女神として召喚されましたが……

中村湊

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星めぐり祭りと祝福のランタン

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 あの術で惑わされ続けていた日々から解放され、芽衣子は違う悩みを抱えはじめた。
 『元の世界に戻れない』という、現実。それと、『彼への好意』という気持ち。好意も、ひとりの男性として好き。一緒に居たい、という……。今まで、彼にキスをされても抱擁をされても拒まないできていた自分。
 自分が居た世界から、このブリューワー王国のある世界に召喚された一方通行の道。還ることができない現実は変わらない。変わったのは、自分がこの国をもっと知りたい、この国で出会った人たちへの気持ち。特に、アーノルドへの気持ち。

 今日は淑女教育を久し振りに受けていて、ダンスの練習にアーノルドが相手をしてくれている。芽衣子は自分の気持ちにはっきりと気がついてからというもの、ダンス相手にアルが手をとり腰に軽く手を添えてリードしてくれている。
 彼の熱い眼差しが上から注がれ続け、顔だけでなく全身が熱くなる。抱擁を何度も受けているのに、まったく違った熱を感じる。

 「いいですよ。その調子で」

 ダンス講師の声とリズムの手拍子が、離宮の小さなダンスホールに響く。同時に、メイのヒールの音が軽やかなリズムを刻んでいく。ひと通りダンスの練習が済むと、アルにエスコートされてソファに腰掛けた。
 マーリンが休憩のためにお茶を用意してくれている。ダンス講師には「いつパーティーに招待をされても大丈夫です」と、最近は褒められることが増えた。芽衣子は、アルがダンスパートナーだからだろうと思っている。
 彼は、本当にダンスのリードもうまく大柄な体軀たいくにも関わらず。身長の差があるメイとダンスを難なくこなしている。

 「メイ様。もう少しで星巡り祭りが執り行われるのは、ご存知ですよね?」
 「え、えぇ。たしか、ブリューワー王国の年に1度行う大切な祭りだと……ランタンが星のように輝いて空に浮いているのよね?」
 「はい。魔法というのはないのですが、初代女神さまが星のランタンをお創りになられたのが始まりと云われております」
 「代々の女神さま達は、何かしら遺しているのね……わたしとは大違いよね……」
 「それは違います、メイ様。今、貴女が下町の件でしてらしていることは誇るべき事です!!」
 「ありがとう、アル」

 ティーカップを口に運ぶと、ほんのりと甘い花の匂いがする。王妃さまからの差し入れの茶葉なのだろう、と思った。あれから王妃様やヘンリー王子の妃からも、芽衣子の作った菓子などにあう紅茶の茶葉を差し入れてくれている。茶会では、芽衣子の作った菓子や軽食も振る舞う。

 ダンスホールに軽くノックの音がし、マーリンが扉に向かうと宰相のフリッツが書類を片手にやってきた。
 芽衣子は何やら嫌な予感もした……この宰相、仕事の鬼なのだ。書類の報告内容に不備が1つでも見逃さないほど。それは、芽衣子に対しても……ブリューワー王国の宮中の文官ですら、最初から書類仕事に慣れる訳ではないのだが、フリッツはメイのノートを見てからと言うものの。要求のレベルが段々と上がってきている。
 柔やかな笑みを浮かべてメイとアルのところにやって着たのが、余計に怖さを増している。

 「本日はダンスの練習と伺い、こちらに参りました。メイ様」
 「用件はなんでしょうか? 書類に不備がありましたか?」
 「不備? それどころではないですよ!!」
 「それどころでは、ない?」
 「えぇ!! こんなにも素晴らしくまとめられた内容に、見積もり、そして教会の司祭達などからの意見。現状から見た今後の計画案!!  離宮に置いておくのはもったいない!! やはりここは……宰相補佐官として!!」
 「まっ、待って!! 書類に不備はないのよね? な、ならそれで話しは進められるの?」
 「そうですね。予算は組み直せば、星めぐり祭りの後から準備を進められます」

 星めぐり祭りの後? 祭りまで、あと2週間。宰相の下で働いている文官達、そして日本で言う財務省にあたる税吏官達の悲鳴が浮かんだ。
 隣に居るアーノルドも同じ風景が浮かんだようだ。少々、顔が引きつっている。
 その後、フリッツの宰相補佐官への熱い口説きをアルとマーリンの手助けで逃れて部屋に戻った。違う意味で疲れが出た。

 星めぐり祭りに向けて、マーリンは王妃様からだとドレスの新調をする手筈を整えてくれた。城下町は何度か脚を運んでいるが、下町で歩くのとは違うので城下町でも馴染む動きやすく。そして、祭りを楽しめるようにと。
 祭りにはアーノルドが一緒に行ってくれることになっている。『祭りを案内し、メイ様の見聞を広めろよ!!』とかなんとかフリッツは言いながら、にやにやしていた。何か、絶対、隠してる。マーリンも嬉しそうにドレスの生地やレースを並べている。
 離宮には滅多にお針子たちは来ないのだが、王妃様の紹介という事で数人のお針子ととりまとめの職人が来ていた。
 絹地の肌触りの良い生地に、染めたレース。既に仮縫いを済ませた状態になっており、祭りまで1週間の時には微調整のみ。王妃様たちは、仕事が早いというか宰相の口添えもあったのだろう。

 星めぐり祭り当日ーー

 その日の朝。窓辺から差し込んできた光は、太陽の光以外もあった。マーリンがカーテンを開けると、虹彩こうさい混じりの陽の光が射し込む。
 空に、ランタンが浮かびはじめている。昨夜、眠る時は満月がほんのり虹の色を纏っていたのを憶えている。

 「メイ様。おはようございます。朝の紅茶をご用意しております」
 「えぇ、ありがとう。今朝は初めて感じる紅茶だけど……」
 「はい。王宮では星めぐり祭りの日の朝に飲む特別な紅茶です。特に、想い人のいる淑女レディのための、です」
 「お、おも……そんな人は……でも美味しいわ」
 「届きますよ」
 「だ、だ、だから想い人はっ!!」

 マーリンの意味ありげに微笑む姿と、「全てお見通しです」という瞳。隠し事、無理だ。マーリンには、特に。
 朝の紅茶の後は、食事をとるための普段着のドレスに着替える。身支度を済ませると、隣室で待機していたアーノルドが入ってきた。騎士姿のアーノルドだが、先ほどの声が聞こえていたのか? 耳が紅い。
 いつもの朝食の席なのだが、どこかぎこちなさを最近は憶えている。ちらちらと彼を見やり、ぼうっとしてしまい手が止まっているのをマーリンに小声で指摘されるのだ。彼も彼で、メイを見て優しい笑みを浮かべる事が増えた。
 あの、強面で鋭い瞳の大男だけれど……芽衣子には充分魅力的で。魅了されている。
 食事を済ますと、祭りが始まる時間に合わせ支度をはじめる。ここで、一旦、警護はダイと第二騎士団の団員1人が扉の外で行う。アーノルドは城下町に騎士服では出歩かないため、護衛も兼ねて動きやすい小洒落た服を用意されているのを着る。用意したのは、フリッツだが……。

 『お前は、こういうのに疎いからな』と。

 茶系のパンツに、長いブーツは履き慣れた靴。そして、白い絹地のシャツに青茶のベスト。シャツは胸元全てボタンはせずに、3つ程開けている。帯剣ベルトを腰に巻き、剣を留め具で鞘と固定して付ける。髪型は軽く整え、髭はいつもより丁寧に剃った。
 メイの居る部屋の続き扉から入らず、表の廊下に出て支度が終わるのを待つ。扉が空き、出てきた彼女にごくりと喉を鳴らしぼぅっとした。
 彼女が着飾った姿は何度も見てきている。その度に様々な魅力を感じ、キスを交わし抱擁する度に夜の熱が激しさを増しているというのに……。今日のメイは、一段と彼を魅了しはじめた。
 王妃様と宰相・フリッツの手筈で仕上がったドレス。それは、城下町に出歩いていても変な悪目立ちをしない生地とデザイン。そして、星めぐり祭りを愉しみにしていたメイの気持ちを汲んだものだった。
 胸元はやや大胆に開いているが、染め上げた虹彩のオレンジ色のレースが2重に重なり胸元をさり気なく隠してビーズが付けられ星が胸元にあるよう。肩から袖はキツすぎないように仕上げられ、袖口に小さな同じ染め上げのレースが縫い付けられている。胸元から腰の曲線がさりげなく流れ、動きに合わせふわりと揺れる足首元まであるスカート。生地は絹で、丁寧に染め仕上げられた染め方だったようで肌さわりが良い。祭りで女性たちが良く好んで着ている色のカナリア色やオレンジ色ではなく、あえてアーノルドの瞳であるセリアンブルーのドレス。

 「アーノルド、今日はよろしく」
 「……………」
 「アル?」
 「……っ、く……しい」
 「えっ?」
 「……美しい……」

 ひと言、彼は芽衣子をまっすぐ見つめて「美しい」と言った。そして、流れるような仕草で跪き軽く手を握り手の甲に唇を堕とし「今日は供に」とやや擦れて低く響く声で言った。
 その声は、彼女の下腹部を刺激しずくずくと疼き熱を孕みはじめる。

 どうやって城下町へと出てきたか憶えていないが、今、自然とアーノルドのエスコートで彼の手を絡ませて握り合い町を歩いている。出店が並んでいる中央広場、そして、そらに浮くランタン。町の人々は祭りを愉しんでいる。
 出店の1つで、軽く食事を食べられるテーブルの店に彼が案内してくれた。そこは、最近流行っているというパンケーキ……確実に芽衣子の作ったモノが流行っている……が食べられる店。

 「この野菜パンケーキのセットを2つ。それと……メイはアルコールは大丈夫か?」
 「う、うん」
 「ハルンを2つ」

 店員は注文を受けると、屋台の作り手に注文を告げ、ハルンが入っているジョッキを2つ持ってきた。
 初めて見るハルンは、少し泡が浮いて赤とオレンジ混じりの不思議な色だった。

 「ハルンは初めてか?」
 「うん……泡が出てるね。色も不思議」
 「あぁ、メイの言っていた泡のあるワインだったか? そのようなものだ」
 「泡のあるワイン……んっ……あっ、おいしい!!」
 「そうか、よかった。まぁ、甘い感じだがアルコールが結構強いから気を付けた方がいい」
 「そ、そうなのね……いま、一気に飲みそうだった」

 町の様子を見ながらアルと一緒に食事をした。勘定を半分だそうとすると、「今日は俺におごらせてくれ」とがんとして譲らなかった。彼のその時の必死な表情が、なんだか愛おしく感じた。 ティーを済ますと、夕陽が傾きランタンの虹彩と陽のオレンジが空で綺麗な色になっている。街中、いや、国中がきっとこの空の下で皆が祭りをそれぞれ愉しんでいるのだろう。
 食事以外の出店には、祭りにちなんだお土産屋や飾り、装飾布のハンカチなどが売られている店が立ち並ぶ。アルが指を絡ませて手を握るのを当たり前のようにしてエスコートして歩く。芽衣子は嬉しくもあり、恥ずかしくもあった。
 男性とこんな風にデートするのは、初めてに近かった。この国に召喚される前と言えば、お付き合いのあった人は1人居たが……「お前、いつもつまんなそうだな」と言い捨てられた挙げ句、芽衣子の同じ会社の女性社員と二股掛けられていたのだ。

 『ごめんなさい。先輩。彼が私との方がイイって言うの。ほら、先輩って淡泊じゃない?』
 『ほんと、ごめんなぁ~。なんかさ、コイツの方がイイんだよなぁ』
 『……はぁ……』
 『お前ってやっぱつまんねぇわ』
 『それ言ったらダメですよぉ。本当のことなんだから』

 チクリと刺さった棘を思い出し、ふと脚が止まる。不思議に思った彼が、手を優しく握り「大丈夫か?」と声を掛けてくれた。本当に強面なのに、わたしには優しい表情しか見えてこない。この鋭い瞳に見つめられると、心臓から全身に血が巡り身体中が熱く下腹部の熱の孕みを増していく。
 ぎゅぅっとアーノルドの手を絡めて握ると、少し安堵した彼の唇。ドクンと胸が鳴り、厚めの彼の唇を見つめていた。

 「なにか欲しいものは?」
 「欲しい、もの?」
 「あぁ、せっかくだから……その、メイにプレゼントしたい」
 「……わたしに?」
 「ダメか?」
 「うぅん!! 嬉しい!!」

 彼女の先ほどまで暗かった表情は、本当に嬉しいという頬を少し染めた期待の籠もった瞳になった。
 出店の中で、星めぐり祭りにちなんだ土産屋を何軒か見て歩き、ひとつの店で立ち止まる。それは、指輪やネックレスなどのカップル向けの商品が並んでいた。値段も高くなく安すぎず。品物もしっかりと丁寧に作り込まれている。
 指輪が並ぶケースに芽衣子は目が留まった。今まで、指輪を贈って貰った事もなければ。そういった機会もなかった。アルとお揃いだなんて……彼は嫌がらないだろうか? ちらりと彼の方を見やると、「主人、このペアリングを」と言った。
 まさに、芽衣子がアーノルドと付けたいと思ったペアリング。虹彩色の小さな石が中心に埋め込まれ、植物の模様の彫りのある少し凝った品。
 買った品を直ぐ、彼はメイの右手の薬指に嵌めた。まさに、相手が居ます、という……アルの右手の薬指にメイが嵌める。「お似合いですよ」と主人が喜ばしげに声を掛けてくれた。くすぐったく感じたが、店主に「ありがとうございます」と自然と言えた。

 祭りの最高潮の時間帯になり、虹彩色を纏った月夜になりランタンが星のように宙にたくさん浮いて皆を照らす。ランタンは空に近い高さから、人々の頭の少し上と、様々だった。
 アーノルドは、メイと一緒にランタンの許にやってきた。彼が柔らかくメイの唇にキスをし、「これからも供にいたい」と熱く優しく低い声で言う。
 優しく抱き留められ、周りの人々も祭りの熱で互いは見えていない。彼の熱い抱擁と優しさ。真剣な鋭い眼差し。下腹部に孕んだ熱い熱。全てを感じながら、アーノルドは再びメイにランタンの下でキスをする。
 優しいキス、ついばむキス。舌を軽く絡める、味わい、唇を食み……色んなキスで彼は彼女を翻弄した。ランタンの色は、2人の上で虹彩の色の様々な色に変化していく。2人のキスの変化に合わせるように。そして、ランタンから小さな星が2人に降り注いでいる。
 アーノルドに甘く優しく激しくキスをされながら、小さな星が降り注いでるのが瞳の端で見え、彼の瞳にも映り込み。芽衣子はこの上なく、彼と供にいるのが当たり前に感じ。これからも……もっと、彼を感じていきたくなる。
 星々が虹彩を纏い、2人に注ぎ消え込む。

 ランタンの下で、幾人ものカップルが愛を語らい。婚姻を申し込んだり、交際を申し込んだり……祝福を受け、星々が注がれていく。
 宙に浮く、多くのランタンが一斉に小さな星を降らせていく。

 星めぐり祭りの夜の宵闇は、星が消えるまで続く……。

 メイとアーノルドは、城下町の外れの王宮近くの丘で星が降り注ぐ丘で供にいた。その空は、国中を、全ての人々を、分け隔てなく祝福してくれていた。
 メイとアルの2人の関係も例外なく、祝福されている。2人は、飽きることなくキスを繰り返し抱き締め合い。夜が明けぬうちに、離宮の部屋へと戻り続きを……と、いう所で。

 見事に待ち構えていたマーリンに、アーノルドは引きはがされた……。
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