37 / 75
第37召喚 イヴからの提案
しおりを挟む
そんなこんなで話しを終えたアーサーは今日もフロア周回をする。シェリルは勿論の事ながら、モルナもハンター登録をしていると聞いたアーサーは一先ず彼女もパーティに入れる事に。
バタバタが続いていたアーサーであったが彼のやるべきことは変わらない。バットへのケリがついた今、後はひたすら母親の治療費と生活費を稼ぐのみ。
モルナはまだ人Dランク。
しかしアーサーとシェリルが炎Cランクの為、パーティを組めばモルナも一緒に炎Cランクのフロアに挑める。当たり前だが無茶は出来ない。それにモルナは身体能力の高い獣人族でアーティファクトも一応Dランクだがスキルが『会計士』だった。
会計士は読んで字のごとく、戦闘向きのスキルではない。
寧ろギルドには必要不可欠な“サポート系”のスキル。モルナのどちらかというと派手な見た目の印象とは対照的だなと思っていたアーサーであるが、流石獣人族というべきなのか、モルナは普通に実力も高い上に自らダンジョンに行きたいと言ったのだ。
そして、今日も無事に周回を終わらせたアーサー一行。今日一緒にダンジョンに挑んだアーサーは改めて2人の強さを実感した。
(シェリルは言うまでもなく圧倒的な強さだったな。全く無駄のない流れる様な動きに思わず見とれてしまった。
それにモルナは『会計士』スキルだから僕よりも基礎能力値が低いのにも、やはり獣人族という生まれながらの素質で普通に戦闘力が高かった。戦う会計士なんて聞いた事ないぞ……)
アーサーはそんな事を思いながらいつも通りに召喚で得たアーティファクトや魔鉱石をリリアに換金してもらい、この日はダンジョンを後にした。
**
帰り道。
「さて。エレインも待っているし、早く晩御飯を買って帰ろうか」
「モルナもお腹空いたぁ。早く食べたい!」
「私は先にお風呂に入りたいです」
当たり前の様にそんな会話をするアーサー達。だがアーサーは思っていた。
いつまであの狭い家でこんな生活が続くのだろうと。
「さっさと引っ越してギルドを設立しな――」
「「……!?」」
突如アーサー達に聞こえた声。
それはこの場にいる3人のものではく、明らかに違う“他の誰か”であり、驚いたアーサー達は反射的に声が聞こえた方へ振り返っていた。
するとそこにいたのは。
「え! イヴ……さん!?」
そう。
そこにいたのは他でもない、つい昨日会ったばかりのイヴ・アプルナナバであった――。
突如目の前に現れた事に驚くアーサー。
しかしイヴは驚くアーサー達をまるで無視するかの如く話しを続ける。
「全く。男ってのはどこまで浅はかなんだいアーサー。いいかい? アンタが狙ってる“ワンチャン”は起きないよ。夢の“ラッキーハーレム”展開なんて下らないものを期待しているぐらいなら、男らしく自分の行動でその展開を手繰り寄せな馬鹿者」
「なッ!?」
「ワンチャン……? ラッキーハーレム展開……?」
イヴの発言にいまいちピンときていないシェリルは1人首を傾げている。
「ヒッヒッヒッ。シェリルがその手の類に無知で良かったねぇアーサー」
「い、いや、イヴさんッ! 僕は鼻からそんなつもりはッ……「へぇ~。アーサー様そんな事考えてたんだぁ。好青年そうな顔してイヤらしい~!」
「こ、こらッ、モルナまで! 違うって言ってるだろ!」
意味をしっかりと理解しているモルナはイヴに乗ってアーサーをからかった。
「まぁアーサー様は私の命の恩人だし、モルナはいつでも“その”準備は出来てるわ☆なんなら今夜にでも」
「も……もう止めろモルナ! そんな事より何の用ですかイヴさん!」
思いがけない角度からの攻撃に焦ったアーサーは強引に話を戻したのだった。
「必死だねぇアーサー。ヒッヒッヒッ。まぁそれは一旦置いて、実は昨日話し忘れた事があってねぇ。アンタ、早く“ギルド”を建てな。話はそれからだよ――」
聞き間違いではない。
夕日が沈みかけた薄い空の下で、イヴは確かにギルドを建てろとアーサーに告げた。
「え、ギルドを――?」
バタバタが続いていたアーサーであったが彼のやるべきことは変わらない。バットへのケリがついた今、後はひたすら母親の治療費と生活費を稼ぐのみ。
モルナはまだ人Dランク。
しかしアーサーとシェリルが炎Cランクの為、パーティを組めばモルナも一緒に炎Cランクのフロアに挑める。当たり前だが無茶は出来ない。それにモルナは身体能力の高い獣人族でアーティファクトも一応Dランクだがスキルが『会計士』だった。
会計士は読んで字のごとく、戦闘向きのスキルではない。
寧ろギルドには必要不可欠な“サポート系”のスキル。モルナのどちらかというと派手な見た目の印象とは対照的だなと思っていたアーサーであるが、流石獣人族というべきなのか、モルナは普通に実力も高い上に自らダンジョンに行きたいと言ったのだ。
そして、今日も無事に周回を終わらせたアーサー一行。今日一緒にダンジョンに挑んだアーサーは改めて2人の強さを実感した。
(シェリルは言うまでもなく圧倒的な強さだったな。全く無駄のない流れる様な動きに思わず見とれてしまった。
それにモルナは『会計士』スキルだから僕よりも基礎能力値が低いのにも、やはり獣人族という生まれながらの素質で普通に戦闘力が高かった。戦う会計士なんて聞いた事ないぞ……)
アーサーはそんな事を思いながらいつも通りに召喚で得たアーティファクトや魔鉱石をリリアに換金してもらい、この日はダンジョンを後にした。
**
帰り道。
「さて。エレインも待っているし、早く晩御飯を買って帰ろうか」
「モルナもお腹空いたぁ。早く食べたい!」
「私は先にお風呂に入りたいです」
当たり前の様にそんな会話をするアーサー達。だがアーサーは思っていた。
いつまであの狭い家でこんな生活が続くのだろうと。
「さっさと引っ越してギルドを設立しな――」
「「……!?」」
突如アーサー達に聞こえた声。
それはこの場にいる3人のものではく、明らかに違う“他の誰か”であり、驚いたアーサー達は反射的に声が聞こえた方へ振り返っていた。
するとそこにいたのは。
「え! イヴ……さん!?」
そう。
そこにいたのは他でもない、つい昨日会ったばかりのイヴ・アプルナナバであった――。
突如目の前に現れた事に驚くアーサー。
しかしイヴは驚くアーサー達をまるで無視するかの如く話しを続ける。
「全く。男ってのはどこまで浅はかなんだいアーサー。いいかい? アンタが狙ってる“ワンチャン”は起きないよ。夢の“ラッキーハーレム”展開なんて下らないものを期待しているぐらいなら、男らしく自分の行動でその展開を手繰り寄せな馬鹿者」
「なッ!?」
「ワンチャン……? ラッキーハーレム展開……?」
イヴの発言にいまいちピンときていないシェリルは1人首を傾げている。
「ヒッヒッヒッ。シェリルがその手の類に無知で良かったねぇアーサー」
「い、いや、イヴさんッ! 僕は鼻からそんなつもりはッ……「へぇ~。アーサー様そんな事考えてたんだぁ。好青年そうな顔してイヤらしい~!」
「こ、こらッ、モルナまで! 違うって言ってるだろ!」
意味をしっかりと理解しているモルナはイヴに乗ってアーサーをからかった。
「まぁアーサー様は私の命の恩人だし、モルナはいつでも“その”準備は出来てるわ☆なんなら今夜にでも」
「も……もう止めろモルナ! そんな事より何の用ですかイヴさん!」
思いがけない角度からの攻撃に焦ったアーサーは強引に話を戻したのだった。
「必死だねぇアーサー。ヒッヒッヒッ。まぁそれは一旦置いて、実は昨日話し忘れた事があってねぇ。アンタ、早く“ギルド”を建てな。話はそれからだよ――」
聞き間違いではない。
夕日が沈みかけた薄い空の下で、イヴは確かにギルドを建てろとアーサーに告げた。
「え、ギルドを――?」
158
あなたにおすすめの小説
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~
名無し
ファンタジー
突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。
自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。
もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。
だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。
グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。
人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる