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~アレクディース・アメジスティー編~
王兄姫の冒険と、副団長の困った葛藤2~アレク×幸希~
しおりを挟む――Side 幸希
四ヶ所を周り終えた私は、『蓮晶の園(れんしょうのその)』と呼ばれる、美しい場所へとやって来た。
とある王国の中でも広大な範囲に渡って佇んでいるその森の最奥……。
その中心には見事な大樹が花畑の地に根を張っており、虹色の果実が生っていると聞いている。
とても珍しい果実らしく、今が丁度、その実をつけるタイミングの時期だった。
「ニュイッ!! ニュイ~!!」
大樹の根元でぴょんぴょんと楽しそうに跳ねているファニルちゃんの横では、アークちゃんがちょこんとお座りをして、茂る葉の大群が見える頭上をじっと見上げている。
「ん~……、登るしかない、かな」
私も陽の光を浴びて風にそよぐ大樹を見上げながら、果実らしきその姿を認めた後、『姿を変えて』大樹の上に登る事を決めた。
一応これでも、私は狼王族と別世界の人間のハーフ。皆さんと同じように『狼』の姿に変化する事も出来る。
狼の姿になった方が身軽になるし、この姿で登るよりも楽々いけるはず。
私は意識を集中し、光に包まれながらもうひとつの姿へと変化してゆく。
「ニュ~イ~!!」
「キュイッ」
光が収まると、私の姿は蒼色の綺麗な毛並みを纏う狼になっていた。
視界が低くなり、動物の前足や後ろ足の感触が地に確かな痕を刻む。
ファニルちゃんとアークちゃんが応援の声を上げてくれる中、私は大樹から距離を開け、勢いをつけて大樹の中心から横に伸びている幹に飛び上った。
果実が集まっている場所を視界に映し、ファニルちゃん達に受け取る役目をお願いすると、私はがしっと前足をかけて、果実を揺らし始める。
「ニュイ~……」
「キュイッ、キュイィィッ……」
心配げな声が聞こえてくるけれど、狼の姿になった私は中々に運動神経がいい。
たとえ下に落っこちても、楽々着地が出来る。人の姿よりは身軽だもの。
私は近くに見える虹色の煌めきを纏う不思議な果実、洋梨の形に似たそれをひとつずつ慎重に揺らして下に落としていく。他の人達の事も考えて、あまり多くは取らないようにしなくては……。
「ニュイッ!!」
「キュ~イィ~!!」
落ちてくる果実をキャッチしながら跳ね回る二匹の姿を微笑ましく見下ろしながら、私はある程度の個数を落とし終えた所で、幹の上に座り込んだ。
『ふあぁ……、あと二ヶ所……』
ルイヴェルさんに教えて貰った珍しい食材。幸運の謂れがあるそれらも、あと二ヶ所ほど巡れば終わりだ。
途中、ちょっと危険な魔物の類や面倒な仕掛けに遭いはしたけれど、何か不思議な力が働いているかのように、難なく目的の物を入手出来た。
全部集め終えたら……、ウォルヴァンシア王宮に戻って、お菓子のレシピを考えよう。
大好きなあの人が喜んでくれるような……、私の想いと幸運が詰まった素敵なお菓子を。
『でも、約束をキャンセルしちゃったのは、悪かったなぁ……』
アレクさんと久しぶりにお出かけをする約束をしていたのだけど、早く七ヶ所を周らないと目的の食材が他の人達の手に渡ってしまうと聞いた私は、居ても立っても居られなかったのだ。
だけど……、こうして遠く離れてみると、アレクさんが傍にいてくれない事に寂しさが湧き上がってしまう。
今頃どうしているのだろうか……。私との約束がキャンセルになったから、騎士団の鍛錬に励んでいるのだろうか? それとも、お休みを利用してどこかに出かけて行ったのだろうか……。
自分でキャンセルしておいて、なんて身勝手な事を考えているのだろうと反省したい所だけど、これも、アレクさんと素敵なイベントの日を過ごす為。
今はお互いに寂しい思いをしているかもしれないけれど、ぐっと我慢の時なのだ。
「ニュイ~!!」
「キュイッ!! キュイキュイィ~!!」
アレクさんの事を考えていると、突然、下にいるファニルちゃん達が騒ぎ始めた。
何かに驚いているような……、そんな、緊急事態を思わせる動きと声を上げている。
一体どうしたのだろうかと首を傾げてみると、……あれ、上の方からなんか重低音を思わせる変な音が……、ゴゴゴゴゴゴと。
同時に、大樹が物凄い風圧に葉を激しく揺らし、私も巻き起こり始めた風圧に耐え切れず、幹から足を滑らしてしまった。
『きゃああっ』
「ニュイ~!!」
「キュイ~!!」
普通に落下する状態とは違い、この周辺一帯に生じている豪風の威力が凄過ぎて、目も開けていられなかった私は、無防備な状態で地上にまっさかま!!
衝撃を覚悟したものの、「危ない!」と小さく誰かの声が聞こえた直後、力強い腕の感触に受け止められていた。
ほっと安堵するような吐息と、ドスゥゥゥゥゥン! と、重々しく何かが地上に圧をかけた轟音が耳に飛び込んでくる。
『グォオオオオオ!!』
これはどう考えても巨大な生き物の咆哮……。
瞼を閉じている私には確認が困難だけど、……私の身を包んでいる温かな感触の主は、何故か微笑ましそうに笑う気配を零した。
こんな意味不明の状況だけど、別に怖い事が起こっているわけじゃ……、ない、のかなぁ。
やがて、豪風が収まり、大気が優しい流れを取り戻した頃……。
「もう大丈夫だよ。可愛らしい狼さん」
『……ん』
僅かに身じろぎしながら瞼を押し開けると、飛び込んで来たのは眩しいばかりの陽光と、……それに負けないくらいの笑顔を浮かべている、二十代前半ほどの男性の姿だった。
金に煌めく柔らかな首より少し長めの髪が、前に流れている。
私の頭をよしよしと撫でながら見下ろしてくる男性の双眸は、全てを許し包み込むような優しい気配を宿す、宝石で例えれば、磨き抜かれたサファイアのそれと同じ輝きを抱く青。
『……あ』
この人は、確か……。
一目でわかる、貴族のような高級仕立ての服を纏うこの男性の名は、アルフレードさん。
豹麗族(ひょうれいぞく)が治める王国、ラディシュヴェリアの第二王子殿下。
絵に描いたような王子様然とした紳士な方なのだけど、確か彼には……、ちょっと困った性質が。
私がその名を呼ぼうとするのを遮って、アルフレードさんは耐え切れなくなったように、予告もなく狼姿の私を力強く抱き締めてきた。
「ん~!! もっふもふだね~!! あぁっ、可愛い、可愛いっ!!」
『ん~~~~~!!』
アルフレードさんは、無類の可愛い物好きな上、もふもふの動物を愛でるのが大好きな人なのだ。
普段の王子様的な性格も全てかなぐり捨てて、ひたすら全身全霊でもっふもっふしてくる!!
頭をわしゃわしゃと撫でられ、何度も両頬にちゅっちゅっとキスを降らされ、最後にむちゅっと口にされてしまった……!!
(い~やぁああああ!!)
あ、アレクさん以外の人に、たとえ狼の姿だとしても、く、口に!! ああああああああああ!!
全力で暴れ出した私に、アルフレードさんは最高潮の機嫌の良さで微笑むと、お姫様抱っこの状態の私を楽々と押さえ込みながら歩き出してしまう。
「ニュイ~!!」
「キュイッ、キュイッ!!」
アルフレードさん相手に力を使うわけにもいかず半泣き状態になっていると、ファニルちゃんとアークちゃんが彼の足に追いすがり、抗議の声を上げてくれた。
私を連れて行くなと、何をするのだと鳴き声を浴びせ続ける。
けれど、そんな二匹に困惑する事もなく、アルフレードさんは片目を瞑りウィンクを送ると、自分と一緒に来れば美味しいお菓子をあげるよ? と、餌付けの誘惑を仕掛けてしまう。
人の言葉を解する二匹は、稲妻にでも撃たれたかのようにビクリと身体を跳ねさせると、私とアルフレードさんの顔を交互に見ながら、オロオロと戸惑い始める。
二匹とも……、何故そこで迷うのかな? 美味しいお菓子と私の存在って、迷うほどなの?
ちょっと悲しくなりながらも、そのお蔭で少しずつ冷静な思考が戻ってきてくれた気もする。
『あ、あの!!』
「ん? あれ、君……、人の言葉を使える子なのかな?」
『違うんです、アルフレードさん!! 私です、ウォルヴァンシアのユキです!!』
前足をばたつかせながら訴えると、アルフレードさんはきょとんと首を傾げて、私の顔をじっと覗き込んできた。
今すぐに人の姿に戻れば証明にもなるのだけど、……この状態で戻ると色々気恥ずかしい予感があるから、狼の姿は解かずにおく。
私の正体がわかれば、幾らなんでも解放してくれる事だろう……。
と、そう思ったのだけど、アルフレードさんは納得顔で「ああ!! ユキ姫殿か」と朗らかに笑い、……何故かそのまま歩みを進め始めた。何で!?
『あ、アルフレードさん!! 何で下ろしてくれないんですか!!』
「いやぁ、久しぶりにお会いした事だし、どうせなら王宮に御招待しようと思ってね~。そ・れ・に……、麗しの姫君の唇を、無断で奪ってしまったからね」
『なっ!!』
「ね? だから……、私に償いをさせておくれ? 愛らしいレディ」
ボンッ!! と、顔が羞恥で爆発してしまうかのような私にはお構いなしで、アルフレードさんは足取りも軽く出口に向かってしまう。
いやいやいやいや、このまま連れて行かれるわけにはいかないでしょう!!
せっかく収穫した果実もまだ手に出来ていない上に、あと二ヶ所の地にも行かなければならないのにっ。
『行けません!! 私、今日は目的があってエリュセードの各地を周っているんです!!』
「目的? 君のように素敵な女性が一人で世界巡りとは……、感心しないのだけどね?」
『ファニルちゃんとアークちゃんがいるので大丈夫なんです!! だから、ここで会えたのも何かのご縁ですけど、お帰りになるならお一人でっ』
「……ユキ姫殿、滅多に会えないからこそ、その機会を蔑ろにしてはいけないのだよ? それに……、ふふ、この至福のもふもふ感、手放せと言う方が拷問だよ」
ふふふふふと、不気味な笑いが零れているのだけど!!
絶対、自分好みのもふもふ動物を思う存分愛でる為には手段を選ばない意思表示だ!!
アルフレードさんに捕まったら最後、散々撫でられてわしゃわしゃされまくった挙句に、疲労困憊で二、三日は精神的なトラウマで寝込むと、もふもふ動物界ではもっぱらの噂だと聞く。
「大丈夫だよ、優しくするからね?」
優しくって何!? 他国の王族捉まえて怯む様子もなしって何!?
にっこりと不穏に微笑むアルフレードさんからは、絶対に逆らってはいけない遠回しな威圧感がびしばしと伝わってくる。
頬にすりすりと顔を擦り付けられた私は、ぞわりと鳥肌を立てながら涙ぐむ。
駄目だ……、これ、逃げられない。
「私と一緒に、お茶の時間を過ごしてくれるよね?」
『わ、……わふ(はい)』
「よぉーし、お利口さんだねぇ。沢山美味しいお菓子を食べさせてあげるからね。それから……、念入りにブラッシングもしてあげよう」
あぁ、せっかくあと二ヶ所で材料を集め終える事が出来たのに!!
お菓子に期待を膨らませているファニルちゃんとアークちゃんはすでに出口へと向かっている。
多分……、下手をしたら、今日中にウォルヴァンシア王宮に戻る事は難しいかもしれない。
乾いた笑いを小さく零しながら、私は鼻歌とスキップに興じるアルフレードさんの、一日ペットになる事が決定してしまった事を悟った。
アルフレードさんにお姫様抱っこをされた状態の私が悲しみに暮れながらその腕の向こう側をちらりと見遣れば……。
『グォォォォ……、ハフッ』
大樹の傍に座り込んだ、一頭の巨大な竜。多分、野生の竜なのだろう。
日差しを浴びながら、気持ち良さそうに欠伸を漏らすその姿が、……何だか羨ましかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
――Side アレクディース
「ここにもいないのか……」
ユキの後を追い、訪れたのは花畑に囲まれた大樹が立つ、森の奥深く。
確かに彼女の気配が残ってはいたものの、また別の場所に向かってしまったらしい事が確認できた。
そよそよと風に新緑の葉を遊ばせている大樹の方を見上げれば、一頭の大きな竜が暢気に眠っているのだが……、一応聞いてみるか。
「すまないが、ここで女の子を見かけなかったか?」
もう別の場所に向かったのは確かだが、俺がそう聞いたのには訳がある。
ユキ達の気配……、以外の、別の気配が色濃く残っているのを感じたからだ。
同じくらいの濃さで残っているという事は、ユキがその人物と接触を持った可能性もある。
無事に別の場所に行けたのならいいのだが、もしも……、何かがあったらと思うと、確認せずにはいられなかった。
(ルイが干渉をしているとはいえ、万が一という事もある)
『グォォォ……』
「ふあぁぁ……、ん? ほぉ……、あ? 男に抱き抱えられてどっかに行った、だあ?」
竜の返事に反応したのは、俺ではなく人の姿になったカインだ。
女の子は見ていないが、蒼色の狼がとある男に抱えられ、どこかに連れて行かれた、と。
一緒にいたファニルと野生の竜も、楽しそうにその男に付いて行ったらしい。
……どこの誰だ? というよりも、何故ルイの助けが介入していないんだ。
ユキに万が一の事がないように、陰で見守っていたんじゃないのか……?
俺は左耳に着けている青色のピアスに触れると、ウォルヴァンシア王宮で暢気に仮眠でも取っているであろう幼馴染を叩き起こす事にした。
『は~い、アレク、どうしたの?』
「セレス、今すぐに……、ルイを叩き起こしてくれ」
『え? 何かあったの?』
「あぁ」
聞こえてくるセレスの声に返事を返すと、彼女はすぐに奥の部屋で暢気に眠っている可能性の高い双子の弟を起こしに向かってくれた。
ユキの保護者を気取るのなら、しっかり仕事は果たせと返答次第では文句を言うつもりだが、さて、どう返してくる事か。
『アレクか……、何かあったのか?』
「ルイ、単刀直入に聞かせてくれ。……ユキの護衛はどうした?」
『ん? 危険性があれば介入するように仕掛けは施しているはずだがな』
つまり、ルイの介入がなかったという事は、ユキの身に危険は及んでいないという事でいいのか。
それなら俺も心からの安堵を抱く事が出来るんだが……、
「ルイ、お前の事だ。ユキがどういう状況になっているかは、把握出来るんだろう?」
『ふあぁ……、そうだな。こっちでユキに施した術が記録した映像を見る事は出来るが、お前の機嫌が悪いという事は、何かあった可能性があるんだろう?』
「ユキがいたと思われる場所に、色濃く別の気配が残っている。お前の術が発動していない事から無事だとはわかっているが……、どうにも、嫌な予感がするんだ」
相変わらずの忠犬さだなと、向こう側のルイが寝起きの掠れた声音で苦笑を零す。
何も起きていないのなら、それでいい。だが、念には念を、だ。
ルイが向こう側で記録のチェックを行っている様子を焦れながら待っていると、……何故か、小さく噴き出す笑いの気配と、セレスの悲鳴が聞こえた。
『あ、アレク!! ゆ、ユキ姫様があああああああ!!』
「セレス? 何が見えたんだ? ルイ、説明をしてくれ」
『くっ、……なるほどな。術が発動しないわけだ』
「おい、一体何がどうなってんだよ」
俺の傍へと、見慣れない果実を頬張りながらやって来たカインが口を挟んでくる。
セレスがここまで慌てるという事は、絶対に由々しき事態が起こっている可能性が高い。
危険とは違う何かの事態が、ユキの身に起きている……。
ルイを急かし、事の詳細を聞き出すと……、俺とカインは同時に声を荒げた。
「ちょ、ちょっと待て!! 何でそんな厄介な事になってんだよ!!」
「ユキ……!! 俺がついていなかったばかりに、そんな恐ろしい目にっ!!」
『仕方がないだろう。狼の姿を纏っていたユキの油断故だな』
「だとしても、他国の王族の姫を攫う不届きものがいてたまるものか……!!」
ユキを連れ去ったのは、まさかとしか言い様がなかったわけなんだが、豹麗族、ラディシュヴェリア王国の第二王子、アルフレードだった。
近隣諸国に知れ渡る程の、無類の動物好きであるアルフレード王子は、自分好みの動物を目にすると、全力でそれを愛でる大迷惑な性格をしているのだともっぱらの噂だ。
昔、ルディーが仕事でラディシュヴェリアを訪れた際、うっかり狼の姿でいる所に出くわしたアルフレード王子の行動で……、とんでもない目に遭ったらしい。
ウォルヴァンシア王宮に戻って来た時のルディーは……、凄まじい疲労困憊だった。
全力すぎる愛情表現を味わったルディーは、もう二度とアルフレード王子の前では変身しないと涙ながらに豪語していた。……相当のものだったのだろう。
「ルイ、アルフレード王子がユキを連れ去ったという事は……」
『あぁ……』
「『全力でユキをもふもふしまくる気だ』」
ウォルヴァンシアの王兄姫を、他国の王子が思う存分に愛でる……。
それを一瞬だけ想像してしまった俺は、無意識に本気の時にしか使わない愛剣の柄へと手をかけていた。
もし、俺の大切なユキに指一本……、いや、連れ去ったのだから、手遅れか。
ならば、彼女の身を撫で回すような不埒な事をしていたのなら……。
「斬る」
『アレク~!! 他国の王族を斬っちゃ駄目でしょう!! ユキ姫様の事が心配なのはわかるけれど、ここはひとつ、国交の為に堪えて頂戴!!』
「おい、番犬野郎。斬るぐらいじゃ優しすぎんだろ。……ズタズタに引き裂いて、ぶっとばしてやった方が」
「たまには実のある事を言うんだな。……そうしよう」
『カイン皇子もアレクを煽らないでください!! ああ!! ルイヴェル!! 貴方も何、エリュセード滅殺大魔術辞典なんて開いているの~!!』
ユキの事を大切に想う者達の心は常にひとつだ。
俺とカインはラディシュヴェリア王宮へと向かう事を決め、ルイもあとから追い付くと話しながら、向こう側でセレスとの攻防を続ける事になった。
問題を起こすなとセレスは涙ながらに訴えてくるが、事と状況によっては……。
「ユキ……、絶対に救い出す。もう少しの間、辛抱してくれ」
ブフォォ~……、と、強烈な鼻息で花畑を揺らした目の前の竜の風を受けながら、俺は大樹へと背を向けた。
ラディシュヴェリアのアルフレード……、ユキをもふもふする事は、俺が絶対に許しはしない。
愛おしい彼女の笑顔を脳裏に思い出しながら、俺は固く拳を握り締める。
とりあえず……、穏便に済んでも、怒りの鉄拳だけは受けて貰う事にしよう。
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