無垢なる密蕾は、愛しき腕にて咲き誇らん

古都助(幸織)

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~ルイヴェル・フェリデロード編~

王兄姫と王宮医師の密月2~ルイヴェル×幸希~

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 ――Side 幸希

「団長~!! また『お客さん』で~す!!」

「うん、今日は舞踏会だから、空気読んで帰りやがれって言っておいてくれるかなー」

「無理ですって!! 今日の『お客さん』、西方地域一番の荒くれ者なんですよ!! もう何人も団員達がぶっ飛ばされてます~!!」

 と、久しぶりに聞いたそんなやり取りを目にした私は、皇宮の入口へと向かうサージェスさん達の後を追って行く事にした。 
 ガデルフォーン名物、『女帝陛下に勝利して、玉座をGET!!』。
 それを目指して道場破りの如く乗り込んでくる腕に自信ありの人達は、いまだに飽きもせず絶えないようだ。

「女帝陛下に目通りを願う!! 道を開けぇええええい!!」

「いや、今日ね、お祭りの日だから。少しは場の空気とか、慎むとこは慎もうよ」

 二メートルは越す大柄な筋肉質の男性が、両手に巨大な斧を構え、雄々しく叫んでいる。
 ガデルフォーンの女帝陛下であるディアーネスさんは、その地位を力で奪おうとする『挑戦者』の皆さんの突撃訪問を受ける事が多く、その度にサージェスさんや騎士団の人達が追い払っているのだ。
 女帝・皇帝の座は、本来、武力では奪い取る事の出来ない地位なのに、それを誤解している人達が多く、説明してまわるのも面倒だとばかりに放置されていると言ってもいい。
 その座を得るには、ガデルフォーンの王としての強い意志と、それに見合った能力、そして、皇国の至宝とも呼ばれている『宝玉』と心を通わせ、認められて初めて王となれるのだ。
 
「祭りの日こそ、派手な殺し合いで場を盛り上げるのが真の空気を読むという行動だ!!」

 ……どこがですか。
 殺し合いなんかされては、皇宮だけじゃなくて、皇都中の人達が大迷惑です!!
 あの人……、空気が読めないどころか、頭の中も残念な仕様だ。
 騎士団の人達が向かって行くけれど、流石は『挑戦者』を名乗る事はあると言うべきか……。
 斧で団員さん達を豪快に薙ぎ払い、サージェスさんへと襲い掛かる。
 普通に考えれば、身体の大きなあの男性の方が有利そうに見えるけれど、あの人は絶対に刃を向けてはいけない人に向かってそれをやってしまった。

「じゃあ、その残念な脳みそを、マシになるように一刀両断してあげよっか……」

 含みのある余裕の低い声音が聞こえた瞬間、サージェスさんが攻撃を避けて宙へ飛び上がると、勢いよくその右足の踵を男性の頭上へと振り下ろした。

「ぎゃあああああああああああああ」

「はい、おしまい。この程度で陛下に挑戦しようとか無謀にもほどがあるよー」

 頭に強烈な一撃を受けた男性が、悶絶しながら地面を転げまわる。
 流石はガデルフォーンを代表する最強の騎士様だ。相変わらず容赦がない。
 ……と、思ったけれど、剣を使わずに踵落としだけで済ませたサージェスさんは、きっと今日のこの日を血で汚す事を避けたのだ。
 二度と女帝であるディアーネスさんや皇宮に迷惑をかけないように釘を刺すのなら、腕の一本ぐらいは切り落としているはずだもの。
 だけど、サージェスさんはそれをせずに、自分の足だけで事を済ませた。
 
「ぐそぉぉぉぉおおっ、よくもっ、よくも、この『西方の四天王』であるこの俺様にぃいい!!」

「うわー……、何それ。イタイ匂いがプンプンしてくるんだけど」

「やかましいわ!! この青二才があああああ!!」

「いや、その青二才に踵落としを喰らって、のた打ちまわったの君だよね?」

「まぐれだ!! あのような一撃はまぐれでしかない!! 次は俺様の本気を見せてやろう!! 貴様など、この自慢の斧で掻っ捌いてくれるわあああ!!」

「サージェスさん、舞踏会の時間が迫っているので、早々にお帰り頂いた方がいいんじゃないですか?」

 トコトコと、傍目から見れば迂闊極まりない無防備な姿でサージェスさんへと寄って来た私を、二メートルを超す巨体の男性が、ぎろりと睨みつけてくる。
 
「この小娘!! 男同士の戦場に女が出てくるとは何事だあああああ!!」

「あの、少し声を抑えて喋って頂けませんか? 流石に至近距離で聞くと、耳が痛くて……」

「ニュイ~……」

 ファニルちゃんと一緒に、迷惑ですと不満の気配を顔に浮かべて告げると、予想通り、巨体の男性は憤慨した様子で顔を赤らめ、私に対して斧を突きつけてきた。

「俺様を馬鹿にしているのかああああああああああ!!」

 振り上げられた槍が、私めがけて放たれるけれど、そこに恐れを抱く事も危機感を感じる事もない。
 私の中から僅かに滲み出した蒼の光が凶手をあっさりと吹き飛ばす。

「ユキちゃん、お見事」

「ニュ~イ~!!」

 私の腕の中で勝利の声を上げたファニルちゃんと共に、サージェスさんが微笑む。
 この国に遊学したあの頃は、本当に何の力もなくて、無力な自分に涙した事もあったけれど、今ではこうして自分の力を使いこなし、自己防衛もお手の物となった。
 出来るだけ傷つけないようにと配慮したけれど、……皇宮の外に続く階段の下まで吹き飛ばしてしまったようだ。
 はっと我に返った騎士団の人達が、慌ててあの男性がどうなったかを確認に走って行く。

「可愛い女の子を守ってあげたいサージェスお兄さんとしては、はは……、なんだか寂しいような気もするけれど、強いユキちゃんも魅力的だよねー」

「ふふ、有難うございます。それじゃあ、着替えに戻りましょうか」

「だねー。……ところで、やっぱりルイちゃん、来れそうもない?」

「……一度、ウォルヴァンシアに連絡を取ったら、丁度帰って来てはいたみたいなんです。だけど、まだお仕事があるみたいで……」

「我慢しちゃったの?」

「我慢なんて程の事じゃないですよ。ルイヴェルさんは、王宮医師兼ウォルヴァンシア魔術師団長でもあるんですから。お仕事が優先なのは当たり前の事なんです」

 寂しさが表に出ないように、無理のない微笑みをサージェスさんに向けると、返ってきたのは、「仕方ないなぁ」と言いたげな苦笑だった。
 ルイヴェルさんが傍にいない事に寂しさを抱いている私の事なんて、この人にはお見通しだ。
 
「ユキちゃんは遠慮深いよねー。長所でもあるけれど、困った部分でもある、かな」

「サージェスさん?」

「一回ぐらい、ルイちゃんに思いっきり我儘言ってもいいんじゃないかなーっとね。ユキちゃんに駄々を捏ねられて、無茶苦茶嬉しくて困りまくるルイちゃんの顔とか、是非、こっそりと物陰から観察させて貰いたいものだよ」

「それは流石に……。私がまだ子供だったなら、やったかもしれませんけど」

 今の私は、もうあの頃のような子供じゃないし、自分の望みを簡単に口にしたり、我儘を心のままに押し通せる歳でもない。
 だから、お仕事で忙しいルイヴェルさんを自分に繋ぎ止めるような真似は……、絶対にしてはいけない。
 
「それに、出張でお疲れ状態のルイヴェルさんに我儘なんて、迷惑以外の何物でもありませんから。お仕事が終わったら、ゆっくり休んでほしいですし」

「ユキちゃん……」

 サージェスさんは妹を相手にするかのように、私の頭をよしよしと撫でると、ルイヴェルさんが来られない分、自分が頑張って楽しませるからと、その騎士服の胸を叩いて笑ってくれた。
 
「さぁ、今夜は思い切り楽しめるように、綺麗に着飾って貰おうね! きっとドレスアップしたユキちゃんを目にしたら、皆見惚れちゃう事確実だよー」

「あはは、……有難うございます。サージェスさん」

「ニュイ~!」

 私は元気づけてくれるサージェスさんの心遣いが嬉しくて、その手を頼もしく思いながら握り返した。
 せっかくの他国での素敵な舞踏会。普段とは違う装いやきらきらしい世界を今夜は思う存分に楽しもう。
 そして、ウォルヴァンシアに戻ったら、ルイヴェルさんに今夜の事をいっぱい聞いて貰おう。
 たとえ一緒にはいられなくても、思い出を共有して一緒に楽しむ事は出来るのだから。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「よく来たな……。今宵は心行くまで楽しんで行くが良い」

 舞踏会の開始時刻を迎え、サージェスさんにエスコートされてやって来た舞踏会場である大広間に足を踏み入れた私は、ガデルフォーンの女帝陛下であるディアーネスさんと挨拶を交わしていた。
 その肩までの薄紫の髪と同じ色のドレスを纏っているディアーネスさんは、見た目は十歳前後の幼い少女のように見えるけれど、本来の姿は二十代半ばほどの外見をした大人の女性だ。
 小回りが利き、なおかつ楽だからという理由で、普段はこのように少女の姿を纏っている。
 豪奢な椅子に座っている彼女のすぐ隣には、静かな月の光を集めたかのような銀の髪を纏う青年が優しい微笑と共に立っており、私達へと挨拶を向けてくれた。
 一見して、中性的な美しい美貌と細身の身体つきをしている彼、シュディエーラさんは、初対面でその性別を正しく把握する事は難しい。
 けれど、正真正銘の男性であり、このガデルフォーン皇国の宰相様でもあるシュディエーラさんは、今夜の舞踏会で女性と間違われないようになのか、男性用だとわかる正装を身に纏っている。
 
「ディアーネスさん、今夜はお招き頂き有難うございます」

「うむ……。あの王宮医師は顔を見せぬようだが、用事でも出来たか?」

「はい。出張から戻ってはいるんですが、お仕事があるので」

「そうか。……サージェスよ、ユキを退屈させぬように気を配るが良い」

「了解。ところでシュディエーラ、今夜は大丈夫そうかな?」

 ニヤリと、からかいの意図を含んだ面白そうな声音でサージェスさんが美貌の宰相様を見遣ると、返ってきたのは重苦しい溜息と射殺しそうな恨みがましい視線だった。
 シュディエーラさんがそのたおやかな指先を口元に当て、……珍しく眉を顰める様を見せる。

「まだ始まって間もないというのに……、十人程から『お誘い』を頂いてしまいました」

「お、お誘いって……、もしかして、シュディエーラさん、あの」

「男からの誘いだ」

「陛下、そうはっきりと言わないで頂けますか? 私は、一応これでも男なのですから、……あまり良い成果ではありませんよ」

「男だって説明しても、冗談にしか取られない不憫な宰相さんだもんねー……。まぁ、モテるのは良い事だし、いっそ手玉にとっちゃったら?」

 他人事にしか思っていないサージェスさんが軽快に笑い飛ばすと、温厚なシュディエーラさんにしては珍しく……不穏な笑みを浮かべた。

「サージェス……? 貴方、一度私の立場になってみますか? 男が男に言い寄られるおぞましさを、男だと説明しても全く話が通じない虚しさを、その肌で一度感じてみれば良いと思うのですが」

 シュディエーラさんの足元に黒い水たまりのような影が生じると、そこから、うにょうにょと……。
 見た目的には非常に際どい、シュディエーラさんのお友達こと、触手ファミリーの皆さんが顔を出してきた。

「うぅっ……」

 来る、来る……、私の方にも何匹か、嬉しそうに触手が這い寄ってくる~!!
 悪い子達? ではないとわかっているものの、予告なしに遭遇してしまうと、やっぱり抵抗感が。
 まぁ、一緒にいる時間が長くなれば、いつも通り撫でるくらいは出来るのだけど。
 ファニルちゃんが、ぞぞぞぞぞぞぞぞっと、そのもふもふの毛並みを逆立てて、小さな悲鳴を上げている。

「ニュイィィィ……!!」

 こっちに来ないで~!! と、私の胸にしがみついて震えるファニルちゃん。
 だけど、触手さんは嬉々としてうねりながら近づいてくる。
 それを寸前で結界を張って助けてくれたのは、他でもない、私の今夜のエスコート役であるサージェスさんだ。

「はいはい。今夜は駄目だよー。せっかく綺麗にドレスアップしたユキちゃんを汚すなんて許せないからね」

 サージェスさんにひと睨みされた触手さん達は、その不穏すぎる黒い笑顔に身の危険を感じたのか、慌ててシュディエーラさんの足元の影に逃げ込んでしまった。
 同時に、サージェスさんに牙? を剥こうとした別の勇ましい触手さん達の方は、可哀想な事に炎系の術で炙られ、ぼとりと薄青色の絨毯の上に……。
 絨毯に落ちた黒こげのそれは、シュディエーラさんの影にズルズルと後退し、さっきの触手さん達と同じように、その中へと消えていく。
 時間が経てば、あの中で自動再生される仕組みなのだそうだ。

「シュディエーラよ、せっかくの夜会を汚すでない」

「申し訳ありません。……どこぞのどなたかが、私の苦労を理解してくださいませんので」

「いやぁ、一応わかってるつもりだよー? 女性寄りの美貌に生れついちゃったシュディエーラの苦労は」

「そのわざとらしい哀愁顔では、私の心には響きませんよ? それよりも……、ユキ姫殿、今宵は普段にも増して一段と……、愛らしくなられて」

 サージェスさんがほろりと同情する素振りをみせたものの、それをバッサリと笑顔で一蹴したシュディエーラさんは、私へと視線を移した。
 今夜の私は、サージェスさんに用意して貰った深い青色の光沢を持つ、プリンセスラインの可愛らしいドレスを纏っている。
 唇には、私の実年齢よりも幼めの顔に無理のない桜色の口紅を。
 蒼い髪は女官さん達に上手く結い上げて貰った。
 まだ大人にはなれていない私の印象は、普段の時もドレスアップした時も、どちらかというと、可愛らしい感じに仕上げて貰える事が多いのだ。
 褒めてくれたシュディエーラさんにお礼を言った私は、サージェスさんのエスコートを受けて、ディアーネスさん達に背を向けた。
 しかし……。

「え……」

 何故か、舞踏会の場に集まっている男性の人達から……、妙な視線を向けられていた。
 嫌悪……、の類ではないようだけど、なんだか、好奇心めいた気配で見られているような。
 たまに、ウォルヴァンシアの王宮で開かれる舞踏会や、他国に招かれた時にも、この感覚と対面した事がある気がするのだけど、一体何?
 以前、私をエスコートしてくれていたルイヴェルさんに尋ねてみた時は、ウォルヴァンシアの王兄姫という立場に在るのだから、注目をされるのは当然だと答えが返ってきた。
 多分、いつもと同じように、そういう意図で見られているのかもしれない。

(まぁ、気にしなくてもいいかな……)

 私はサージェスさんにエスコートをされながら、聞こえてくる楽団の音楽に心を委ねる。
 正装を纏った男性達と寄り添い、艶やかな紅と、豪奢なドレスに身を包んだ麗しの蝶々のような貴婦人達が、その音色に合わせて大広間の中を舞い踊っている。
 何度この光景を目にしても、眩暈を覚えずにはいられない。
 多くの蝶々を彩る美しい色の波、時折強いと思う程に漂ってくる香水の匂い、耳を擽る参加者の人達の談笑の声……。ウォルヴァンシアの王兄姫とはいっても、元々は日本の一般家庭で育った私には、何度経験しても慣れきれない緊張感があるというか、夢の世界に迷い込んでしまったような感覚の方が大きい。

「ユキちゃん、他の人の相手はしなくてもいいから、俺の事だけ見ててね?」

「あ、は、はい。よろしくお願いします」

 私の意識と視界を、自分という存在で覆う事でリラックスさせようと気遣ってくれるサージェスさんに微笑み返した私は、腰に腕をまわされ、一曲目のダンスを踊る事になった。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 ――Side ルイヴェル


 転移を終えたその足で舞踏会が開かれているガデルフォーン皇宮に向かった俺は、長い階段を駆け上り、皇宮の門を守る騎士達に身分証を見せ、中へと急いだ。
 普段とは違う、舞踏会に参加する為の正装は、ウォルヴァンシア魔術師団の団長を表す紋章入りのそれだ。
 長い黒のマントの裾を風に靡かせ、らしくもなく、駆け足で回廊を突き進んで行く。
 まだ舞踏会は終わっていないはずだ。遠くから聞こえてくる楽団の音色が、俺に希望を伝えてくる。

「ユキ……」

 流石に、出張から戻って来てすぐに大量の書類と向き合うのは面倒だったが、それもどうにか終わらせる事が出来た。疲労は限界付近にまで到達しているが、そんな事はどうでもいい。
 俺が傍にいない事で、寂しさを感じているユキの心を、今すぐにこの腕で抱いてやりたい。
 あれは遠慮ばかりして、自分の願いを口に出そうとは思わないような謙虚な娘だ。
 ユキから我儘を言われた事など、……あれが幼い頃にしか聞いた覚えがない。
 願いを口にする勇気がないわけじゃない。ユキは、その願いを口して、相手を……、俺を困らせる事を恐れている。

「俺がその程度で困るような、器の小さい男だと思うなよ……」

 辿り着いた舞踏会の扉が騎士の手によって開かれると、俺はユキの姿を求めて視線を彷徨わせ始めた。
 邪魔な色彩が、……視覚を惑わせる光の荒波が、俺の行く手を邪魔してくるのが忌々しい。

「あれ? ルイちゃーん?」

 その時、右斜め前方から騎士団長の正装を纏ったサージェスが俺の方へと駆け寄ってきた。
 だが、その傍にユキの姿は……ない。

「ユキはどこだ?」

「えーと……、途中までは一緒にいたんだけどねぇ……。途中で俺に用事が出来ちゃって、ユキちゃんの事をクラウディオに任せてみたんだけど」

「結論を言え」

「クラウディオとダンスをした後に、ちょっと体調が悪くなったとかで……、一人で医務室に行っちゃったらしんだよね……、って、ルイちゃん!! 怖い!! ここで怒りの魔力を大放出しようとするのやめて!! 一応舞踏会の最中だから!!」

 これが怒らずにいられるか……!
 よりにもよって、何故クラウディオにユキを預けた?
 話を聞けば、医務室に付き添うと言ったクラウディオは、着飾った女達に取り囲まれ、情けなくもその猛攻に押し潰され、その隙にユキは一人で出て行ってしまったらしい。
 それを聞いたのがついさっきの事らしく、サージェスが後を追おうとし始めた矢先に、俺が舞踏会場に乗り込んで来たようだ。だが、……ここに来るまでにユキとすれ違う事はなかった。
 別の道を選んで医務室に向かったのか……、それとも。
 考えている暇はない。俺はすぐさま踵を返し、ユキの後を追う事に決めた。
 
「あ、ルイちゃーん!! 急いで来てくれたせいか、服と髪が凄い事になってるからー、少し整えて行った方が良いよー!!」

 駆け出した俺の背に聞こえてきたサージェスの指摘に応える気は欠片もない。
 ウォルヴァンシア魔術師団長の正装が乱れているのが何だ。
 髪がグシャグシャに乱れているのが何だ。
 考えるまでもなく、そんな事は、心の底から。

「どうでもいい事だ……!」

 体調が悪くなったと言っていたな……。
 舞踏会場の雰囲気に酔ったか、それとも急な体調不良か……。
 いずれにせよ、苦しんでいるユキを一人にする気はない。
 ユキの魔力反応を探りながら、皇宮内の回廊を迷わず駆け抜けて行く。
 医務室に行ったと聞いていたが……、ユキの気配は別の場所から感じられる。

「……中庭のあたりか?」

 加速をかけ、反応を感じる中庭へと、俺は全力ともいえる速さで道を急いだ。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 ――Side 幸希


「「「ニュイ、ニュイ~」」」

「ふぅ……」

 綺麗な女性陣の皆さんに取り囲まれていたクラウディオさんには悪いけれど、中庭に来れたお蔭で、ようやく息を抜く事が出来た。
 昨日感じた眩暈と体調の悪さが、また舞踏会の最中に戻ってきたのが原因。
 サージェスさんから診察の結果を聞いているから、体調事態に不安はないけれど……。

「……ん」

 何だか妙な心地でもある……。
 もうすぐ……今の自分が、『新しい自分』に変わっていく、なんて。
 噴水の縁に腰かけている私の傍に集まってきたファニルちゃんを撫でながら、複雑な思いを含んだ吐息を零す。
 
「ルイヴェルさんは……、喜んでくれるのかな」

「ニュイ~?」

「「「ニュイッ、ニュイッ!!」」」

 あの人と私では、大人と子供の差と言ってもいいくらいに、越えられない壁があるように感じている。
 だけど、『新しい自分』になれば、その距離は……、少しだけ縮まるのかもしれない。
 周りから見ても、兄と妹のように見られる事がない、理想の形に……。

「……なんて、中身が変わるわけでもないんだし、本当に、形だけ、だよね」

 私より遥かに大人であるルイヴェルさんと、いつか、精神的に同じ立場に立てるようになりたい。
 だけど、年齢差も、歩んで来た経験差も、追い付くには離れすぎていて……。
 せめて、『姿』だけでも、あの人の傍に立つ存在として、相応しいものに変わりたいと願ってしまう。

「ニュイ~……」

「子供と大人の壁って、どうやったら越えられるのかなぁ……」

 もふもふのファニルちゃん達が私に寄り添って、寒くないように温めてくれる。
 その感触に身を委ねながら、私はガデルフォーンの星屑が踊る夜空を見上げながら呟く。
 狼王族の寿命は人間のそれとは違って、途方もなく長い……。
 だから、私がどんなに頑張っても、ルイヴェルさんの立っている場所に私が追い付ける事はない。
 大人と、子供。永遠に……、その壁を越える事は出来ない気がして。
 考えても仕方がない事なのだけど、

「早く、ルイヴェルさんに追い付きたいなぁ……」

 零れ落ちる切ない吐息。
 ファニルちゃん達以外に、私の想いを聞く存在はない闇夜の中。
 不意に、回廊の方から人が走ってくる音が聞こえた。
 薄明かりに照らされて現れたその人は、漆黒の軍服にも似た正装を纏っており、月明かりに煌めく輝きは……、銀。同じ黒色の長いマントは、右肩の銀の房飾りから背中へと流れ、左腕の中心あたりにマントの一部が縫い止められる形でそこから腕へと伝い、左手の中指の指輪へと繋がっている。
 何度か目にした事のあるそれは……、紛れもなく、ウォルヴァンシア魔術師団長の正装。
 息を切らし、その綺麗な銀色の前髪を掻き上げたその人は、銀フレームの眼鏡越しに、私の姿を捉えた。

「ルイヴェル……、さん?」

 噴水の縁から立ち上がり、ここにいるはずのない男性の姿を、もっとよく見ようと、一歩、足を踏み出す……。

「ユキ、ここで何をしている?」

 普段聞きなれているはずの低い声音は、走って来た為か、少し焦っているようにも響く。
 出張から戻ってきたばかりで、お仕事だってあったはずのなのに……、どうして?
 ファニルちゃん達に囲まれている私の許へ、ルイヴェルさんは早足で近寄ってくる。

「ルイヴェルさん……っ」

 私の前に立ったルイヴェルさんは、その右手を持ち上げ……。

「きゃあああ!!」

 まさかの前方からのアイアンクロー!!
 力は少ししか入っていないけれど、ずずいっと迫ってきたルイヴェルさんの美しいお顔に刻まれた苛立ちの気配に、私はぶるりと震えた。

「体調が悪いと聞いたが、こんな所で無防備にも、何をしているんだろうな? お前はっ」

「ご、ごめんなさい~!! ちょ、ちょっと夜風に当たりたくてっ」

「具合が悪いのに、夜風に当たってどうする……? こんな防寒要素のない恰好で、大風邪でも引く気かっ?」

 いつも冷静沈着なルイヴェルさんにしては、声音がわかりやすく苛立ちの気配に染まっている。
 私の頭から手を離し、噴水の縁にもう一度座るように命じると、勝手に診察を始めてしまう。
 
「症状はどうなんだ?」

「え、えっと……、身体が少しだるいというか、別に大した事はないんですよ?」

「それは俺が診察してから見定める」

「い、いいですから!! 本当に何でもないんです!!」

 ルイヴェルさんの冷たい手が、私の肌に触れる度、くすぐったいような、身体の奥に火が灯るような面倒な感覚に苛まれてしまう。
 サージェスさんからは、『変化』が終わるまでは、徐々に感覚が敏感になっていくからと事前に言われてはいたけれど、まさかこんなにも早く敏感さが強まっていくなんて、思いもしなかった。
 だけど、それをまだ知らないルイヴェルさんは、怪訝そうに眉根を顰めると、自分の腕の中に私を抱き込んで動きを封じ込めてしまう。

「俺は、お前の専属医師だ。体調に異変があれば調べるのは当然の事だろう? それとも……、俺に触れられる事が嫌になったとでも言うつもりか?」

「ち、違うんです……っ。わ、私っ」

 きつく抱き締められた私は、もうその温もりを押し付けられるだけでも辛くなっていた。
 『変化』に伴う厄介な症状のせいで、心臓が普段よりも強い高揚を覚え、早足で鼓動を奏でる。
 今すぐに離れないと、自分がおかしくなってしまいそうで……、怖い。
 けれど、そんな私の様子にはお構いなしで、ルイヴェルさんの手が、その指先が、背中を伝い……、濡れた吐息が首筋を擽っていく。

「把握した」

「……え」

「お前が俺を拒む理由が、な」

「あ、あの……」

 もしかしなくても、あっという間に『変化』の事がバレてしまったのだろうか。
 『少女期』から、狼王族の大人としての姿、『成熟期』への変化が始まっている事を。
 ルイヴェルさんはその事実をバッチリ把握してしまったらしく、私の首筋に顔を埋め、喉奥で嬉しそうに小さな笑いを零し始めた。……な、なんか、怖いっ。
 私が狼王族として『成熟期』を迎える事を喜んでくれるのは嬉しいのだけど、本人よりも感動しているような喜びの気配を纏っているのは何故なのだろうか……。

「まだ先の事だと思っていたが……、そうか、ついにか」

「そうですね。私も、まだ、……あと数年はかかるかな~と思っていたんですけど」

 まさか、こんなにも早く『変化』が訪れる事になるなんて思いもしなかった。
 一体どんな姿に変化するのかも、不安と期待両方を抱いているけれど……。
 一番心配なのは、大人となった私の新しい姿を好きになって貰えるかどうかだった。
 あんまり見た目が変わらないのもがっかりだけど、変わりすぎても問題があるような気がする。
 私は身体を苛む甘い痺れを堪えながら、ふぅ、と、自分の中の熱を鎮めるように吐息を零す。
 
「私、一体どんな大人になるんでしょうか……」

「顔が全くの別人になるわけでもない。『少女期』の容姿を元に、身体付きが全体的に大人のそれになるだけだ。あとは、体内の魔力バランスの調整もしやすくなるだろうな」

「なるほど……。あ、あの……、ルイヴェルさんは」

「何だ?」

「私が大人の姿になっても……、す、好きで、いてくれますか?」

 顔を上げ、私の頬を右手のひらで包み込みながら説明してくれたルイヴェルさん。
 その深緑の双眸を見つめながら、自信なさげに尋ねてみる。
 その問いにルイヴェルさんは小さく目を見開くと、……溜息を吐かれた。
 あ、呆れられた……、の、かな。

「何を当たり前の事を聞いているんだろうな、お前は……」

「え」

「さっき、俺が『ようやく』と言ったのを……、聞いていなかったのか?」

「た、確かにそう言ってましたけど……、あの」

 おでこにルイヴェルさんの額が軽く触れ合わされたかと思うと、深緑の双眸が私の瞳をじっと真剣に見つめながら微笑んできた。

「お前が大人の女になる日を、……俺がどれほど待ち望んでいたと思っている」

「大人になる日を……、ですか?」

「俺とお前が恋人同士になった時、陛下とユーディス様に言われた言葉を思い出してみろ」

 えぇと……、何か言われたかな。
 ルイヴェルさんと恋人同士になってから数年の月日が経っているので、どうにも最初の頃の事が上手く思い出せない。
 記憶を何とか探り出そうと小さく唸り始めた私に、二度目の溜息が降ってくる。

「お前よりも、俺の方が焦らされ続けたという話だ……」

「ルイヴェル……、さん?」

 ルイヴェルさんが私の顎を指先で僅かに持ち上げると、軽く触れ合わせるだけの優しいキスを唇に降らせた。

「レイフィード陛下とユーディス様から命じられた事は……、『ユキが成熟期を迎えるまで、婚姻は認めない』というものだ。覚えているだろう?」

「あ……、そういえば、そんな事も言われたような気がしますね。だ、だけど、結婚はまだですけど、……手、出してますよね? かなり前から」

「惚れた女を前に、何年も何もしないでいられる猛者がいるのなら、会ってみたいものだがな?」

「平然と自分は悪くないみたいな事言わないでくださいよ……!!」

 キッと、ルイヴェルさんを睨み上げても、銀フレームの眼鏡の奥で微笑んでいる深緑は、全くダメージを受けていない。
 
「では聞くが……、お前は仲良しこよしのお手々繋ぎで満足出来るのか?」

「うっ……」

「想う相手が傍にいれば、触れたいと願うのは当然の欲求だ。たとえば、俺が医務室で昼寝をしている時に、お前が無断で俺の髪に触れているようにな?」

「そ、それは……っ」

 滅多に見る事の出来ないルイヴェルさんの寝顔を発見すると、自然と手が伸びてしまうというか……。
 で、でも、それはルイヴェルさんとは違って、純粋な好奇心というかっ。
 顔を真っ赤に染めてそう反論すれば、……うっ、鼻で笑われた!!

「意図がどうであれ、お前は俺に触れたいと思ったんだ。つまり、俺がお前に対してやっている事と大差はない」

「そんなぁ……、屁理屈ですよ、それっ」

「……俺に触れられて、嬉しくはないのか?」

「……う、嬉しい、です、けど」

 今でも慣れる事の出来ない、ルイヴェルさんとの蜜事は、好きな人に触れられている幸福感もあるけれど、同時に物凄く恥ずかしさを感じる行為でもある。
 ルイヴェルさんは大人の男性だから恥ずかしくはないのだろうけれど、最初の頃はもう無理っていうくらいに恥ずかしすぎて、逃げ出そうとする度に捕獲されてはベッドに連れ戻された。
 特に声。自分が発しているのに、自分のものではないような甘い声に耐え切れなくて、何度も行為の最中は我慢しようと必死に堪えていたのだけど、ルイヴェルさんがそれを許してくれるわけもなく……。
 
「毎回、手加減してくれないので、色々と思うところがあるんですっ」

「何を言っているんだ、お前は」

「ルイヴェルさんの横暴さについてですっ」

「はぁ……。言っておくが、お前とそういう事をする時には、かなりの手加減をしてやっているんだがな?」

 どうしよう。至極冷静な顔つきで呆れられてしまった。
 手加減って何? 『あれ』で、今まで私に対して遠慮をしていたと言うの!?
 いっそ幻聴であってほしいと願ったけれど、クールで自己中な王宮医師様は、余裕のある風情で艶然と微笑んでくる。

「で、出来れば、もうちょっと手加減に手加減を重ねていただければ、と」

「却下だ。それより、夜風に当たりすぎると、風邪を引く。部屋に戻るぞ」

「え……、部屋に、ですか?」

「どうした? 舞踏会の場に戻る方がいいのなら、そうするが……」

 自分が身に着けていた漆黒の長いマントを外し、私の身体を冷やさないように包み込んでくれたルイヴェルさんが、私の手を引いて歩き出そうとする。
 だけど、……私の足は躊躇いを見せてしまい、前へと進んでくれない。
 
「どうした?」

「……あの、体調の方は、少し休んだお蔭で良いんですが、というか……ぶ、舞踏会の方に行きたいと思って……、ます。だけど、……る、ルイヴェルさんに触られていると、色々困る、というか」

 『成熟期』を目前とした私の身体は、ルイヴェルさんに触れられた事で一気に敏感さが強まってしまい、部屋と舞踏会場、どちらに戻るにせよ……、触れられる事自体が不味い。
 もうこういう事を言うのも恥ずかしすぎるというのに、ルイヴェルさんは手を離してくれない。
 それどころか、私の前に立ち、楽しそうな笑みを纏わせて、指先で耳朶を擽ってくる。

「や、やめてください……っ」

「確かに、熱を抱いた身体で舞踏会場に戻るのは……、目の毒だろうな」

「んっ……」

 耳朶から顔の輪郭を辿り、ルイヴェルさんの指先が私の首筋に流れ落ちてくる。
 聞かれたくないのに、その指先の温もりに反応して、私の唇からは艶めいた囀りが小さく零れ出してしまう。

「俺以外の男に、……こんな姿を見せ、こんな危うい声を聞かせるような事があれば、『仕置き』ものだが」

「ル、ルイヴェルさん……、意地悪しないでくださいっ」

 ルイヴェルさんの手首を掴み、自分から離れるように懇願してみるけれど、その手が行為をやめる事はない。
 左腕が腰へとまわり、それを抱き寄せながら、ルイヴェルさんが私の額に口づけを与えてくる。
 それを受けた瞬間、私の身体からは急速に熱が引き、身体に残っていた気怠さも掻き消えた。

「これでいいだろう。舞踏会場でお前を楽しませる時間ぐらいは確保出来たぞ?」

「何か、術でもかけてくれたんですか?」

「まぁな。さ、行くぞ」

 額を押さえて尋ねた私の肩を抱き、ルイヴェルさんは苦笑を漏らして歩き出す。
 あれだけ敏感になっていた身体が、こんなにもスッキリとしているなんて……。
 流石は、医術と魔術の名門、フェリデロード家の次期当主様と褒め称えるべきか、ルイヴェルさんはやっぱり優秀なお医者さんだった。
 それに……、私の身体を包んでくれているこのマントも、何かの術がかかっているらしく、夜風から私をしっかりと守るように暖を取らせてくれている。

「ありがとうございます、ルイヴェルさん。それと……、お仕事があるはずなのに、来てくれて……、嬉しかったです」

 愛おしい深緑の双眸を見上げながらお礼を告げると、肩を抱いていた手に力が込められ、ぐいっとルイヴェルさんの身体に寄り添わされた。

「お前の小さな望みくらい、いつでも叶えてやる。だから……、次からは俺に対して遠慮などせずに、堂々と強請って来い」

「ふふっ、堂々と……、って。来てくれたのは嬉しかったですけど、ルイヴェルさんの立場を思えば、私が我儘を言ったら、他の人達にも迷惑がかかるでしょう?」

「俺がその程度のフォローも出来ない男だと思っているのか?」

「……う~ん」

 確かに、ルイヴェルさんなら、どんな無理難題でも必ず解決してみせそうな気はするけれど……。
 
「迷うな。お前が願うのなら、小さな事であろうと、面倒な事だろうと、必ず、それに応えてやる。大体、お前が我儘だと思う類の願いは、俺にとっては些細な事ばかりだぞ?」

「そ、そうなんですか?」

「あぁ。今夜の舞踏会の件にしろ、軽いものだ」

「ルイヴェルさん……」

 絶対的な自信を抱き、迷いのない口振りでそう話してくれるルイヴェルさんの胸に顔を寄せた私は、小さな声で「ありがとうございます」と、嬉しさを込めたお礼を告げた。
 こんなにも自分の事を大切にして貰えている事が、我儘を言ってもいいのだと微笑んでくれるルイヴェルさんの存在が、愛おしくて仕方がない。
 私はこの人の優しさと愛情に、いつか報いる事の出来る日が訪れるのだろうか。
 愛された分だけ、ううん……、それ以上に、貴方の事が好きだという気持ちと共に、ルイヴェルさんを幸せに出来る日を、自分の手で創り上げていきたい……。

「じゃあ、次からはもう少しだけ……、我儘な事もお願いしてしまうかもしれませんね」

「逆に楽しみだがな……。それと、俺も遠慮せずに、お前に対して『我儘』を言わせて貰うつもりだ。――覚悟しておけ」

「えっ……、る、ルイヴェルさんの我儘、ですかっ?」

「片方だけでは不公平だろう? まぁ、俺の『我儘』は、お前の小さな望みに比べれば……、倍以上はでかいだろうな」

 聞いてはいけない何かを耳に入れてしまった私が冷や汗を浮かべていると、ルイヴェルさんは面白そうに意地悪な笑みを纏い、舞踏会場への道を歩き始めてしまった。
 結論、……やっぱり我儘は控えよう。
 でないと、あとから倍以上の面倒な『我儘』を、隣を歩くドSな王宮医師様から頂く事になってしまいそうだから。
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