悪役令息の花図鑑

蓮条緋月

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七頁 クレマチスの願い

101話 密会を枯らす③

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 ガチャと扉を開けるとわざとらしい笑みで立っていた従業員、もとい敵の下っ端さんがご登場です。お仕事お疲れ様です。

「オルニス様、アクナイト様。なにか問題でもありましたか?」

 何という白々しさ。俺らに喧嘩売ってます君ら? ……ここの宿の従業員はよっぽど暇らしい。

「……何も問題はない。君たちはなぜこんなところにいる?」
「実はお二方にお会いしたいという方がお見えになっております。ご案内いたしますのでどうか私についてきてはいただけないでしょうか?」

 ……おいおい嘘だろ? 仮にも高級宿屋の従業員が一応王家の親戚という立ち位置にある公爵家の子息と、国賓扱いにもなっている同盟国からの留学生に対してするかよ普通。お客様は神様なんて考えは全くないけど接客業……特に貴族、王族も泊まることもあるような高級宿で働く人間が客に対してこの態度を取るんだからそういうことだよな。買収されているのかもとから仲間なのかは知らないが少なくともこいつらはあちら側だ。……じゃあ、遠慮しなくていいよな?
 そっとアウルのほうを見るとどうやらアウルも同じ考えになったらしく俺と視線が合うと小さく頷いた。ならやることは一つ。……ああ、本気でスタンガンが欲しい。だけど無属性魔法の制約の中に『たとえ家族や恋人であろうと魔法を使用するところを見られてはならない』というものがある。だから俺は今魔法を使えない。……もっともシュヴァリエは最期そういう世界の掟とか無視して使っていたけど。まあクライマックス時なんてそんなものか。
 ……余計な前置きはさておき、さっさと動きますかね……っと!!!

「ぐっ!?」

 目の前にいる従業員にまずは拳を一発。馬鹿みたいに真正面に立ってくれていたおかげで一撃入れるのが楽で助かります。崩れ落ちた体を抱えて素早く出入り口から退くとすかさずアウルがもう一人を引きずり込み絞め技で落とした。……攻略対象様は本日も絶好調。
 さてこのくたばっている連中、うまく使えないだろうか? ……ふむ。よし、はぎ取ろう。無言で男たちの服に手をかけるとアウルがわかりやすくぎょっとしていた。

「シュヴァリエ!? 何を……!?」
「この者たちの服を借りて例の場所へ向かう。幸いにもこいつらは私たちと似たような体格をしている。利用しない手はない。……この私が下賤な者の衣服に袖を通すのは心底不服だが……」
「……君って人は……いや、なんでもない」

 なんだその言い淀みは。何を言おうとしたのかはなんとなくわかるけどね。だってシュヴァリエなら絶対やらないし思いつきもしないだろう。だけど今そんなこと言っていられないし使える物は何でも使わないとな。それに……が動いているのなら俺はともかくアウルがいる以上万が一、なんて事態にはしないしさせないだろう。なんやかんやと有能な男だ。じゃなきゃ図ったように騎士が待機しているはずもない。

「……ちょっと待て。地下二階に何人か人がいるらしい」

 ……ほう? ということは今から行けばそいつらとできるかもしれないな。上手くやれば隠し通路を使わせて自主的に騎士たちのお縄についてくれるんじゃね……って、あれ? 俺って自ら突っ込んでいこうという性格じゃなかったような? ……うん、考えないようにしよう。

「行くのか?」
「ああ。面倒な手間が省けていい。君は……」
「行くさ。俺一人で残るわけにもいかないだろう。君の懸念はわかるが
「……わかった」

 こいつがこう言ったならこれ以上は突っ込むまい。
 方針が決まった俺たちは気絶させた二人から服をは、拝借してシーツで包む。その上から縛り上げて完全に動きを封じた。 
 服を着こんで魔道具で髪と目を染め化粧を施し部屋から出る。万が一にも音が漏れないようにこちらも風魔法で遮音した。風は空気の流れで音はその流れによって生まれる振動のこと。だから風魔法を使える奴は応用して遮音できるらしいよ。要するに音を伝えられるなら遮ることもできるよねって理屈なんだと。誰だよこれ最初に発見した奴……風魔法って便利すぎません?
 それと……シュヴァリエの奴、変装術として使える化粧技術を習得しているんだからたまげたもんだよ。

「シュヴァリエ……君、こんな技術をどこで習得したんだ?」

 宿屋の廊下を堂々と歩き目的地へ向かっている最中、案の定アウルが俺に質問してきた。

「……昔どうしてもパーティーに出たかった時があってな。私の使用人にせがんで変装のやり方を教わった。魔法を使わない体形の変え方、口調の変え方。この化粧技術もサリクスはなんでも教えてくれた。その技術を使って使用人のふりをしてパーティーに潜り込んでいた」
「…………予想の斜め上の内容だったんだが。なぜ一使用人がそんなことを知っている?」
「……知らないな。だが役に立ったのならばなんでもいい」
「………………そうか」

 アウルが何か考え事をしているようだったが俺はそれをしれっと無視。今はとにかくネズミの巣に行かないといけない。すれ違う連中は俺たちを全く気に留めず素通りしていくから変装は完璧らしい。あいつらを探しに来られても困るから大分急いで準備したからちょ~っと心配していたけどひとまず安心かな?
 しかしさすがは高級宿、めちゃくちゃ広いし段違いで清潔だ。こんな綺麗な場所なのに人間が掃き溜めにしているという事実は……胸糞悪いよなぁ。良いものを良いものとして維持してきたのを余所者が、部外者が汚しているという現状は前世の……現代日本も当てはまる。こういうのは人間という生き物が存在するどこの世界でも同じなんだろう。……ああ、汚らわしい。ここはお前らが汚していい場所じゃねえんだよ。考えてたらムカついてきたなぁ。美しいものを汚して笑っている人間は全員まとめて地獄に落ちろ。


「シュヴァリエ」

 ……あ~俺今ヤバめの思考に陥りかけてたか。昔からなんかこういうことあるんだよな。今回はアウルがいてくれて助かったかも。

「なんだ」
「君、今何考えた?」
「君には関係ない。昔から時々ある悪癖のようなものだ。周囲への影響はない」
「……その割にはかなり凶悪な顔になっていたが?」
「…………君の気のせいだろう。今は私のことよりも殿下の命の方が先だ」
「……なにかあれば言え」
「お気遣い痛み入ります」

 そんな雑談をしながらも俺たちは地下二階へ。階段を降りていくと空気がひんやりとしていて非常に不気味だった。……肝試しとかできそう。夏だからちょうど良くね? ……なんて冗談はさておき、目的のフロアに無事到着。扉が薄く開いているおかげで物音と微かに会話が聞こえてくる。どうやら今は検品作業中らしい。 
 ……では。

 俺は勢いよく扉を蹴り開け声を荒げる。

「おい! 今すぐ逃げるぞ!」

 突然入ってきた従業員(中身はシュヴァリエ)にギョッとして中にいた全員がこちらを向く。なんとまあ皆様大変傑作なお顔をしていらっしゃる。驚きすぎて荷物を取り落とした奴もいてちょっと笑いそうになった。それから……俺の後ろで肩を震わせている攻略対象さ~ん? 何がそんなにおかしいのか後でじっくりお話ししようじゃないか。どうせシュヴァリエの奇行で笑っているんでしょうけども! 

「はあ? いきなりなんだよ」
「この宿が白光騎士団の連中に囲まれてんだよ!」
「んだと!? お、おいまずいぞ! どうすんだ!?」
「一旦逃げて上に報告しねえと!」
「おい! お前俺らが逃げるまで時間稼ぎしておけ!」
「はあ!? ふざけんな! 俺を置いて行くのかよ!」
「うるせえ! どうせてめえらがヘマでもしたんだろうが! 責任取って囮になりやがれ!」
「! おいっ!!!」

 奴らは見事に俺を置いてバタバタと例の隠し通路を登っていった。こいつまじで下っ端の下っ端だったのか……哀れだねえ。……さて奴らの足音が完全に聞こえなくなったのを確認してから俺は物置を見て回る。……早速よくないものが目に入った。初めて見るけどおそらく違法薬物だな。それにこれは……なんかよくわからないけどおそらく武器、か? これだけでもこの宿が真っ黒だってこと。ほかには…………ん? 隠し扉がある。だけどやたらと小さいな。開けてみたいけど鍵がついている……と、いうことは! ここになにかありますよと言っているようなものですよね! もっともそういう思考を利用した罠、ということもあるから一番安全なのはやっぱり正攻法だよね。……ここに関しては騎士たちに任せようかな。わざわざ俺が動いてやる必要性はない。

「随分とあっけなかったな」
「ああ。正直ここに辿り着くまでのほうが問題だったからな。ここを抑えた以上長居する理由はない」
「わかった。ならば部屋に戻って着替えをしてしまおう」
「そうだな」

 俺たちは扉を開けっぱなしにしたまま自分たちが泊っていることになっている部屋へ戻る。
 アウルは風魔法と雷魔法、そして火魔法の応用で外に待機させていた騎士たちに合図を送った。花火みたいなものっていえばわかりやすいだろうか。騎士へ合図を送る方法を提案してきたのはアウルのほうからだったんだよね。なんと言ってもアウルは無属性以外の五属性を持っているからな。クラルテもだけどこいつもそれに匹敵するほどのチートだったっけ。ほかの攻略対象たちも魔法属性ほど平均的な感じだけど以上に情報収集能力が高かったり武術の腕前が英雄並みだったり瞬間記憶能力を持っていたりずば抜けた頭脳があったりととんでもない能力を持っている。そんな奴らがこぞって平民であるクラルテに群がるんだからシュヴァリエとしてはさぞ面白くなかっただろうな。
 アウルの合図を受けて騎士団が宿の中に入ってくるのを窓から眺める。

「これで殿下からの依頼は完了だな。この後はどうする? 時間も時間だからそのまま泊まってもいいと言われていたが……」
「……まさか。こんな汚れがこびりついている場所に長居するほど酔狂ではない」
「君ならそう言うと思ったよ」
 
 そんな話をしていると小さくドアを叩く音が。

「オルニス公子、アクナイト公子。白光騎士団の者です。夜分に申し訳ございませんがお話よろしいでしょうか」

 その言葉に俺が扉を開けると私服に身を包んだ三十前後と思しき騎士が一礼する。

「本日はご協力いただきありがとうございました。あちらのほうも無事に制圧完了とのことでございます。第二王子殿下よりこの宿を制圧し次第お二人を保護せよとのご命令です」

 ……お前休んでもいいって言ってたろうが。なんで急に内容変わってんだよ。

「……殿下はそのまま泊まってもいいと言われていますが?」
「………………殿下より『アウル公子はともかくシュヴァリエ公子は少しでも汚れがあったと判明した場所には長居したくないと言うでしょうから迎えに行け』……とのことでございます」
「………………」

 ものすごく気まずそうに放たれた言葉にアウルは盛大に吹き出した。……お前、まじで後で面貸せや。


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