3 / 3
導く者と狩る者
3話 目覚め
しおりを挟む
あれから数日、目を覚ます気配のない男の看病をずっと行っていた。本当であればさっさと追い出したいところではあるが目を覚まさないのではどうしようもない。
「まだ目覚めないか……」
貴音は今日もこんこんと眠り続ける男の看病をしていた。神が用意してくれた湖に浮かぶこの邸は前世の科学技術が魔法で再現されている。貴音がなにも望まなかったがためにアルヴィエンが地球の神に確認を取って用意したもので溢れていた。少なくともこの世界よりははるかに過ごしやすい住環境だろう。貴音からすればありがたい限りだった。それに食べ物に関しても不自由がない。人里に降りなくても生活できるようにという願いを正しく汲み取ってくれたこの建物は非常に心地の良い貴音たちだけの楽園だった。もちろん鎮魂の楽師としての役割は果たしている。役目の対価として与えられたのだから当然だが。
長々と語ってしまったが何を言いたいかというとさっさと目覚めてこの場所から出て行ってほしいということだ。この場所を汚さないでほしいという思いと同時に、こんな訳ありをいつまでも置いておけば確実にこちらにも面倒が降りかかるだろうという漠然とした確信があったためである。
男を寝かせている寝台を見やり起きる気配のない様子を見て洗浄魔法を使用して男の清拭を行うと口笛を吹くと蝶が一匹手元に現れた。
「この男が目覚めたら知らせてほしい」
蝶は貴音の指の上を一周し翅を一回光らせると寝台横のサイドテーブルにそっと止まる。貴音は男を一瞥すると部屋を出てそのまま邸の外に出た。
邸の外は自分の理想通りの美しい景色が広がっている。今は薄紅色の花——桜が咲いているが季節によって花が変わるという特殊な木々は貴音に退屈を与えない。そしてなによりも——清浄であるがゆえに生き物が存在できないほど澄み、空を明瞭に映す水鏡と呼ぶに相応しい湖の上を浮遊する御魂がこの場所をより夢幻の世界と魅せている。
ここにいる魂たちは蝶になる前の霊も蝶の姿になった霊も貴音がやってくれば自然と集まりふよふよと遊び始めるのだ。中には形が崩れ色も酷く澱んだ霊もあり、それらは風に乗ってこの地にやってきた魂たちである。輪廻の使者である貴音の奏でる音はたとえ世界の反対側にあろうとも肉体を離れた魂たちには届くのだ。そうでなければ人間不信になっている貴音でもこんなところに長く籠ったりしない。
ある程度遊んであげたところで帯に差した神楽笛を取り出し静かに奏で始める。音は静かに空気を揺らし、魂たちをそっと撫でていく。笛の音に呼応するようにしゃわしゃわと水面も遊び始める。曲が始まったときは大人しくなった魂たちも曲が進むにつれて風や水面と共に踊り出し綺麗な形の霊たちは次々と蝶へと姿を変え、形の崩れていた霊も完全な球形とはいかないまでも徐々に形を取り戻していく。その様相は夢幻の楽園だった。
曲も終盤に入ろうかという時、蝶たちが一斉に色を変えた。それはつまり招かれざる客人が目を覚ました合図である。それでも貴音は手を止めず奏で続けた。やがて曲は終わりそっと唇から笛を離すと蝶たちは貴音の上を一周し空へと昇って行った。残った蝶が貴音の周りで戯れるのを見ながら静かに振り返る。
「人様の家を勝手に歩き回るのは感心しないな」
そこには数日前に拾った客人の姿があった。
「すまない。しかしあまりに美しい音色が聴こえてきてな。いてもたってもいられなかったんだ。あの音には俺も助けられたから」
「助けられた?」
「……ああ。俺がここに辿り着けたのはあのペガサスとグランツフォーゲルの導きがあったからなのは間違いないが聴こえてきた笛の音に随分と慰められた」
「……だからと言って満身創痍で倒れてたった今目覚めたばかりの奴がふらふら出歩くな。どれだけ頑丈なんだ。しかも裸足」
「……うっ、すまない」
「……まあいい。ひとまず部屋に戻るぞ。詳しい話はまとめてそこでやる。お前が何者なのかも含めて」
気まずそうにしている客人にため息をつきながら貴音は男を促し邸宅の中へと入っていく。客人の男も慌てて貴音に続いて邸内へと入っていき玄関に着いたところで制止された。
「これで足を拭け。外を出歩いた足で上がらせるわけにはいかない」
「ああ、それはそうだが……靴を脱ぐのか?」
「…………そうだ。ここは土足厳禁だからな。珍しいか?」
「東方の国ではそういう風習もあると聞いたことがあるがあまりないな」
「ここにいる間はこちらのやり方に従ってもらう」
「わかっている。そもそも無理やりお邪魔しているのはこちらだからな。文句を言うつもりはない」
礼儀はしっかりしている様子の男を貴音はしばし見つめたが玄関横についていた扉付きの棚から何やら薄い履物を出してきた。
「それは?」
「室内履きだ。俺は基本足袋か裸足だが寝室以外で靴を脱ぐ習慣のない人間からすれば抵抗があるだろうから室内ではそれを履け」
「裸足で室内をうろつくというのが想像つかんがタビというのは今履いているものか?」
「ああ。さっさと足を拭いて上がってこい。それとも洗浄魔法でも使えるのか?」
「いや使えない。すまないな。使わせてもらう」
そう言って足を拭き出された靴を履いた客人は貴音に続いて廊下を歩いていく。外観もだが邸内も不思議な造りになっており客人の男はきょろきょろとせわしなく視線を動かす。
「……この邸はどういう造りになっているんだ?」
「俺の故郷の伝統建築だ。混ざってはいるが主な造りは寝殿造と呼ばれている。ただしこの邸は大分コンパクトで設備も部屋の位置も異なる」
「へえ……こんな建物は見たことないがなんというか、幻想的な造りだよな」
「この建物はそういう趣旨があるからな」
「おもしろいな。ほかにはなにがあるんだ?」
「……外部の人間が知ってどうする?」
声がやや冷たくなったが貴音からすれば成り行きで助けただけの相手にご丁寧に室内の説明をしてやる義理はないし、見ず知らずの人に邸内を探られるのは気分のいいものではなかった。男も気づいたのか気まずげに視線を逸らした。
「すまない。あまりに珍しいものが多くて……不躾だった」
「……わかればいい」
比較的玄関の近くだったためその後すぐに部屋へ到着し貴音は強引に寝台へ押しやった。
「食事を作ってくる。少し時間がかかるかもしれないが大人しく待っていろ。くれぐれも動き回るなよ」
言葉で釘をさすだけでは信用できなかった貴音は白夜を監視に置き襖を閉めた。
男の予想以上の頑丈さにドン引きしながら台所へ向かう。しばらく食事をしていない人間が口にできるものは限られる。数日寝込んでいたことを考慮しておかゆとスープとフルーツがいいだろうとざっと頭の中でメニューを決めた。
しばらくして食事を作り終えた貴音が部屋に戻るとそこには呑気に白夜と遊んでいる客人がいた。白夜も随分とご機嫌な様子にそういえば人に会ったのは初めてだったと思い出す。しかしこのままでは食事ができない。
「白夜こちらへ」
それまでご機嫌で遊んでいた白夜は主の言葉に素直に従いサイドテーブルへと移動した。
「食事だ。ここ数日目覚めなかったから固形物は避けた。文句は言うなよ」
「感謝する」
そう言って受け取った男は見たことのない食事に目を瞬かせた。
「これは……いったいなんだ? 見たことのない料理だが」
「大根と梅の七草粥と野菜のスープ、それからライチと苺のゼリーだ」
トレイに乗せられている食事は病人食と呼ぶには視覚的にも美しく香りもいいものだった。お粥と呼ばれたものは粒があまりなく、スープのほうも野菜はくたくたになるまで煮込まれており、数日間なにも口にしなかった人間が食べるには十分な配慮がされていた。
「本当に感謝する。まだ名乗っていなかったな。俺はラルフという。今回は本当に助かった。このお礼は是非させてほしい」
「……桜庭貴音だ。ついでに言えば一刻も早く回復してさっさと出て行ってもらうことが何よりのお礼だ」
「……手厳しいな」
「そんなことよりも……なぜあんな山の中にいた? あの山脈は人が立ち入らないと聞いていたんだが?」
「……ああ、それについては少し長くなる」
食事をしながら男——ラルフは自身について語り始める。
「俺は断罪と秩序の神・オルディネの神託の許、未練を抱え悪霊や怨霊となり果てた魂を狩る者。通称『未練断ちの狩人』だ」
「まだ目覚めないか……」
貴音は今日もこんこんと眠り続ける男の看病をしていた。神が用意してくれた湖に浮かぶこの邸は前世の科学技術が魔法で再現されている。貴音がなにも望まなかったがためにアルヴィエンが地球の神に確認を取って用意したもので溢れていた。少なくともこの世界よりははるかに過ごしやすい住環境だろう。貴音からすればありがたい限りだった。それに食べ物に関しても不自由がない。人里に降りなくても生活できるようにという願いを正しく汲み取ってくれたこの建物は非常に心地の良い貴音たちだけの楽園だった。もちろん鎮魂の楽師としての役割は果たしている。役目の対価として与えられたのだから当然だが。
長々と語ってしまったが何を言いたいかというとさっさと目覚めてこの場所から出て行ってほしいということだ。この場所を汚さないでほしいという思いと同時に、こんな訳ありをいつまでも置いておけば確実にこちらにも面倒が降りかかるだろうという漠然とした確信があったためである。
男を寝かせている寝台を見やり起きる気配のない様子を見て洗浄魔法を使用して男の清拭を行うと口笛を吹くと蝶が一匹手元に現れた。
「この男が目覚めたら知らせてほしい」
蝶は貴音の指の上を一周し翅を一回光らせると寝台横のサイドテーブルにそっと止まる。貴音は男を一瞥すると部屋を出てそのまま邸の外に出た。
邸の外は自分の理想通りの美しい景色が広がっている。今は薄紅色の花——桜が咲いているが季節によって花が変わるという特殊な木々は貴音に退屈を与えない。そしてなによりも——清浄であるがゆえに生き物が存在できないほど澄み、空を明瞭に映す水鏡と呼ぶに相応しい湖の上を浮遊する御魂がこの場所をより夢幻の世界と魅せている。
ここにいる魂たちは蝶になる前の霊も蝶の姿になった霊も貴音がやってくれば自然と集まりふよふよと遊び始めるのだ。中には形が崩れ色も酷く澱んだ霊もあり、それらは風に乗ってこの地にやってきた魂たちである。輪廻の使者である貴音の奏でる音はたとえ世界の反対側にあろうとも肉体を離れた魂たちには届くのだ。そうでなければ人間不信になっている貴音でもこんなところに長く籠ったりしない。
ある程度遊んであげたところで帯に差した神楽笛を取り出し静かに奏で始める。音は静かに空気を揺らし、魂たちをそっと撫でていく。笛の音に呼応するようにしゃわしゃわと水面も遊び始める。曲が始まったときは大人しくなった魂たちも曲が進むにつれて風や水面と共に踊り出し綺麗な形の霊たちは次々と蝶へと姿を変え、形の崩れていた霊も完全な球形とはいかないまでも徐々に形を取り戻していく。その様相は夢幻の楽園だった。
曲も終盤に入ろうかという時、蝶たちが一斉に色を変えた。それはつまり招かれざる客人が目を覚ました合図である。それでも貴音は手を止めず奏で続けた。やがて曲は終わりそっと唇から笛を離すと蝶たちは貴音の上を一周し空へと昇って行った。残った蝶が貴音の周りで戯れるのを見ながら静かに振り返る。
「人様の家を勝手に歩き回るのは感心しないな」
そこには数日前に拾った客人の姿があった。
「すまない。しかしあまりに美しい音色が聴こえてきてな。いてもたってもいられなかったんだ。あの音には俺も助けられたから」
「助けられた?」
「……ああ。俺がここに辿り着けたのはあのペガサスとグランツフォーゲルの導きがあったからなのは間違いないが聴こえてきた笛の音に随分と慰められた」
「……だからと言って満身創痍で倒れてたった今目覚めたばかりの奴がふらふら出歩くな。どれだけ頑丈なんだ。しかも裸足」
「……うっ、すまない」
「……まあいい。ひとまず部屋に戻るぞ。詳しい話はまとめてそこでやる。お前が何者なのかも含めて」
気まずそうにしている客人にため息をつきながら貴音は男を促し邸宅の中へと入っていく。客人の男も慌てて貴音に続いて邸内へと入っていき玄関に着いたところで制止された。
「これで足を拭け。外を出歩いた足で上がらせるわけにはいかない」
「ああ、それはそうだが……靴を脱ぐのか?」
「…………そうだ。ここは土足厳禁だからな。珍しいか?」
「東方の国ではそういう風習もあると聞いたことがあるがあまりないな」
「ここにいる間はこちらのやり方に従ってもらう」
「わかっている。そもそも無理やりお邪魔しているのはこちらだからな。文句を言うつもりはない」
礼儀はしっかりしている様子の男を貴音はしばし見つめたが玄関横についていた扉付きの棚から何やら薄い履物を出してきた。
「それは?」
「室内履きだ。俺は基本足袋か裸足だが寝室以外で靴を脱ぐ習慣のない人間からすれば抵抗があるだろうから室内ではそれを履け」
「裸足で室内をうろつくというのが想像つかんがタビというのは今履いているものか?」
「ああ。さっさと足を拭いて上がってこい。それとも洗浄魔法でも使えるのか?」
「いや使えない。すまないな。使わせてもらう」
そう言って足を拭き出された靴を履いた客人は貴音に続いて廊下を歩いていく。外観もだが邸内も不思議な造りになっており客人の男はきょろきょろとせわしなく視線を動かす。
「……この邸はどういう造りになっているんだ?」
「俺の故郷の伝統建築だ。混ざってはいるが主な造りは寝殿造と呼ばれている。ただしこの邸は大分コンパクトで設備も部屋の位置も異なる」
「へえ……こんな建物は見たことないがなんというか、幻想的な造りだよな」
「この建物はそういう趣旨があるからな」
「おもしろいな。ほかにはなにがあるんだ?」
「……外部の人間が知ってどうする?」
声がやや冷たくなったが貴音からすれば成り行きで助けただけの相手にご丁寧に室内の説明をしてやる義理はないし、見ず知らずの人に邸内を探られるのは気分のいいものではなかった。男も気づいたのか気まずげに視線を逸らした。
「すまない。あまりに珍しいものが多くて……不躾だった」
「……わかればいい」
比較的玄関の近くだったためその後すぐに部屋へ到着し貴音は強引に寝台へ押しやった。
「食事を作ってくる。少し時間がかかるかもしれないが大人しく待っていろ。くれぐれも動き回るなよ」
言葉で釘をさすだけでは信用できなかった貴音は白夜を監視に置き襖を閉めた。
男の予想以上の頑丈さにドン引きしながら台所へ向かう。しばらく食事をしていない人間が口にできるものは限られる。数日寝込んでいたことを考慮しておかゆとスープとフルーツがいいだろうとざっと頭の中でメニューを決めた。
しばらくして食事を作り終えた貴音が部屋に戻るとそこには呑気に白夜と遊んでいる客人がいた。白夜も随分とご機嫌な様子にそういえば人に会ったのは初めてだったと思い出す。しかしこのままでは食事ができない。
「白夜こちらへ」
それまでご機嫌で遊んでいた白夜は主の言葉に素直に従いサイドテーブルへと移動した。
「食事だ。ここ数日目覚めなかったから固形物は避けた。文句は言うなよ」
「感謝する」
そう言って受け取った男は見たことのない食事に目を瞬かせた。
「これは……いったいなんだ? 見たことのない料理だが」
「大根と梅の七草粥と野菜のスープ、それからライチと苺のゼリーだ」
トレイに乗せられている食事は病人食と呼ぶには視覚的にも美しく香りもいいものだった。お粥と呼ばれたものは粒があまりなく、スープのほうも野菜はくたくたになるまで煮込まれており、数日間なにも口にしなかった人間が食べるには十分な配慮がされていた。
「本当に感謝する。まだ名乗っていなかったな。俺はラルフという。今回は本当に助かった。このお礼は是非させてほしい」
「……桜庭貴音だ。ついでに言えば一刻も早く回復してさっさと出て行ってもらうことが何よりのお礼だ」
「……手厳しいな」
「そんなことよりも……なぜあんな山の中にいた? あの山脈は人が立ち入らないと聞いていたんだが?」
「……ああ、それについては少し長くなる」
食事をしながら男——ラルフは自身について語り始める。
「俺は断罪と秩序の神・オルディネの神託の許、未練を抱え悪霊や怨霊となり果てた魂を狩る者。通称『未練断ちの狩人』だ」
16
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
推しのために自分磨きしていたら、いつの間にか婚約者!
木月月
BL
異世界転生したモブが、前世の推し(アプリゲームの攻略対象者)の幼馴染な側近候補に同担拒否されたので、ファンとして自分磨きしたら推しの婚約者にされる話。
この話は小説家になろうにも投稿しています。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
悲報、転生したらギャルゲーの主人公だったのに、悪友も一緒に転生してきたせいで開幕即終了のお知らせ
椿谷あずる
BL
平凡な高校生だった俺は、ある日事故で命を落としギャルゲーの世界に主人公としてに転生した――はずだった。薔薇色のハーレムライフを望んだ俺の前に、なぜか一緒に事故に巻き込まれた悪友・野里レンまで転生してきて!?「お前だけハーレムなんて、絶対ズルいだろ?」っておい、俺のハーレム計画はどうなるんだ?ヒロインじゃなく、男とばかりフラグが立ってしまうギャルゲー世界。俺のハーレム計画、開幕十分で即終了のお知らせ……!
炎の精霊王の愛に満ちて
陽花紫
BL
異世界転移してしまったミヤは、森の中で寒さに震えていた。暖をとるために焚火をすれば、そこから精霊王フレアが姿を現す。
悪しき魔術師によって封印されていたフレアはその礼として「願いをひとつ叶えてやろう」とミヤ告げる。しかし無欲なミヤには、願いなど浮かばなかった。フレアはミヤに欲望を与え、いまいちど願いを尋ねる。
ミヤは答えた。「俺を、愛して」
小説家になろうにも掲載中です。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる