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九頁 愛憎のヒガンバナ
135話 発覚
「やはりか……」
「アラグリア・リコリスも奴らに利用されていたらしいな」
「おおよその見当はついていたが、実際にその証拠が出てくると不愉快極まりない」
「完全に同意する」
俺は自分の目が冷え切っているのが自覚できるくらいには怒っているし、アウルも顔をしかめるどころか完全に真顔になっている。つくづくこちらの神経を逆撫でするようなことばかりしやがって。報告内容が増えたじゃねえか。今回の件はすでに公爵だけでなく国王も動いているほど深刻な事態だ。他国でもやらかしている以上、ツヴィトーク王国、アウィス王国、聖アーダ教国が本腰を入れて動くだろう。何せ奴らは王族にまで手を出しているのだ。ここで動かなかったら面子が潰れる。
「どうするんだシュヴァリエ」
「……魔道具は魔塔主へ引き渡す。その布は……魔力や術式は込められているか?」
「いや、このダッセェ御印だけだ」
「そうか。なら一緒に送っても問題ないだろう。カル、あれの準備は?」
「ほんっと人使い荒いよねぇ……できてるけどさぁ」
そう言ってカルが懐から取り出したのは鏡のようなもの。これは通信用の魔道具で簡単に言うと相手とビデオ電話できる魔道具だ。だけどあくまでも使い捨ての魔道具だから長時間の使用はできない。……常時使用できるタイプは利便性が良すぎて法律で厳しい制限がかかっている。
「……魔塔主殿と通話するのなら室内に行かないか? ここは騎士たちの邪魔になるだろう」
「それもそうだな。ここにいても私たちのできることは何もない」
「りょーかいりょーかい~っと……? ……っ全員伏せろ!!!」
突然のカルの鋭い声に反射的に全員が頭を伏せ、アラグリアは自分を押さえつけていた騎士たちに庇われる。直後、何かが爆散する音が響き、何かがパラパラと降り注いだ。
「……いったい何が……」
そっと顔を上げると少し離れたところで粉々に砕け散った魔道具と、それを忌々しそうに見つめるカルの姿があった。……ほんと、よくやる。
「怪我はないか?」
「問題ない」
「俺も傷はねえよ。騎士の皆さん方も……大丈夫そうだな」
「はい。お気遣いいただきありがとうございます」
女性騎士たちにも怪我はないようで安心したが、皆さん険しい顔で爆散したものを見つめています。無理もない。禁忌の魔道具は慎重に慎重を重ねた処理が必要になるものだ。所持しているだけで重罪の物を、よもやこんな雑な方法で葬られるとはまともな奴なら考えもしないだろう。俺、アウル、カルの三人は警戒しながら爆散した二つの魔道具の残骸に近づく。
「それにしても魔道具が爆発しやがるとか……」
「本来この魔道具に爆破することはない。誰かが手を加えたんだろう」
「……禁忌の魔道具にそんな真似をする阿呆がいるとはな」
「こんなことができるのだからアベリア山にも平然と手が出せたというわけか」
ほんとそれな。あいつらを束ねているのが頭のイカれたくそ野郎なのは間違いないとして、アラグリアを使ってまで奴らは何を企んでいるんだ? はあ……。
「この爆発したものを解析にまわすのは不可能か?」
「できなくはねえだろうが……」
「いくら魔塔主殿でもここまでばらばらになった物は難しいだろうな。もう少し破片の大きいものだったらできたかもしれないが」
「ほんと入らねえことしかしねえよなぁこいつら」
心底忌々しそうに吐き捨てたカルに俺とアウルは目を見合わせた。
「お前がそこまで言うとは珍しいな」
「何かあるのか?」
「え~? そんなの……」
俺たちの言葉にわざとらしく笑顔を作ったかと思えば突然にハイライトの消えた目をカッと見開いて
「あるに決まってんだろうがよっ!!!!! くそっったれどもがあぁ!!! いったい何度仕事邪魔してきやがったと思ってやがる! 行く先々で散々ちょっかい掛けてきやがって!!! なぁ~にが崇高な目的だ!!! ねちねちねちねちしつけえんだっつ~の!!!」
とんでもない声量で放たれる奴らへの暴言に俺とアウル、揃ってドン引き。鬱憤溜まりすぎじゃねぇあいつ。というか……あの変な集団と悪い意味で関わりあったんだな。
「あそこまで暴言を吐くなんていったい何があったんだ?」
「知らん。だがそろそろ黙らせた方がよさそうだ」
「…………そう、だな」
アウルが困惑するのも無理はない。元気に吠えているのはいいが、その内容がだんだんよろしくないものになっていっている。上流階級の人間はあんなチンピラとかそっち系の人たちが使う言葉に馴染みがない上、ここには男の俺らだけでなく女性騎士もいる。さすがにあれを延々と聞き続けるのはしんどいだろう。現に女性たちの顔が思い切り引き攣っているよ。
「あの×××な××××××!!!!! 次は×××××して××××××××××した後に××××××××……いたっ!?」
とりあえず放送禁止のピー音が入るような言葉を怒りのままに叫び続けるカルの髪を思い切り引っ張って黙らせる。荒ぶるのは後にしろ。アホのせいで忘れかけていたけどまだアラグリアの件が片付いていないんだから。
「話を戻すぞ。いくら爆散したとはいえ、元は魔道具だ。私たちには無理でもあの変た……魔塔主ならばなにかしら糸口を見つける可能性もある。欠片を回収して魔塔主の元へ送る」
「……へいへい」
ゴジマンの髪を引っ張られたことで恨めしげにこちらを睨んだカルだが、すぐに切り替えててきぱきと準備を進める。その間に……
「アウル、彼女たちへの指示を頼む。私がやるわけにはいかないからな」
「わかっている。君はあっちで寂しそうにしている子蜘蛛を相手にしてやってくれ。君を案じてずっとあわあわしていたからな」
アウルが向けた視線の先を見ると、そわそわしながらもいい子に待機している子蜘蛛ちゃん。……ほんと可愛いな君。
「……ああ」
「それから……」
突然アウルが抱き着いてきた。……はい?
「無事でよかった」
………………ぎゃああああぁぁぁぁ!!!!! イケボが耳元で~~~!!! つーかこいつ、まじでがっしりしているな。体に伝わってくる筋肉の感触が……じゃなくて! なに!? なんなの!? なんで急にこんな展開になってるの!? まだ何も片付いていませんが!? あ、いい匂い……じゃなくてヘルプミ~~~!
「……離れろ」
突然のイケメンからの抱擁で内心プチパニックを起こしているが、相変わらず仕事しない表情筋のおかげかさして表情に出ることもなく、なんとかそれだけ口にする。特に抵抗するでもなく離してくれたアウルだけど、代わりにどこかいたずらっ子のような顔でクスリと笑われ、俺はとっさに視線を逸らした。だ・か・ら! イケメンのそういう顔はアウトだってば~~~!!! ……そこで肩を震わせているカル君や、ちょっとあとでお話ししようね?
「ふざけるなぁ~~~!!!」
『……』
いきなり漂い始めた妙な空気をぶち壊すかのように叫び声が上がった。声の主はもちろんアラグリアである。この時その場にいた全員の心は一つになった。すなわち、いい加減にしろ、と。ていうかあの女、矢が刺さったままなのになんであの状態で喋れるんだろう……なんて思っていたら、アラグリアを押さえていた女性騎士たちの真下から突如として魔法が放たれた。即座に避けたのはさすがだが、結果としてアラグリアを自由にすることに。
「いきなりなんだ!?」
「攻撃……いったいどこから?」
「あの攻撃は明らかに私たちをあの重罪人から引き剥がすのが目的で放たれたのでしょう。その証拠にあの女には傷一つついていません」
騎士たちが悔しげに分析する中、俺たちの警戒レベルが一気に上がった。肩に矢が刺さり血を流したままにもかかわらず、ふらふらと立ち上がったアラグリアは、真っ青な顔をしながらも狂気の宿った目と歪んだ口元は不気味極まりなく、もはやそこに立っている存在を俺は人として認識できなくなっていた。人とはここまで醜悪になれるのか、と。
「……シュヴァリエ、シュヴァリエシュヴァリエシュヴァリエ!」
……あそこまで堕ちた存在はもう、戻れないだろう。それならいっそ………………殺してしまった方がいいんじゃないか? ……いや、でも……人を、殺す? この手で? けど、迷っている暇は………………
「……シュヴァリエ?」
俺はゆっくりと矢をつがえ、アラグリアに狙いを定める。ここで終わらせなければ、アラグリアはどんどん堕ちていく。だけど………………手が、動かない。俺は今、生まれて初めて………………人を、殺そうとしている。矢を握る手がわずかに震えはじめたその時。
「駄目じゃないですか、シュヴァリエ様。殺すなら一思いにやらないと」
耳元で、声がした。とても馴染みのある、知っている声。そして——今、この場で、聞こえてはいけない声。それと同時に熱を帯びた痛みが背中に走る。
『なっ……!?』
「シュヴァリエっ!!!」
ゆっくり傾く体、滴る鮮血。斬られたのだと理解したと同時にアウルに抱きとめられる。その表情には驚愕と困惑が滲んでいたが、そんなことに構わず、アウルに支えられながらゆっくりと振り返った。
「なぜ、お前がここにいる………………」
そこには今しがた俺を斬りつけたのであろう鮮血に濡れた剣を構え、嗤っている——サリクスがいた。
・・・・・・・・・・・
次回から『十頁 トリカブトの覚悟』が始まります。お楽しみに♪
・・・・・・・・・・・
いつもならこの後、別の人の視点入れるのですが、それはまとめて次の章の最後に入ります。
一月中に終わるとかほざいて結局終わりませんでした。ほんとうに完結するする詐欺になってしまい申し訳ありません。ですがあと一章で第一部完結になります。
皆様、今後もお付き合いくださると幸いです。よろしくお願いいたします。
「アラグリア・リコリスも奴らに利用されていたらしいな」
「おおよその見当はついていたが、実際にその証拠が出てくると不愉快極まりない」
「完全に同意する」
俺は自分の目が冷え切っているのが自覚できるくらいには怒っているし、アウルも顔をしかめるどころか完全に真顔になっている。つくづくこちらの神経を逆撫でするようなことばかりしやがって。報告内容が増えたじゃねえか。今回の件はすでに公爵だけでなく国王も動いているほど深刻な事態だ。他国でもやらかしている以上、ツヴィトーク王国、アウィス王国、聖アーダ教国が本腰を入れて動くだろう。何せ奴らは王族にまで手を出しているのだ。ここで動かなかったら面子が潰れる。
「どうするんだシュヴァリエ」
「……魔道具は魔塔主へ引き渡す。その布は……魔力や術式は込められているか?」
「いや、このダッセェ御印だけだ」
「そうか。なら一緒に送っても問題ないだろう。カル、あれの準備は?」
「ほんっと人使い荒いよねぇ……できてるけどさぁ」
そう言ってカルが懐から取り出したのは鏡のようなもの。これは通信用の魔道具で簡単に言うと相手とビデオ電話できる魔道具だ。だけどあくまでも使い捨ての魔道具だから長時間の使用はできない。……常時使用できるタイプは利便性が良すぎて法律で厳しい制限がかかっている。
「……魔塔主殿と通話するのなら室内に行かないか? ここは騎士たちの邪魔になるだろう」
「それもそうだな。ここにいても私たちのできることは何もない」
「りょーかいりょーかい~っと……? ……っ全員伏せろ!!!」
突然のカルの鋭い声に反射的に全員が頭を伏せ、アラグリアは自分を押さえつけていた騎士たちに庇われる。直後、何かが爆散する音が響き、何かがパラパラと降り注いだ。
「……いったい何が……」
そっと顔を上げると少し離れたところで粉々に砕け散った魔道具と、それを忌々しそうに見つめるカルの姿があった。……ほんと、よくやる。
「怪我はないか?」
「問題ない」
「俺も傷はねえよ。騎士の皆さん方も……大丈夫そうだな」
「はい。お気遣いいただきありがとうございます」
女性騎士たちにも怪我はないようで安心したが、皆さん険しい顔で爆散したものを見つめています。無理もない。禁忌の魔道具は慎重に慎重を重ねた処理が必要になるものだ。所持しているだけで重罪の物を、よもやこんな雑な方法で葬られるとはまともな奴なら考えもしないだろう。俺、アウル、カルの三人は警戒しながら爆散した二つの魔道具の残骸に近づく。
「それにしても魔道具が爆発しやがるとか……」
「本来この魔道具に爆破することはない。誰かが手を加えたんだろう」
「……禁忌の魔道具にそんな真似をする阿呆がいるとはな」
「こんなことができるのだからアベリア山にも平然と手が出せたというわけか」
ほんとそれな。あいつらを束ねているのが頭のイカれたくそ野郎なのは間違いないとして、アラグリアを使ってまで奴らは何を企んでいるんだ? はあ……。
「この爆発したものを解析にまわすのは不可能か?」
「できなくはねえだろうが……」
「いくら魔塔主殿でもここまでばらばらになった物は難しいだろうな。もう少し破片の大きいものだったらできたかもしれないが」
「ほんと入らねえことしかしねえよなぁこいつら」
心底忌々しそうに吐き捨てたカルに俺とアウルは目を見合わせた。
「お前がそこまで言うとは珍しいな」
「何かあるのか?」
「え~? そんなの……」
俺たちの言葉にわざとらしく笑顔を作ったかと思えば突然にハイライトの消えた目をカッと見開いて
「あるに決まってんだろうがよっ!!!!! くそっったれどもがあぁ!!! いったい何度仕事邪魔してきやがったと思ってやがる! 行く先々で散々ちょっかい掛けてきやがって!!! なぁ~にが崇高な目的だ!!! ねちねちねちねちしつけえんだっつ~の!!!」
とんでもない声量で放たれる奴らへの暴言に俺とアウル、揃ってドン引き。鬱憤溜まりすぎじゃねぇあいつ。というか……あの変な集団と悪い意味で関わりあったんだな。
「あそこまで暴言を吐くなんていったい何があったんだ?」
「知らん。だがそろそろ黙らせた方がよさそうだ」
「…………そう、だな」
アウルが困惑するのも無理はない。元気に吠えているのはいいが、その内容がだんだんよろしくないものになっていっている。上流階級の人間はあんなチンピラとかそっち系の人たちが使う言葉に馴染みがない上、ここには男の俺らだけでなく女性騎士もいる。さすがにあれを延々と聞き続けるのはしんどいだろう。現に女性たちの顔が思い切り引き攣っているよ。
「あの×××な××××××!!!!! 次は×××××して××××××××××した後に××××××××……いたっ!?」
とりあえず放送禁止のピー音が入るような言葉を怒りのままに叫び続けるカルの髪を思い切り引っ張って黙らせる。荒ぶるのは後にしろ。アホのせいで忘れかけていたけどまだアラグリアの件が片付いていないんだから。
「話を戻すぞ。いくら爆散したとはいえ、元は魔道具だ。私たちには無理でもあの変た……魔塔主ならばなにかしら糸口を見つける可能性もある。欠片を回収して魔塔主の元へ送る」
「……へいへい」
ゴジマンの髪を引っ張られたことで恨めしげにこちらを睨んだカルだが、すぐに切り替えててきぱきと準備を進める。その間に……
「アウル、彼女たちへの指示を頼む。私がやるわけにはいかないからな」
「わかっている。君はあっちで寂しそうにしている子蜘蛛を相手にしてやってくれ。君を案じてずっとあわあわしていたからな」
アウルが向けた視線の先を見ると、そわそわしながらもいい子に待機している子蜘蛛ちゃん。……ほんと可愛いな君。
「……ああ」
「それから……」
突然アウルが抱き着いてきた。……はい?
「無事でよかった」
………………ぎゃああああぁぁぁぁ!!!!! イケボが耳元で~~~!!! つーかこいつ、まじでがっしりしているな。体に伝わってくる筋肉の感触が……じゃなくて! なに!? なんなの!? なんで急にこんな展開になってるの!? まだ何も片付いていませんが!? あ、いい匂い……じゃなくてヘルプミ~~~!
「……離れろ」
突然のイケメンからの抱擁で内心プチパニックを起こしているが、相変わらず仕事しない表情筋のおかげかさして表情に出ることもなく、なんとかそれだけ口にする。特に抵抗するでもなく離してくれたアウルだけど、代わりにどこかいたずらっ子のような顔でクスリと笑われ、俺はとっさに視線を逸らした。だ・か・ら! イケメンのそういう顔はアウトだってば~~~!!! ……そこで肩を震わせているカル君や、ちょっとあとでお話ししようね?
「ふざけるなぁ~~~!!!」
『……』
いきなり漂い始めた妙な空気をぶち壊すかのように叫び声が上がった。声の主はもちろんアラグリアである。この時その場にいた全員の心は一つになった。すなわち、いい加減にしろ、と。ていうかあの女、矢が刺さったままなのになんであの状態で喋れるんだろう……なんて思っていたら、アラグリアを押さえていた女性騎士たちの真下から突如として魔法が放たれた。即座に避けたのはさすがだが、結果としてアラグリアを自由にすることに。
「いきなりなんだ!?」
「攻撃……いったいどこから?」
「あの攻撃は明らかに私たちをあの重罪人から引き剥がすのが目的で放たれたのでしょう。その証拠にあの女には傷一つついていません」
騎士たちが悔しげに分析する中、俺たちの警戒レベルが一気に上がった。肩に矢が刺さり血を流したままにもかかわらず、ふらふらと立ち上がったアラグリアは、真っ青な顔をしながらも狂気の宿った目と歪んだ口元は不気味極まりなく、もはやそこに立っている存在を俺は人として認識できなくなっていた。人とはここまで醜悪になれるのか、と。
「……シュヴァリエ、シュヴァリエシュヴァリエシュヴァリエ!」
……あそこまで堕ちた存在はもう、戻れないだろう。それならいっそ………………殺してしまった方がいいんじゃないか? ……いや、でも……人を、殺す? この手で? けど、迷っている暇は………………
「……シュヴァリエ?」
俺はゆっくりと矢をつがえ、アラグリアに狙いを定める。ここで終わらせなければ、アラグリアはどんどん堕ちていく。だけど………………手が、動かない。俺は今、生まれて初めて………………人を、殺そうとしている。矢を握る手がわずかに震えはじめたその時。
「駄目じゃないですか、シュヴァリエ様。殺すなら一思いにやらないと」
耳元で、声がした。とても馴染みのある、知っている声。そして——今、この場で、聞こえてはいけない声。それと同時に熱を帯びた痛みが背中に走る。
『なっ……!?』
「シュヴァリエっ!!!」
ゆっくり傾く体、滴る鮮血。斬られたのだと理解したと同時にアウルに抱きとめられる。その表情には驚愕と困惑が滲んでいたが、そんなことに構わず、アウルに支えられながらゆっくりと振り返った。
「なぜ、お前がここにいる………………」
そこには今しがた俺を斬りつけたのであろう鮮血に濡れた剣を構え、嗤っている——サリクスがいた。
・・・・・・・・・・・
次回から『十頁 トリカブトの覚悟』が始まります。お楽しみに♪
・・・・・・・・・・・
いつもならこの後、別の人の視点入れるのですが、それはまとめて次の章の最後に入ります。
一月中に終わるとかほざいて結局終わりませんでした。ほんとうに完結するする詐欺になってしまい申し訳ありません。ですがあと一章で第一部完結になります。
皆様、今後もお付き合いくださると幸いです。よろしくお願いいたします。
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