓谷の時よりも戦力は今のが方が圧倒的に上である。
「わッ! なんか凄い数がこっちに来てるんだけど!」
「いちいち騒ぐんじゃないよ五月蠅いねぇ。あんなの束になったところで実力が知れているよ。今のアンタなら1人で勝てるから早く片付けてきなエミリア」
「え、私1人で……? でも、うん。分かったよイヴ。私やってみるね」
以前のエミリアからは想像だに出来ない行動。人は直ぐに成長する事なんて出来ない。だがエミリアは少しずつだが着実に実力と精神が強くなっていた。
(ハクちゃんとイヴには本当に感謝してもしきれない。こんな私を信じてここまで導いてくれた。だから今度は私の番。
イヴの事だから絶対に認めないと思うけど、出会った時より確実にイヴは魔力が“弱まってきている”――。
ハクちゃんはまだ大丈夫そうだけど、ドラドムートも最終的に残った魔力を使ってグリムの神器になった事を考えると、ここからはもう私達が頑張るしかない!)
そう。ハク達の力が徐々に弱まってきている事にエミリアは気付いていた。無論ハクもイヴもドラドムートもその事は一切口にしていないが、それはまたグリムとフーリンも薄々感じ取っていた事実である。
「精霊魔法、“エルフズ・ウインド”!」
「「ぐあぁぁぁぁ……ッ⁉」」
エミリアの攻撃魔法が騎馬隊の先頭集団を襲う。
残された3神柱の力は限界が近付いてきている。それと同時に着々と復活の兆しを強める深淵神アビス。行きつく未来がどういう結果であれ、全ての決着はもう直ぐそこまで迫っていると皆が思い抱いているのであった。
「あの杖の子、前会った時よりも数段強くなってるわ……! これも邪神の力なのねきっと。でも今度こそ倒す。魔法団員はこの場で私達の援護! それ以外の騎士団員と全団長は私に続きなさい! 何が何でも邪神達を討ち取るわよ!」
デイアナの鬼気迫る掛け声で団員達の士気が一気に高まる。後方支援の魔法隊約20人が魔力を練り上げ何時でも援護が出来る態勢を取り、残る約150人の騎士隊が武器を振り上げながら勢いよくエミリア達に向かって突撃する。
「王2級魔法、“サウザンド・ソムストーム”」
デイアナによって放たれた王2級魔法。それは何時しかエミリア達目掛けて放たれたあの時の千本の矢であった。デイアナは騎士隊が突撃するのとほぼ同じタイミングで矢を放ち、一気にエミリア達を討ち取ろとしているのだ。
「精霊魔法、“ディフェンション・ドーム”」
エミリアはデイアナの攻撃に対し何時もの丸い1枚の防御壁ではなく、ハクやイヴも含めた自分達を覆うようなドーム型の防御壁を展開した。
ディフェンションの応用。
エミリアはイヴとの特訓でディフェンションの幅を更に広げていたのだ。普段の1枚の防御壁に対して全方位に対応したこのディフェンションに防げないものはない。勢いよく向かって来る騎馬隊より僅かに先に届いたデイアナの千本の矢が次々と防御壁に撃ち込まれる。
――ズガガガガガガガッ!
怒涛に降り注ぐ矢の雨。しかし、デイアナの王2級魔法であっても
矢1本としてエミリアの防御壁を貫けなかった。そして、このエミリアのディフェンションは更にここから――。
「“リバース”!」
エミリアの力強い声に反応するかの如く、ドーム型の防御壁で受け止めた千の矢は瞬く間に神々しい光と共にエミリアの目の前まで迫っていた騎馬隊目掛けて一気に放たれた。
エミリアはドーム型の防御壁によって上から降り注いできたデイアナの矢を全て受け切ると同時に、今度はそのまま正面から騎馬隊目掛けてリバース効果を発動させる。今のエミリアにはまさに死角がない。究極の守りが最大の攻撃と化すのだ。
七聖天クラスともなれば、リバースで返したその魔法の威力は優に“神1級魔法”クラスといっても過言ではなかった――。
「「うぐぁぁぁぁッ……!!」」
「ば、馬鹿なッ⁉ 私の攻撃魔法をそのまま返した……⁉」
「ヒッヒッヒッ。相変わらず行儀の悪い矢だねぇ。それに正確にはそのままではなく倍さ。アンタの攻撃なんか遥かに上回っているよ」
余裕の笑みを浮かべながらイヴは言い放つ。デイアナは初めてエミリア達と対峙したあの日と同じ様なデジャヴに襲われていた。自身の王2級魔法が全く通じなかったあの日の事を。
「くッ、嫌な事を思い出してしまったわ。でもあの時よりもこっちの戦力が上。それに確かに杖の子は強くなっているけど、肝心の邪神達は何故か前よりも魔力が弱く感じるわね。気のせいかしら……?」
ハク達の魔力が弱まっている事にデイアナも気付き始めていた。だがいくら弱ってると言っても元の次元が違う。勿論これだけでデイアナも油断した訳では一切ないが、思いがけない僅かな綻びに勢いを増すのは簡単であった。
「邪神の魔力は凄まじい! だが理由は分からないが以前よりもその力が弱まっている! 確かに脅威な敵に変わりはないが、今の私達なら倒し切れるわよ!」
流石七聖天の1人。実力も然ることながら、自分が率いる団員達を要所要所のところで鼓舞し士気を保っていた。数の多さが必ずしも有利とはならないが、エミリア達にとって一筋縄で片付く敵でもなかった。エミリアはカウンター攻撃で数こそ減らしたものの、実力あるデイアナや団長達はまだ無傷だった。
15
あなたにおすすめの小説
【状態異常耐性】を手に入れたがパーティーを追い出されたEランク冒険者、危険度SSアルラウネ(美少女)と出会う。そして幸せになる。
シトラス=ライス
ファンタジー
万年Eランクで弓使いの冒険者【クルス】には目標があった。
十数年かけてため込んだ魔力を使って課題魔法を獲得し、冒険者ランクを上げたかったのだ。
そんな大事な魔力を、心優しいクルスは仲間の危機を救うべく"状態異常耐性"として使ってしまう。
おかげで辛くも勝利を収めたが、リーダーの魔法剣士はあろうことか、命の恩人である彼を、嫉妬が原因でパーティーから追放してしまう。
夢も、魔力も、そしてパーティーで唯一慕ってくれていた“魔法使いの後輩の少女”とも引き離され、何もかもをも失ったクルス。
彼は失意を酩酊でごまかし、死を覚悟して禁断の樹海へ足を踏み入れる。そしてそこで彼を待ち受けていたのは、
「獲物、来ましたね……?」
下半身はグロテスクな植物だが、上半身は女神のように美しい危険度SSの魔物:【アルラウネ】
アルラウネとの出会いと、手にした"状態異常耐性"の力が、Eランク冒険者クルスを新しい人生へ導いて行く。
*前作DSS(*パーティーを追い出されたDランク冒険者、声を失ったSSランク魔法使い(美少女)を拾う。そして癒される)と設定を共有する作品です。単体でも十分楽しめますが、前作をご覧いただくとより一層お楽しみいただけます。
また三章より、前作キャラクターが多数登場いたします!
【1/20本編堂々完結!】自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる