やがて神Sランクとなる無能召喚士の黙示録~追放された僕は唯一無二の最強スキルを覚醒。つきましては、反撃ついでに世界も救えたらいいなと~

きょろ

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第14召喚 反撃の下準備は入念に①

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~ダンジョン・メインフロア~

「リリアさん、今日の換金額いくらになりました?」
「まさか本当にビッグゴブリン倒しちゃうなんてねぇ。しかも1人で。(これは絶対に一流のハンターになるじゃない。やっぱりもう頂いて完璧に“私のもの”にしちゃおうかしら)」
「やっと少しハンターとして自信が持ててきました」

 見事フロア19のボスであるビッグゴブリンを倒したアーサーは受付で今日の収穫をリリアに換金してもらっている。

 いつもと同様にメインは魔鉱石。だが今日は魔鉱石の中でも少しランクの高い魔鉱石(中)を入手していた。価格にすれば1つ450G程度だが、アーサーにとってはとても大事な収入。フロア5から順調に上ったアーサーの今日の魔鉱石の収穫数は全部で77個。トータルで23,250Gを稼いでいた。

「はい。じゃあこれ今日の換金分ね。頑張ったわねアーサー君。でも、本当に昇格テスト受けなくていいの? その実力なら許可出してあげるわよ」

 リリアは再度アーサーに確認した。

「ありがとうございますリリアさん。確かに昇格テストは直ぐにでも受けたいんですけど、仮に“人Dランク”に上がったとしても今の実力じゃフロア30ぐらい限界だと思うんです。なのでもう少しここで余裕を持って周回して、魔鉱石とスキルPを先に稼ごうかと思いまして」

 そう。
 ビッグゴブリンを討伐したアーサーは最初昇格テストを受けようと思っていた。だが今のスキルレベルではDランクまでのランクアップが限界。全てのアーティファクトをLv9にしても、それ以上のランクアップ召喚が出来ないのならどの道そこから上のフロアには進めない。

 アーサーは人Dランクで苦戦するより、余裕を持って今のフロアを周回する事を選んだ。

「そう言う事ね。分かったわ。じゃあまた昇格テストを受けたくなったらいつでも言って」
「はい。ありがとうございます」
「今日はもう終わりにするでしょ? Dランクの『ゴブリンの棍棒(D):Lv1』も手に入って良かったじゃない。また明日待ってるわよアーサー君」

 リリアとそんな会話を終え、アーサーはダンジョンを後にする。彼がリリアに伝えた事は嘘ではない。しかし、あれが全てという訳でもなかった。

**

~家~

「あ、お帰りお兄ちゃん」
「ただいま。遅くなってごめん」

 アーサーの稼ぎはここ数日で格段に増えたが、まだまだ母親の治療費を稼がなければいけない。毎日――とはいかないが、少しづつご飯の量やおかずが増やす事が出来ている。

(もう少しだけ待っててくれよエレイン。本当は召喚したゴブリンアーティファクトを毎日売るかレベルアップさせれば稼ぎが増えて食卓もいくらか豪勢になる。
だけどお母さんの治療費を払うにはまだまだ足りない。今は一刻も早く強くなってもっと稼いでやる。それにバットとも“ケリ”を着けなくちゃ――)

 アーサーはあれから毎日バットに嫌がらせを受け続けていた。
 全て大した事はない幼稚な行為であったし、肝心の矛先がエレインから自分に変わっていたのがアーサーの中でも大きかった。

 エレインに対する侮辱は許せないが、自分だけならば全然耐えられる。毎日バット達の下衆な笑いを見るのはやはり癪に障るものがあったアーサーであったが、彼は奴らを見返し今よりもっと稼ぎを得る為に虎視眈々と“下準備”を始める決意をしていたのだ。

 目先の稼ぎより圧倒的な富。
 目先の仕返しより圧倒的な見返し。

 貪欲なアーサーは全てを手に入れるべく、Dランクアーティファクトのを更に上のCランクアーティファクトのする為に今のフロアに留まる事を決めた。人Dランクに上がるのはもう問題ない。しかしアーサーは少しでも変化を見せ、またバットの気分で面倒事に巻き込まれるのは避けたかった。

 たかが新Eランクから人Dランクへの昇格。
 そんな騒ぐ事もない当たり前の出来事であったとしてもその対象がアーサーとなれば、どんな理由でどんな角度からバットが狙ってくるか分からない。全く目立つ事なく、且つCランクアーティファクトを装備するバットよりも強くなる。

 それが今アーサー・リルガーデンが密かに狙っている下準備であった――。
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