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第一章
アルバァ 第1話
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ドラゴン
それはロマンの塊、夢見た方少なくないでしょう。
ラノベによっては、主人公の敵だったり、仲間だったりする。
ラスボス的位置にいることもあれば、更に、その先にある裏ボスであることもしばしば。
魔王、もしくはそれ以上の力の権化。
そして、それになることが出来た僕、さぞかし幸運と言えるだろう。
これでスイッタへの恩返しや償いも直ぐに出来るだろう。
いつポイントを横取りしたのかはっきり覚えてないけど、覚えてないからといって償わない訳にもいかない。
借りたものは返す。これは信頼関係を築くにあたって大事なこと、というより深く考えるまでもない当然なことだ。
まして、今回は断りを入れて借りた訳でもなく、貰った訳でもない。
無理矢理奪ったのだ。
合意上での貸与でも贈与でもなく、強奪だ。
全く、無意識とはいえ我ながら劣悪なことをしたものだ。
前世では職場でいろんなことをした。誰かを陥れたり、騙したりもした。
けれど、決して嘘をついたりはしなかった。真実のみで誤魔化し、欺いてみせた。
“法とは破るものではなく。潜り、すり抜け、掻いくぐるものだ。”
昔、友人に言われて、なるほどと思った言葉だ。
ポリシーと言えば、聞こえはいいだろう。それを十年以上守って来た。色々あって、異世界にさえ来てしまったが、これを破るつもりはない。
さて、贖罪プランを…
「ヤッホー、お久しぶりです。
あの、心の中でギャグ神を連呼するのやめてもらえます?
何回も言いますけど、分かりますからね、ね。」
ギャグ神がまたなんか言っているが、重要ではなさそうな気がするから無視することにした。
こっちは兄弟?自分?への大事な返債計画を勘案している途中にある。
ギャグ神に構っている時間などコンマ一秒すらない。
「ちょっと、そのまで私をないがしろにするのになんの罪悪感もないのですか。
あっ、ないのですね。
頭を埋め尽くすほど“ない”という言葉がびっしりあるのが分かりました。」
ギャグ神はひとり芝居をしながら“の”を書き始めた。
さっきまで大して気にしなかったが、ギャグ神が来てから漸く周囲をみてないということが分かった。
改めて観察すると洞窟のような場所。明かりなど何一つないが、何故か分かる。
多分光で視認してる訳じゃないからだと思う。
プランをたてようにも、この世界の詳細が分からなければ効率が悪い。
世界全体が洞窟になっているおは考え難いから、ひとまずこの洞窟から出ることにしよう。
しかしドラゴンの姿では驚かれるかも知れない。いきなり討伐対象となったら迷惑だ。
変化の術がないものか。
そこで僕は初めて気がついた。
体が思うように動かないということに。
はて、どうしてだろう。もしかして前世は人だったからうまく動けないのだろうか。
しかし、慈悲深きスイッタ様はミジンコの体で動いている。
いやはや、どうしたものか。
「アルバァさ~ん、やっと気づきましたね。」
のを二百程地面に書いたギャグ神は爽やかな笑顔で、何事もなかったように話しかけてくる。
この短い時間で硬い地面にこれ程速く、綺麗に、等間隔にまるで印刷された文字みたいに、慣れた手つきでのを書けるとは、こいつは普段から大勢の方に無視されつづ…
「はいはいはいはい!ストーーープ!
思考がおかしな方向に向かって独り歩きしてるから一回やめてくださいな。」
なるほど、止めるということは図星ってことだな。
まぁ、一回は止めてやろう。
「出来れば永遠にやることがないようにお願いしたいですけど。
というか、口で喋ってぐたさいな。喋らなくとも困るようなことはありませんけど、なんだかムカつきますので。」
「人、いやドラゴンに無理の願いをするだというのは神として如何なものでしょうか?
神というのは寧ろされる側の筈ではありませんか?
場合によっては職務放棄と見なされることもありますのでご留意ください。
勿論、僕は神の職務というのを良く知らないのですから、否定していただいても結構です。
ただし、それは神としてはどうでしょうか?
言うまでもなく、咎めるつもりはありません。それでも、神としてはどうでしょうか?」
「ごめんなさい、謝りますから。謝りますから、もうこれ以上はやめてくださいな。」
あの時代に生きる今時の日本人なのだ。罵詈雑言など一切使わずに相手を罵ることくらいはお手の物。
これだってかなり手加減している方だ。反論の余地はしっかり与えているし、そこまで追い詰めるような言葉を使っている訳でもない。
「えっ、本当ですか?これで手加減しているんですか?
いや、良いです。頭の中で手加減しない方のバージョンを浮かばなくていいですから。
自分の生きる価値を見失ってしまいそうですので。」
あの時代に生きるものとして、これくらいはラクにクリア出来ないとそれこそ生きることなど能わないだろう。
何かをやればいつ、どこで発信されるか分かったもんじゃ無い。
犯罪だって監視カメラをどう避けるかから、スマホやケータイを対処するかがカギとなった。
前世にに何件保険金殺人のちらつきを見たものか。
世の中の闇は深いものである。
にしてもギャグ神はさっき勝手に落ち込み始めたけど、何を言おうとしたんだ。
それはロマンの塊、夢見た方少なくないでしょう。
ラノベによっては、主人公の敵だったり、仲間だったりする。
ラスボス的位置にいることもあれば、更に、その先にある裏ボスであることもしばしば。
魔王、もしくはそれ以上の力の権化。
そして、それになることが出来た僕、さぞかし幸運と言えるだろう。
これでスイッタへの恩返しや償いも直ぐに出来るだろう。
いつポイントを横取りしたのかはっきり覚えてないけど、覚えてないからといって償わない訳にもいかない。
借りたものは返す。これは信頼関係を築くにあたって大事なこと、というより深く考えるまでもない当然なことだ。
まして、今回は断りを入れて借りた訳でもなく、貰った訳でもない。
無理矢理奪ったのだ。
合意上での貸与でも贈与でもなく、強奪だ。
全く、無意識とはいえ我ながら劣悪なことをしたものだ。
前世では職場でいろんなことをした。誰かを陥れたり、騙したりもした。
けれど、決して嘘をついたりはしなかった。真実のみで誤魔化し、欺いてみせた。
“法とは破るものではなく。潜り、すり抜け、掻いくぐるものだ。”
昔、友人に言われて、なるほどと思った言葉だ。
ポリシーと言えば、聞こえはいいだろう。それを十年以上守って来た。色々あって、異世界にさえ来てしまったが、これを破るつもりはない。
さて、贖罪プランを…
「ヤッホー、お久しぶりです。
あの、心の中でギャグ神を連呼するのやめてもらえます?
何回も言いますけど、分かりますからね、ね。」
ギャグ神がまたなんか言っているが、重要ではなさそうな気がするから無視することにした。
こっちは兄弟?自分?への大事な返債計画を勘案している途中にある。
ギャグ神に構っている時間などコンマ一秒すらない。
「ちょっと、そのまで私をないがしろにするのになんの罪悪感もないのですか。
あっ、ないのですね。
頭を埋め尽くすほど“ない”という言葉がびっしりあるのが分かりました。」
ギャグ神はひとり芝居をしながら“の”を書き始めた。
さっきまで大して気にしなかったが、ギャグ神が来てから漸く周囲をみてないということが分かった。
改めて観察すると洞窟のような場所。明かりなど何一つないが、何故か分かる。
多分光で視認してる訳じゃないからだと思う。
プランをたてようにも、この世界の詳細が分からなければ効率が悪い。
世界全体が洞窟になっているおは考え難いから、ひとまずこの洞窟から出ることにしよう。
しかしドラゴンの姿では驚かれるかも知れない。いきなり討伐対象となったら迷惑だ。
変化の術がないものか。
そこで僕は初めて気がついた。
体が思うように動かないということに。
はて、どうしてだろう。もしかして前世は人だったからうまく動けないのだろうか。
しかし、慈悲深きスイッタ様はミジンコの体で動いている。
いやはや、どうしたものか。
「アルバァさ~ん、やっと気づきましたね。」
のを二百程地面に書いたギャグ神は爽やかな笑顔で、何事もなかったように話しかけてくる。
この短い時間で硬い地面にこれ程速く、綺麗に、等間隔にまるで印刷された文字みたいに、慣れた手つきでのを書けるとは、こいつは普段から大勢の方に無視されつづ…
「はいはいはいはい!ストーーープ!
思考がおかしな方向に向かって独り歩きしてるから一回やめてくださいな。」
なるほど、止めるということは図星ってことだな。
まぁ、一回は止めてやろう。
「出来れば永遠にやることがないようにお願いしたいですけど。
というか、口で喋ってぐたさいな。喋らなくとも困るようなことはありませんけど、なんだかムカつきますので。」
「人、いやドラゴンに無理の願いをするだというのは神として如何なものでしょうか?
神というのは寧ろされる側の筈ではありませんか?
場合によっては職務放棄と見なされることもありますのでご留意ください。
勿論、僕は神の職務というのを良く知らないのですから、否定していただいても結構です。
ただし、それは神としてはどうでしょうか?
言うまでもなく、咎めるつもりはありません。それでも、神としてはどうでしょうか?」
「ごめんなさい、謝りますから。謝りますから、もうこれ以上はやめてくださいな。」
あの時代に生きる今時の日本人なのだ。罵詈雑言など一切使わずに相手を罵ることくらいはお手の物。
これだってかなり手加減している方だ。反論の余地はしっかり与えているし、そこまで追い詰めるような言葉を使っている訳でもない。
「えっ、本当ですか?これで手加減しているんですか?
いや、良いです。頭の中で手加減しない方のバージョンを浮かばなくていいですから。
自分の生きる価値を見失ってしまいそうですので。」
あの時代に生きるものとして、これくらいはラクにクリア出来ないとそれこそ生きることなど能わないだろう。
何かをやればいつ、どこで発信されるか分かったもんじゃ無い。
犯罪だって監視カメラをどう避けるかから、スマホやケータイを対処するかがカギとなった。
前世にに何件保険金殺人のちらつきを見たものか。
世の中の闇は深いものである。
にしてもギャグ神はさっき勝手に落ち込み始めたけど、何を言おうとしたんだ。
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