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夏休みの茶会になぜか、出逢う
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荷物を幾つか先に実家に送って、手荷物をトランクにまとめた。 迎えの馬車が時間通りにやってきていた。
門前は、迎えの馬車が並んでいる。
「マリアお嬢様!!」
「あぁ、元気だった?」
「お嬢様も……」
「帰ってから、ね?」
クロイツ家の従者は、皆察しが良い。その場で尋ねない方が主などのためになる場合は、言わない。
ガタゴトと馬車が石道を通る。学園から首都周りは道が整備されているので、わりと振動が少ない。
馬車の窓に映る自分の顔を見る。
学園に入った頃の顔。少しふっくらした白い肌、ほんのり赤い頬。お母様に似た黄金色の綺麗な髪の毛、薄翠に黄金が光る瞳。
いまや、頬はひきしまった……というか、痩けた。赤い頬はないし、黄金色のサラサラの髪は、バサバサ。何を手入れしても、自分では手の施しようがなくなっていた。
あんなに綺麗だった指先も、脂っ気がなくなってささくれとか……あかぎれとか。夏だよ? あかぎれって、冬になるんじゃないの? って思った。
クロイツ家に到着して、出迎えた家族が。全員呆然としていた。そして、最初の1週間。メイド長はじめ、全員。家族含めて。手当をしてくれた。
もうね、病人扱いというか……たぶん、ストレスが相当だったんだ。私。
家に帰って来るなり、馬車を降りた瞬間に号泣していたから。私。
そんな私を、皆、抱きしめて迎えてくれた。「だいじょうぶよ」「泣いていいよ」とか。お兄様もお父様も、一緒に泣いてくれた。お母様とお姉様は、なんだか黒いオーラが見えたけど。
至れり尽くせりの1週間で、髪の艶も戻ってきて、食欲も戻ってきた。久し振りにご飯の味がした。
学園のことは、聞かないでください。
「マリア、来週お茶会の予定なのだけれど……」
「お姉様のお友だちですか?」
「ワイバーン様のお知り合いもいらっしゃるの」
「お姉様の婚約者の?」
「えぇ……」
「お姉様のお友だちでしたら大丈夫です」
少し、胸をなで下ろしたけれども何か気にしている。兄のフィリップをチラリと見ているヘイリー。
2人で意を決したように、「どうしてもお前と逢いたいという人がいるんだ」と。
誰だか分からないが、刺繍のことに興味を持ってくれた方かもしれない。「はい、大丈夫です」と自然と口にしていた。
【茶会当日】
天気は快晴。雲は、少し。
雲行きは、怪しい。茶会の席が。
私の隣に座っているのは……リヒャルト様。私の推しの騎士様です。
お茶をしずかーに飲みながら、睨むようにして私を見ているんですが?!
向かいの席では、ロイ公爵が私を見つめている。いや、前方の何とかに、後方の何とか?! あぁ、言葉がでてこない自分が悔しい……。
お2人とも、初対面。です・・・・・・。ロイ公爵は嬉しそうな表情で見ているんですが。すごーく、すごく、リヒャルトさまの視線が痛い。
「そうそう、このレース編みのアクセサリー。お父様が教会に見せたら、鑑定になって」
「鑑定? なぜですか? お姉さま」
「お父様があなたの力が入った小物入れがあるのを聞いているでしょ? どうやら、あなたが思って作った相手によって、補助魔法が働いているの」
「それはすごい!!」
「そうでしょう!! ワイバーン!!」
「ロイ公爵も刺繍に興味を持たれて、この茶会に来たの」
お姉さまが話題を必死に、ひーっしっに話しています。ですが、リヒャルト様は・・・・・・相変わらず、私を睨んでいます!!
私、なにか・・・・・・しでかしてますか? 隣の席は、貴方が座ってきたんですよね?
「少し、庭園に行ってきますね。お姉様」
「そうね」
お辞儀をして席を立ち、1人ゆっくり庭園を歩いた。
「ふぅ」
「やっと会えた!!」
「きゃっ!!」
「んもぅ!! ひどいわぁ!!」
振り返ると、ロイ公爵がハグしている……えっと、この人、たしか初対面だよね? 私に逢いたいって言っていた1人だけど。
この口調……なんだか。覚えが・・・・・・。
「もう、ワタシのこと覚えてないの? アレだけの仲なのに?」
「……っ?! あぁ!!」
「シッ!!」
「んっん゛ーー」
オネエちゃんだ!! 前世の同士で、キョウダイの!! ジンワリ涙が出てきた。
思いっきり大声出しそうな私の口を、大きな手で塞いでますけど。
「あ゛いだがっ……っく、ひっく……」
「泣き虫なのは、いつもね? ふふっ、可愛いんだから!!」
ガサッ!!
タイミング悪く、リヒャルト様に見つかった。
あっ、私……リヒャルト様と終わった……。と、思った。そしたら、アレ? オネエちゃんことロイ公爵が遠のいた。
ポスッ。ぎゅう。
「彼女を・・・・・・泣かせるな!!」
ものすごーく、低音ボイスで聴いていて心地よい声で言っている事が。「俺の女に何してる?」的な。いやいや、考え過ぎでしょ? 聞き間違いでしょ?
彼の身体の熱が伝わってくる。
すごい、心臓バクバクして、もう、どうしよう?
首元に顔を埋められて、「もう大丈夫」と耳元で優しく囁かれた。
チュッ。
「んっ」
「可愛い……俺の……」
「リヒャルト公爵? 俺もまだいるんだけど?」
「あぁ、いたのか? ロイ」
「ぁ……っ……」
「早く戻ったらどうだ?」
「この茶会に来れた礼を言えよ?」
あぁ、オネエちゃんが、お兄ちゃんになってるし。礼を言えって、リヒャルト様に言ってるし。
その間にも、耳たぶとか首筋とかを指で優しく撫でてくるから声を必死に我慢していて。
少し彼を見上げて訴えたら、なんかすごく赤面して「限界来そう」とか言われて。その場に私をおいて逃げられた。
オネエちゃんと、顔を見合わせるのが・・・・・・色んな意味で、恥ずかしい。
「ごめんねぇ、茜。なかなか会えなくて」
「ううん……良かった。オネエちゃんとまた会えて」
再会が変な形になった。
この茶会で私に逢いたがっていたのは、ロイ公爵だった。予想外にも、リヒャルト様が釣れた? らしい。
茶会の席で少し話題にでた、私の刺繍やレース編みの小ものには魔法が掛かっているらしい。その人を護る魔法みたいで。レース編みのアクセサリーだと、最初に付けるのを手伝った人が護衛魔法の効果を助力。
ヘイリーは婚約者のワイバーンがつけてくれたので、ワイバーンの想いと護衛魔法が追加されていたらしい。
どんな助力スキルだ? 強化されてません?
門前は、迎えの馬車が並んでいる。
「マリアお嬢様!!」
「あぁ、元気だった?」
「お嬢様も……」
「帰ってから、ね?」
クロイツ家の従者は、皆察しが良い。その場で尋ねない方が主などのためになる場合は、言わない。
ガタゴトと馬車が石道を通る。学園から首都周りは道が整備されているので、わりと振動が少ない。
馬車の窓に映る自分の顔を見る。
学園に入った頃の顔。少しふっくらした白い肌、ほんのり赤い頬。お母様に似た黄金色の綺麗な髪の毛、薄翠に黄金が光る瞳。
いまや、頬はひきしまった……というか、痩けた。赤い頬はないし、黄金色のサラサラの髪は、バサバサ。何を手入れしても、自分では手の施しようがなくなっていた。
あんなに綺麗だった指先も、脂っ気がなくなってささくれとか……あかぎれとか。夏だよ? あかぎれって、冬になるんじゃないの? って思った。
クロイツ家に到着して、出迎えた家族が。全員呆然としていた。そして、最初の1週間。メイド長はじめ、全員。家族含めて。手当をしてくれた。
もうね、病人扱いというか……たぶん、ストレスが相当だったんだ。私。
家に帰って来るなり、馬車を降りた瞬間に号泣していたから。私。
そんな私を、皆、抱きしめて迎えてくれた。「だいじょうぶよ」「泣いていいよ」とか。お兄様もお父様も、一緒に泣いてくれた。お母様とお姉様は、なんだか黒いオーラが見えたけど。
至れり尽くせりの1週間で、髪の艶も戻ってきて、食欲も戻ってきた。久し振りにご飯の味がした。
学園のことは、聞かないでください。
「マリア、来週お茶会の予定なのだけれど……」
「お姉様のお友だちですか?」
「ワイバーン様のお知り合いもいらっしゃるの」
「お姉様の婚約者の?」
「えぇ……」
「お姉様のお友だちでしたら大丈夫です」
少し、胸をなで下ろしたけれども何か気にしている。兄のフィリップをチラリと見ているヘイリー。
2人で意を決したように、「どうしてもお前と逢いたいという人がいるんだ」と。
誰だか分からないが、刺繍のことに興味を持ってくれた方かもしれない。「はい、大丈夫です」と自然と口にしていた。
【茶会当日】
天気は快晴。雲は、少し。
雲行きは、怪しい。茶会の席が。
私の隣に座っているのは……リヒャルト様。私の推しの騎士様です。
お茶をしずかーに飲みながら、睨むようにして私を見ているんですが?!
向かいの席では、ロイ公爵が私を見つめている。いや、前方の何とかに、後方の何とか?! あぁ、言葉がでてこない自分が悔しい……。
お2人とも、初対面。です・・・・・・。ロイ公爵は嬉しそうな表情で見ているんですが。すごーく、すごく、リヒャルトさまの視線が痛い。
「そうそう、このレース編みのアクセサリー。お父様が教会に見せたら、鑑定になって」
「鑑定? なぜですか? お姉さま」
「お父様があなたの力が入った小物入れがあるのを聞いているでしょ? どうやら、あなたが思って作った相手によって、補助魔法が働いているの」
「それはすごい!!」
「そうでしょう!! ワイバーン!!」
「ロイ公爵も刺繍に興味を持たれて、この茶会に来たの」
お姉さまが話題を必死に、ひーっしっに話しています。ですが、リヒャルト様は・・・・・・相変わらず、私を睨んでいます!!
私、なにか・・・・・・しでかしてますか? 隣の席は、貴方が座ってきたんですよね?
「少し、庭園に行ってきますね。お姉様」
「そうね」
お辞儀をして席を立ち、1人ゆっくり庭園を歩いた。
「ふぅ」
「やっと会えた!!」
「きゃっ!!」
「んもぅ!! ひどいわぁ!!」
振り返ると、ロイ公爵がハグしている……えっと、この人、たしか初対面だよね? 私に逢いたいって言っていた1人だけど。
この口調……なんだか。覚えが・・・・・・。
「もう、ワタシのこと覚えてないの? アレだけの仲なのに?」
「……っ?! あぁ!!」
「シッ!!」
「んっん゛ーー」
オネエちゃんだ!! 前世の同士で、キョウダイの!! ジンワリ涙が出てきた。
思いっきり大声出しそうな私の口を、大きな手で塞いでますけど。
「あ゛いだがっ……っく、ひっく……」
「泣き虫なのは、いつもね? ふふっ、可愛いんだから!!」
ガサッ!!
タイミング悪く、リヒャルト様に見つかった。
あっ、私……リヒャルト様と終わった……。と、思った。そしたら、アレ? オネエちゃんことロイ公爵が遠のいた。
ポスッ。ぎゅう。
「彼女を・・・・・・泣かせるな!!」
ものすごーく、低音ボイスで聴いていて心地よい声で言っている事が。「俺の女に何してる?」的な。いやいや、考え過ぎでしょ? 聞き間違いでしょ?
彼の身体の熱が伝わってくる。
すごい、心臓バクバクして、もう、どうしよう?
首元に顔を埋められて、「もう大丈夫」と耳元で優しく囁かれた。
チュッ。
「んっ」
「可愛い……俺の……」
「リヒャルト公爵? 俺もまだいるんだけど?」
「あぁ、いたのか? ロイ」
「ぁ……っ……」
「早く戻ったらどうだ?」
「この茶会に来れた礼を言えよ?」
あぁ、オネエちゃんが、お兄ちゃんになってるし。礼を言えって、リヒャルト様に言ってるし。
その間にも、耳たぶとか首筋とかを指で優しく撫でてくるから声を必死に我慢していて。
少し彼を見上げて訴えたら、なんかすごく赤面して「限界来そう」とか言われて。その場に私をおいて逃げられた。
オネエちゃんと、顔を見合わせるのが・・・・・・色んな意味で、恥ずかしい。
「ごめんねぇ、茜。なかなか会えなくて」
「ううん……良かった。オネエちゃんとまた会えて」
再会が変な形になった。
この茶会で私に逢いたがっていたのは、ロイ公爵だった。予想外にも、リヒャルト様が釣れた? らしい。
茶会の席で少し話題にでた、私の刺繍やレース編みの小ものには魔法が掛かっているらしい。その人を護る魔法みたいで。レース編みのアクセサリーだと、最初に付けるのを手伝った人が護衛魔法の効果を助力。
ヘイリーは婚約者のワイバーンがつけてくれたので、ワイバーンの想いと護衛魔法が追加されていたらしい。
どんな助力スキルだ? 強化されてません?
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