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第38召喚 世界は終末に近付いてるとか
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「「いただきます!」」
「狭くてボロい家だねぇ。家畜小屋かいここは?」
突如アーサー達の前に姿を現したイヴ・アプルナナバ。
彼女は急に現れた上にギルドを設立しろなどと言い出した挙句、その後の流れで何故か今アーサーの家に来ていた。
「そこまで言う事ないじゃないですかイヴさん……。狭くてボロいのは重々承知してますって」
「モルナこれもーらい☆」
「ちょっとモルナ! まだシェリルが来てないでしょ」
「私の事は構わないで結構です。先に召し上がって下さい」
小さな食卓を皆で囲うアーサー達。エレインがご飯を並べているが、待ちきれないモルナは一足先に食べ始める。そして自分の名前を呼ばれた事に気が付いたシェリルがお風呂場のドアを開けてそう告げた。
「あ、お兄ちゃん今見たでしょ!」
「いやッ……み、見てないって!」
「あ~、アーサー様やっぱりそういうの狙ってたんだ」
「そういうのってどういう事?」
「へへへ。実はねエレイン、アーサー様ったらッ……「違う! やめろモルナッ!」
あらぬ容疑を掛けられそうになったアーサーは間一髪の所でモルナを止めるのに成功。しかし完全に白とは言い切れないアーサーは歯切れの悪い対応で必死にエレインを誤魔化すのだった。
「騒々しいねぇ全く」
そんな光景を見たイヴが静かに呟く。彼女が“本体”であったらとてもじゃないが狭くていられないだろう。
「それにしても凄いですね。これってイヴさんのスキルですか?」
「いいや。これはアーティファクトの効果だよ。自分の“思念体”を飛ばして操作出来るのさ。じゃなきゃわざわざアンタの前に現れないよ。遠いし疲れるじゃないか」
それを聞いたアーサー達は皆納得していた。確かにあんな山からいちいち動くのは大変だ。
「だから何度も言っているが、私はそんな事をアンタ達に伝えに来たんじゃないよ。ギルドの話をしに来たのさ」
そう。イヴがわざわざアーサーの元へ来たのは、後にも先にもこれが理由らしい。
**
世界は確実に“終末”に近付いている――。
これがイヴの話の始まりであり、彼女曰く、先日ギルド『精霊の宴会』がダンジョンのフロア90に到達した事によりダンジョンの“終わり”が一気に現実味を増した。
突拍子もない話であったが、この話の概要はツインマウンテンの時にも既にアーサー達は1度聞いていた。もう100年近く前にハンターとしてギルド『一の園』を設立したイヴ。彼女も当然ハンターであった。
そしてそんな彼女のスキルはアーサーがリリアとも話していた『魔術師』のスキルであり、イヴは50年以上も前にその魔術師の特殊スキルであった“魔眼”を使用した代償で力の全てを失ってしまったそうだ。
そもそものきっかけは些細な事。
かれこれ50年以上ハンターとしてダンジョンに挑んでいたイヴは何時からか自分や人類の限界を感じていた。どこまで続いているのかわからない、最後に何が待ち受けているのか分からないダンジョンという凄まじく高い壁に希望を見失いかけていた。
そんな時、彼女の『魔術師』スキルがレベルMAXに到達。そこで魔術師の特殊スキルである魔眼を習得したイヴは、現状の先が見えない壁の打破と、これからのハンターや人類の未来、ダンジョンの理を知る為に魔眼を使用した。
魔眼の効果は“未来を視る事が出来る力”。
この魔眼の使用回数はレベルに関係なく“1度のみ”。
更に魔眼を使った者はその代償として永久にハンターとしての力を失う――。
払う代償が大きいと当時周りの仲間達は彼女を止めたが、世界の未来がこれに懸かっていると本能が自らに訴えかけていたイヴは魔眼を使用する事を決意。その刹那、イヴの頭の中にはこれから起こるであろう“未来”の情報が膨大に流れ込んだのだ。
割れそうな程の頭の痛み。
そして。
その痛みが治まった頃、世界でただ1人、イヴだけが世界の未来を視た――。
「狭くてボロい家だねぇ。家畜小屋かいここは?」
突如アーサー達の前に姿を現したイヴ・アプルナナバ。
彼女は急に現れた上にギルドを設立しろなどと言い出した挙句、その後の流れで何故か今アーサーの家に来ていた。
「そこまで言う事ないじゃないですかイヴさん……。狭くてボロいのは重々承知してますって」
「モルナこれもーらい☆」
「ちょっとモルナ! まだシェリルが来てないでしょ」
「私の事は構わないで結構です。先に召し上がって下さい」
小さな食卓を皆で囲うアーサー達。エレインがご飯を並べているが、待ちきれないモルナは一足先に食べ始める。そして自分の名前を呼ばれた事に気が付いたシェリルがお風呂場のドアを開けてそう告げた。
「あ、お兄ちゃん今見たでしょ!」
「いやッ……み、見てないって!」
「あ~、アーサー様やっぱりそういうの狙ってたんだ」
「そういうのってどういう事?」
「へへへ。実はねエレイン、アーサー様ったらッ……「違う! やめろモルナッ!」
あらぬ容疑を掛けられそうになったアーサーは間一髪の所でモルナを止めるのに成功。しかし完全に白とは言い切れないアーサーは歯切れの悪い対応で必死にエレインを誤魔化すのだった。
「騒々しいねぇ全く」
そんな光景を見たイヴが静かに呟く。彼女が“本体”であったらとてもじゃないが狭くていられないだろう。
「それにしても凄いですね。これってイヴさんのスキルですか?」
「いいや。これはアーティファクトの効果だよ。自分の“思念体”を飛ばして操作出来るのさ。じゃなきゃわざわざアンタの前に現れないよ。遠いし疲れるじゃないか」
それを聞いたアーサー達は皆納得していた。確かにあんな山からいちいち動くのは大変だ。
「だから何度も言っているが、私はそんな事をアンタ達に伝えに来たんじゃないよ。ギルドの話をしに来たのさ」
そう。イヴがわざわざアーサーの元へ来たのは、後にも先にもこれが理由らしい。
**
世界は確実に“終末”に近付いている――。
これがイヴの話の始まりであり、彼女曰く、先日ギルド『精霊の宴会』がダンジョンのフロア90に到達した事によりダンジョンの“終わり”が一気に現実味を増した。
突拍子もない話であったが、この話の概要はツインマウンテンの時にも既にアーサー達は1度聞いていた。もう100年近く前にハンターとしてギルド『一の園』を設立したイヴ。彼女も当然ハンターであった。
そしてそんな彼女のスキルはアーサーがリリアとも話していた『魔術師』のスキルであり、イヴは50年以上も前にその魔術師の特殊スキルであった“魔眼”を使用した代償で力の全てを失ってしまったそうだ。
そもそものきっかけは些細な事。
かれこれ50年以上ハンターとしてダンジョンに挑んでいたイヴは何時からか自分や人類の限界を感じていた。どこまで続いているのかわからない、最後に何が待ち受けているのか分からないダンジョンという凄まじく高い壁に希望を見失いかけていた。
そんな時、彼女の『魔術師』スキルがレベルMAXに到達。そこで魔術師の特殊スキルである魔眼を習得したイヴは、現状の先が見えない壁の打破と、これからのハンターや人類の未来、ダンジョンの理を知る為に魔眼を使用した。
魔眼の効果は“未来を視る事が出来る力”。
この魔眼の使用回数はレベルに関係なく“1度のみ”。
更に魔眼を使った者はその代償として永久にハンターとしての力を失う――。
払う代償が大きいと当時周りの仲間達は彼女を止めたが、世界の未来がこれに懸かっていると本能が自らに訴えかけていたイヴは魔眼を使用する事を決意。その刹那、イヴの頭の中にはこれから起こるであろう“未来”の情報が膨大に流れ込んだのだ。
割れそうな程の頭の痛み。
そして。
その痛みが治まった頃、世界でただ1人、イヴだけが世界の未来を視た――。
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