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第一章
タラータ 第4話
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さっちゃんのお陰で、昨日の夜はぐっすり眠れた。
夜と言っても、時計で時間を見て夜だと判断しただけ。月どころか、この世界に来て空も見たことがない。
朝から神殿長がやって来て、感無量の顔をしている。心なしか、メイドさん達も相変わらず無表情のまんまだが、どこか柔らかかった。
さっちゃんの言う通りだ、一国の王たる者がこうなってどうする。国民全員が王を支持している国など聞いたことがない。そんなことを考えること自体傲慢の証。今思えば、僕はなぜそんなことを悩んでたか。
少なくとも、今ここにいる方々は、僕の味方であることを信じよう。夢物語などさっさと捨て置き、せめてこの方らを幸せにするために頑張ろう。
…………………………………
「では、会場に行く時間です。こちらへいらしてください。」
いよいよだ。本当にうまくやれるかが心配になって来た。
胃が痛い…
「タラータ様、いくつかの伝達事項がございます。」
何、何だろう…
もうおなかいっぱいなんだけど、これ以上何かくるとマジで消化不良になる。
あとで胃薬を貰えないか頼んでみよう。物凄い大事になりそうだからやめておこう。
「本来、今日は貴方の誕生祝いのみの予定でしたが、戴冠式も今日やることになりました。」
なにーーーー!!
やめて僕の(主に胃の)ライフはもうゼロよ…
「今回のことには詫びをすることもできません。
実は、戴冠式が早まった理由が…
国内の不穏分子です。」
僕は特に驚かなかった。だって、不穏分子とかどこの国にでもいるものだ。
完全に無くせ、と言う方が無理がある。
でも、神殿長がまるで肉親がなくなったような顔をしている。
「神殿長、そんなに気に病まないでください。
今回の不穏分子はそんなに危険な存在ですか?」
僕はこの国の王なのだが、あまりこの国のことを知らない。
もし、相当おっかない存在だったらどう対処するかがこの国を左右する。
「大したことはありません。真に忌むべきは貴方に楯突くことなのです。
貴方はもうすぐ正式に国王になり、この国は貴方のものです。所有物が所有者に逆らうことはあってはなりません。」
神殿長の声は穏やかで、冷静で、起伏もあまり激しくなかった。
しかし、感情が具現化した幻覚さえ見えるほどの責任感、その中に確実にあった一縷の殺意を僕は感じた。
それも一瞬でなくなり、錯覚してしまいそうなほど僅かの瞬間だったが、間違いなく僕は感じた。
神殿長はハッとなってこちらを振り返って苦笑いした。
「タラータ様は感情に敏いですね。私もまだまだ未熟でしたな、あとで修練をしなくては。
さっ、直行エレベーターです。」
どんどんファンタジー感がなくなっていくなぁ。
「式場に着くまで少し時間がありますので、この国の風習を一部説明しましょう。
まず、お気づきかと思いますが、私達は一度も貴方に名を名乗ったことがありません。」
僕もこれは気になってたんだけど、土下座で赦しを乞われて以来、誰にも聞いたことがない。
それで、あまり気にしなくなって、名前という存在すら忘れてしまいそうだった。
そうか、誰かを呼ぶときは名前を使うんだったよな、マジで忘れてた。
「前に申し上げた通り、神選国王は良からぬことを吹き込まれないために、駆け抜けは一切禁じられております。
よって、名を捧げるのは献名式のときに一斉に名乗ります。」
なるほど、理解した。
そりゃメイドさん達も真っ青になって土下座するわ。
名前を名乗ったら僕に良からぬことを吹き込もうとしている容疑がかけられる。
メイドさん達には随分と酷いことをしちまったなぁ。
「そして、出席している全員ができるわけではありません。一部の上位存在だけが貴方に捧げることができるのです。
もちろん、貴方がそれを赦すのであれば話は違います。」
この国って、色々と国王が権力を持ちすぎじゃない。
中世以前は絶対王政もあったけど、近代では民主国家がほとんどだ。文明が進むにつれて、技術が進歩すればするほど、人は自分の権力を欲しがる。
普通、ここまでの文明水準があれば、王国を維持できないんじゃないか?これからクーデターや革命が起きたりしないよな!
「タラータ様、着きました。」
おっと、また考え溜めてしまうところだった。
本当に起きてしまったら、僕の全力を尽くして対処すれば良い。
あるかどうかのことより、今どうかしなければいけないことを考えよう。
にしても、エレベーターがあるんだから、車もあったりして…
さすがに、それはないか。
ないよな……
夜と言っても、時計で時間を見て夜だと判断しただけ。月どころか、この世界に来て空も見たことがない。
朝から神殿長がやって来て、感無量の顔をしている。心なしか、メイドさん達も相変わらず無表情のまんまだが、どこか柔らかかった。
さっちゃんの言う通りだ、一国の王たる者がこうなってどうする。国民全員が王を支持している国など聞いたことがない。そんなことを考えること自体傲慢の証。今思えば、僕はなぜそんなことを悩んでたか。
少なくとも、今ここにいる方々は、僕の味方であることを信じよう。夢物語などさっさと捨て置き、せめてこの方らを幸せにするために頑張ろう。
…………………………………
「では、会場に行く時間です。こちらへいらしてください。」
いよいよだ。本当にうまくやれるかが心配になって来た。
胃が痛い…
「タラータ様、いくつかの伝達事項がございます。」
何、何だろう…
もうおなかいっぱいなんだけど、これ以上何かくるとマジで消化不良になる。
あとで胃薬を貰えないか頼んでみよう。物凄い大事になりそうだからやめておこう。
「本来、今日は貴方の誕生祝いのみの予定でしたが、戴冠式も今日やることになりました。」
なにーーーー!!
やめて僕の(主に胃の)ライフはもうゼロよ…
「今回のことには詫びをすることもできません。
実は、戴冠式が早まった理由が…
国内の不穏分子です。」
僕は特に驚かなかった。だって、不穏分子とかどこの国にでもいるものだ。
完全に無くせ、と言う方が無理がある。
でも、神殿長がまるで肉親がなくなったような顔をしている。
「神殿長、そんなに気に病まないでください。
今回の不穏分子はそんなに危険な存在ですか?」
僕はこの国の王なのだが、あまりこの国のことを知らない。
もし、相当おっかない存在だったらどう対処するかがこの国を左右する。
「大したことはありません。真に忌むべきは貴方に楯突くことなのです。
貴方はもうすぐ正式に国王になり、この国は貴方のものです。所有物が所有者に逆らうことはあってはなりません。」
神殿長の声は穏やかで、冷静で、起伏もあまり激しくなかった。
しかし、感情が具現化した幻覚さえ見えるほどの責任感、その中に確実にあった一縷の殺意を僕は感じた。
それも一瞬でなくなり、錯覚してしまいそうなほど僅かの瞬間だったが、間違いなく僕は感じた。
神殿長はハッとなってこちらを振り返って苦笑いした。
「タラータ様は感情に敏いですね。私もまだまだ未熟でしたな、あとで修練をしなくては。
さっ、直行エレベーターです。」
どんどんファンタジー感がなくなっていくなぁ。
「式場に着くまで少し時間がありますので、この国の風習を一部説明しましょう。
まず、お気づきかと思いますが、私達は一度も貴方に名を名乗ったことがありません。」
僕もこれは気になってたんだけど、土下座で赦しを乞われて以来、誰にも聞いたことがない。
それで、あまり気にしなくなって、名前という存在すら忘れてしまいそうだった。
そうか、誰かを呼ぶときは名前を使うんだったよな、マジで忘れてた。
「前に申し上げた通り、神選国王は良からぬことを吹き込まれないために、駆け抜けは一切禁じられております。
よって、名を捧げるのは献名式のときに一斉に名乗ります。」
なるほど、理解した。
そりゃメイドさん達も真っ青になって土下座するわ。
名前を名乗ったら僕に良からぬことを吹き込もうとしている容疑がかけられる。
メイドさん達には随分と酷いことをしちまったなぁ。
「そして、出席している全員ができるわけではありません。一部の上位存在だけが貴方に捧げることができるのです。
もちろん、貴方がそれを赦すのであれば話は違います。」
この国って、色々と国王が権力を持ちすぎじゃない。
中世以前は絶対王政もあったけど、近代では民主国家がほとんどだ。文明が進むにつれて、技術が進歩すればするほど、人は自分の権力を欲しがる。
普通、ここまでの文明水準があれば、王国を維持できないんじゃないか?これからクーデターや革命が起きたりしないよな!
「タラータ様、着きました。」
おっと、また考え溜めてしまうところだった。
本当に起きてしまったら、僕の全力を尽くして対処すれば良い。
あるかどうかのことより、今どうかしなければいけないことを考えよう。
にしても、エレベーターがあるんだから、車もあったりして…
さすがに、それはないか。
ないよな……
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