116 / 314
第三章『遊学』~魔竜の集う国・ガデルフォーン~
その頃の男風呂
しおりを挟む
※ウォルヴァンシア王国第一王子、常識人なレイルの視点でお送りします。
――Side レイル・ウォルヴァンシア
「へっくしゅん!!」
「か、カイン皇子、大丈夫か?」
女帝陛下に連れられて別行動をとる事になった後、シュディエーラ殿に案内されて辿り着いた男性専用の大浴場で、湯船に浸かっていたカイン皇子が豪快なクシャミをした。
まだ湯船の外で身体を洗っていたルイヴェルも、小さく一回。
「なぁ……、誰か俺の事噂したよな? 今」
「それはわからないが……、肩までよく浸かった方がいいぞ、カイン皇子」
「おう……」
ガデルフォーンに到着早々、無数の真っ黒な触手に襲われた疲労感は強く、初日から自国に戻りたい気に駆られている……。
魔物や魔獣の類を見た事はあっても、中には苦手なタイプのそれも存在するものだ。
身体を洗ったお陰で触手に纏わりつかれそうになった不快感は薄らいだが、ユキの方は大丈夫だろうか?
異世界で暮らしていた従妹には、異形を目にする事自体苦痛な事であったはずだ。
それなのに……、遊学初日であんなグロテスクな物を見る羽目になろうとは。
こういう言い方は良くないが、瘴気の獣の方がまだ造形的にセーフだろう。
「ユキのトラウマにならなければいいが……」
「本当になぁ……。ただ目にするだけじゃなく、アイツの場合……、入っちまったからな」
「服の中に侵入とは……、俺達男でも辛いものだが、女性のユキにはさらに」
しかも、ねっとりと肌に巻き付かれたと嘆いていたユキの心痛を思うと、居た堪れないものがある。同時に重苦しい溜息を吐き出している俺とカイン皇子の近くに、ようやく身体を洗い終えたルイヴェルが湯船へと浸かってきた。
ユキの保護者を自負する王宮医師としては、初日にして失態を犯したと、そう感じているんだろうな。
入浴中は普段着用している眼鏡を外しているせいか、ルイヴェルの哀愁めいた気配が色濃く見てとれるような気がする。
「まったく、あの宰相殿にも困ったものだ……。レイフィード陛下がお聞きになれば、すぐ様ユキを自国に強制送還させた事だろうな」
「確かに……。父上はユキにベタ甘だからな」
ユキが触手に襲われた事など知ったら、半狂乱になって連れ戻しに来るだろう。
アレクに至っては、不埒な凶悪触手達を根絶やしに……。
下手をしたら、あの宰相、シュディエーラ殿にも害が及んだかもしれない。
むしろ、今近くにいるルイヴェルが自分を抑え込んで冷静に振る舞っていたのもまた、奇跡。
「宰相殿にはもう一度話をしておく必要があるだろうな。そちらの方は俺に任せておけ」
「そうして貰えると助かる……。出来れば、これ以上の強烈な出来事は起こらないでほしいものだが」
主に、ユキの心を平穏に保つ為に。
そう言った俺に、ルイヴェルはその銀の前髪を掻き上げながら、「個性の強い奴はまだいるがな」と息を吐いた。
確か、俺の知っている限りでは……、あぁ、何人かいたな。
だが、触手の衝撃に比べればまだマシな方だろう。……多分。
「ところでよぉ……、今頃アイツ、女帝と入浴中なんだよな?」
「あぁ。女帝陛下専用の浴場で寛いでいるはずだが……」
「あの魔竜女と一緒で寛げんのか?」
「さぁ……、どうだろうな。女帝陛下は物静かなタイプだが、ユキも大人しい方だし、意外に話が合うんじゃないか?」
それに、同じ女性同士だ。同じ湯に浸かれば、打ち解けるのも早い事だろう。
まぁ……、俺達は断ったものの、浴場担当の女官達からの世話をユキが断れたかどうかは不明だ。
幼い頃には嬉々としてメイド達から世話をされていたユキだが、記憶を封じられて向こうの世界を暮らしの地として定めたユキは、帰還後に幾つかの給仕や世話の類を断っている。
自分で出来る事は自分でやる。責任感の強い真面目な子に育ってくれたものだ。
まぁ、姪御に再会出来て、甘やかしたい衝動に日々駆られている父上は、少々物足りなそうだが。
「触手の不快感も全部女官達が拭ってくれていると良いんだが……」
心に刻まれた不快感や傷はそう簡単に消えないものだ。
触手に襲われた時も涙目になっていたし……、可哀想に。
「ま、大丈夫だろ。アイツは一回傷ついても、落ち込んでも……、回り道したって、立ち直ってくるしぶとさがある」
「カイン皇子?」
「俺の時だって、あんな出会いをしたってのに……、アイツは最後には許してくれた。それどころか、俺に説教かまして、ぶつかってくるような女だ。禁呪の時も、アイツの根性がなきゃ、俺は今頃死んでただろうしな」
だから、触手如きで泣き寝入りをするような存在じゃない。
浴場の縁に両肘を着いて手のひらに顔を乗せたカイン皇子が言ったその言葉に、俺もまだ僅かな時しか経っていない最近の記憶を振り返ってみた。
……確かに、ユキは物腰の穏やかなタイプに見えるが、いざという時の行動力と決断力はユーディス伯父上とナツハ伯母上譲りだな。
ただの大人しい小娘と思って侮ると、こちらが痛い目を見る事になる。
ちなみに、その証拠として、幼い頃のユキは本当に凄かった……っ。
「そうだな……。ついユキの事を心配し過ぎてしまうのは、俺も父上譲りという事か。有難う、カイン皇子」
「何に対して礼を言われてんのかわかんねぇけど、触手よりも面倒な問題がまだあんだろ」
「どういう事だ?」
カイン皇子のうんざりとしたような真紅の双眸が、ギロリとすぐ傍で寛いでいる王宮医師へと向かう。あぁ……、触手の衝撃で忘れていたが、そうだ……、ルイヴェルの事があったんだった。
俺達の視線を受け、ルイヴェルが全てわかっている目でニヤリと微笑む。
「どうした? 俺に何か言いたい事でもあるのか?」
「あるに決まってんだろうが……!! ユキにとってテメェが一番の悩み所だろうが!!」
「心外な事を言ってくれるものだな。心からの忠誠を捧げ、遠く異国の地まで寄り添ってきたこの俺が、愛しき王兄姫殿下の足枷になるとでも?」
「ルイヴェル……、企み顔でわざとらしい事を言わないでくれないか? 物凄く不安になるっ」
本当の意味でユキの害となるような真似はしないだろうが、その愛情故に捻くれた構い方をするのは目に見えている。
「テメェのせいでユキが寝込みでもしたらどうしてくれんだよ!! 少しは臣下らしく距離を取りやがれ!!」
「距離、というか……、もう少し接し方を考えた方が良いと思うぞ、ルイヴェル」
「ふっ、万が一……、そんな事が起きたとしても、俺が寝ずの看病をし、心を尽くしてやればいいだけの話だろう?」
「「そういう発言が大問題なんだ!!」」
はぁ……、心なしか、胃が痛くなってきた。
カイン皇子と同時に湯船から立ち上がって叫んだ俺は、脱力して再び沈んだ。
俺やカイン皇子よりも遥かに年上のくせに、何故自重という言葉を覚えてくれないのか。
「はぁ……、俺達の気苦労も増大だな。カイン皇子」
「おう……。俺達でユキを連れて全力逃亡したくなるよな」
「安心しろ。そんな馬鹿をしでかした場合は、先回りで捕獲してやる安心設計だ」
「どこがだよ……」
ルイヴェルの事だから余裕たっぷりに先回りで捕獲は冗談じゃないんだろうな。
もう一度うんざりした顔で頭上に広がる他国の空を見上げた俺とカイン皇子は、喉の奥で愉しげに含み笑いをするルイヴェルを見ないようにし、湯船から上がった後の事を考える事にした。
――Side レイル・ウォルヴァンシア
「へっくしゅん!!」
「か、カイン皇子、大丈夫か?」
女帝陛下に連れられて別行動をとる事になった後、シュディエーラ殿に案内されて辿り着いた男性専用の大浴場で、湯船に浸かっていたカイン皇子が豪快なクシャミをした。
まだ湯船の外で身体を洗っていたルイヴェルも、小さく一回。
「なぁ……、誰か俺の事噂したよな? 今」
「それはわからないが……、肩までよく浸かった方がいいぞ、カイン皇子」
「おう……」
ガデルフォーンに到着早々、無数の真っ黒な触手に襲われた疲労感は強く、初日から自国に戻りたい気に駆られている……。
魔物や魔獣の類を見た事はあっても、中には苦手なタイプのそれも存在するものだ。
身体を洗ったお陰で触手に纏わりつかれそうになった不快感は薄らいだが、ユキの方は大丈夫だろうか?
異世界で暮らしていた従妹には、異形を目にする事自体苦痛な事であったはずだ。
それなのに……、遊学初日であんなグロテスクな物を見る羽目になろうとは。
こういう言い方は良くないが、瘴気の獣の方がまだ造形的にセーフだろう。
「ユキのトラウマにならなければいいが……」
「本当になぁ……。ただ目にするだけじゃなく、アイツの場合……、入っちまったからな」
「服の中に侵入とは……、俺達男でも辛いものだが、女性のユキにはさらに」
しかも、ねっとりと肌に巻き付かれたと嘆いていたユキの心痛を思うと、居た堪れないものがある。同時に重苦しい溜息を吐き出している俺とカイン皇子の近くに、ようやく身体を洗い終えたルイヴェルが湯船へと浸かってきた。
ユキの保護者を自負する王宮医師としては、初日にして失態を犯したと、そう感じているんだろうな。
入浴中は普段着用している眼鏡を外しているせいか、ルイヴェルの哀愁めいた気配が色濃く見てとれるような気がする。
「まったく、あの宰相殿にも困ったものだ……。レイフィード陛下がお聞きになれば、すぐ様ユキを自国に強制送還させた事だろうな」
「確かに……。父上はユキにベタ甘だからな」
ユキが触手に襲われた事など知ったら、半狂乱になって連れ戻しに来るだろう。
アレクに至っては、不埒な凶悪触手達を根絶やしに……。
下手をしたら、あの宰相、シュディエーラ殿にも害が及んだかもしれない。
むしろ、今近くにいるルイヴェルが自分を抑え込んで冷静に振る舞っていたのもまた、奇跡。
「宰相殿にはもう一度話をしておく必要があるだろうな。そちらの方は俺に任せておけ」
「そうして貰えると助かる……。出来れば、これ以上の強烈な出来事は起こらないでほしいものだが」
主に、ユキの心を平穏に保つ為に。
そう言った俺に、ルイヴェルはその銀の前髪を掻き上げながら、「個性の強い奴はまだいるがな」と息を吐いた。
確か、俺の知っている限りでは……、あぁ、何人かいたな。
だが、触手の衝撃に比べればまだマシな方だろう。……多分。
「ところでよぉ……、今頃アイツ、女帝と入浴中なんだよな?」
「あぁ。女帝陛下専用の浴場で寛いでいるはずだが……」
「あの魔竜女と一緒で寛げんのか?」
「さぁ……、どうだろうな。女帝陛下は物静かなタイプだが、ユキも大人しい方だし、意外に話が合うんじゃないか?」
それに、同じ女性同士だ。同じ湯に浸かれば、打ち解けるのも早い事だろう。
まぁ……、俺達は断ったものの、浴場担当の女官達からの世話をユキが断れたかどうかは不明だ。
幼い頃には嬉々としてメイド達から世話をされていたユキだが、記憶を封じられて向こうの世界を暮らしの地として定めたユキは、帰還後に幾つかの給仕や世話の類を断っている。
自分で出来る事は自分でやる。責任感の強い真面目な子に育ってくれたものだ。
まぁ、姪御に再会出来て、甘やかしたい衝動に日々駆られている父上は、少々物足りなそうだが。
「触手の不快感も全部女官達が拭ってくれていると良いんだが……」
心に刻まれた不快感や傷はそう簡単に消えないものだ。
触手に襲われた時も涙目になっていたし……、可哀想に。
「ま、大丈夫だろ。アイツは一回傷ついても、落ち込んでも……、回り道したって、立ち直ってくるしぶとさがある」
「カイン皇子?」
「俺の時だって、あんな出会いをしたってのに……、アイツは最後には許してくれた。それどころか、俺に説教かまして、ぶつかってくるような女だ。禁呪の時も、アイツの根性がなきゃ、俺は今頃死んでただろうしな」
だから、触手如きで泣き寝入りをするような存在じゃない。
浴場の縁に両肘を着いて手のひらに顔を乗せたカイン皇子が言ったその言葉に、俺もまだ僅かな時しか経っていない最近の記憶を振り返ってみた。
……確かに、ユキは物腰の穏やかなタイプに見えるが、いざという時の行動力と決断力はユーディス伯父上とナツハ伯母上譲りだな。
ただの大人しい小娘と思って侮ると、こちらが痛い目を見る事になる。
ちなみに、その証拠として、幼い頃のユキは本当に凄かった……っ。
「そうだな……。ついユキの事を心配し過ぎてしまうのは、俺も父上譲りという事か。有難う、カイン皇子」
「何に対して礼を言われてんのかわかんねぇけど、触手よりも面倒な問題がまだあんだろ」
「どういう事だ?」
カイン皇子のうんざりとしたような真紅の双眸が、ギロリとすぐ傍で寛いでいる王宮医師へと向かう。あぁ……、触手の衝撃で忘れていたが、そうだ……、ルイヴェルの事があったんだった。
俺達の視線を受け、ルイヴェルが全てわかっている目でニヤリと微笑む。
「どうした? 俺に何か言いたい事でもあるのか?」
「あるに決まってんだろうが……!! ユキにとってテメェが一番の悩み所だろうが!!」
「心外な事を言ってくれるものだな。心からの忠誠を捧げ、遠く異国の地まで寄り添ってきたこの俺が、愛しき王兄姫殿下の足枷になるとでも?」
「ルイヴェル……、企み顔でわざとらしい事を言わないでくれないか? 物凄く不安になるっ」
本当の意味でユキの害となるような真似はしないだろうが、その愛情故に捻くれた構い方をするのは目に見えている。
「テメェのせいでユキが寝込みでもしたらどうしてくれんだよ!! 少しは臣下らしく距離を取りやがれ!!」
「距離、というか……、もう少し接し方を考えた方が良いと思うぞ、ルイヴェル」
「ふっ、万が一……、そんな事が起きたとしても、俺が寝ずの看病をし、心を尽くしてやればいいだけの話だろう?」
「「そういう発言が大問題なんだ!!」」
はぁ……、心なしか、胃が痛くなってきた。
カイン皇子と同時に湯船から立ち上がって叫んだ俺は、脱力して再び沈んだ。
俺やカイン皇子よりも遥かに年上のくせに、何故自重という言葉を覚えてくれないのか。
「はぁ……、俺達の気苦労も増大だな。カイン皇子」
「おう……。俺達でユキを連れて全力逃亡したくなるよな」
「安心しろ。そんな馬鹿をしでかした場合は、先回りで捕獲してやる安心設計だ」
「どこがだよ……」
ルイヴェルの事だから余裕たっぷりに先回りで捕獲は冗談じゃないんだろうな。
もう一度うんざりした顔で頭上に広がる他国の空を見上げた俺とカイン皇子は、喉の奥で愉しげに含み笑いをするルイヴェルを見ないようにし、湯船から上がった後の事を考える事にした。
0
あなたにおすすめの小説
ひみつの姫君 ~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!~
らな
恋愛
男爵令嬢のリアはアルノー王国の貴族の子女が通う王立学院の1年生だ。
高位貴族しか入れない生徒会に、なぜかくじ引きで役員になることになってしまい、慌てふためいた。今年の生徒会にはアルノーの第2王子クリスだけではなく、大国リンドブルムの第2王子ジークフェルドまで在籍しているのだ。
冷徹な公爵令息のルーファスと、リアと同じくくじ引きで選ばれた優しい子爵令息のヘンドリックの5人の生徒会メンバーで繰り広げる学園ラブコメ開演!
リアには本人の知らない大きな秘密があります。
リアを取り巻く男性陣のやり取りや友情も楽しんでいただけたら嬉しいです。
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
戦姫のトロイメライ~断罪される未来が視えたので先に死んだことにしました
志熊みゅう
恋愛
十三歳の誕生日、侯爵令嬢エディット・ユングリングは、自分が死ぬ瞬間を"夢"に視た。
卒業舞踏会で、婚約者であるフィーラ帝国・第一皇子マティアス殿下から、身に覚えのない罪で断罪され、捕らえられる。傍らでは見知らぬピンクブロンドの令嬢が不敵に微笑む。貴族牢のある北の古城に連行される途中、馬車ごと“死の谷”へと落ちていった――そんな妙に生々しい夢。
マティアス殿下は聡明で優しく、エディットを大切にしているように見えた。だから誰もその"夢"のことを気に留めなかった。しかし、兄の怪我、愛猫の死、そして大干ばつ――エディットの"夢"は次々と現実になっていく。ある日、エディットは気づく。この"夢"が、母の祖国・トヴォー王国の建国の軍師と同じ異能――"未来視"であることに。
その頃、一年早く貴族学院に入学したマティアス殿下は、皇宮から解放され、つかの間の自由を知った。そして、子爵令嬢ライラに懸想するようになる。彼女は、"夢"の中で冷酷に微笑むあの令嬢に瓜二つ。エディットは自分が視た"夢"が少しずつ現実になっていくことに恐怖した。そんな時に視た、黒髪の令息が「愛しているよ」と優しくはにかむ、もう一つの『未来』。エディットは決心する。
――断罪される未来を変えたい。もう一つの未来を自分で選び取る。
彼女は断罪される前に、家族と共に自らの死を偽装し、トヴォー王国へと身を隠す。選び取った未来の先で、エディットは『戦姫』として新たな運命の渦に飲まれていく――。
断罪の未来を捨て、愛する者のために戦う令嬢の恋愛ファンタジー!
皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!
古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄され
恋愛
第12回ネット小説大賞最終選考選出
「クリスティーナ・ミハイル。貴様との婚約をここに破棄する」
王立学園のサマーパーティ会場において、突然、クリスは皇太子に宣告された。
そうこの話は悪役悪徳令嬢がはかなげな娘をいじめにいじめて挙句の果てに皆の前でその悪事の数々を暴かれ弾劾される話のはずが…
クリスは天真爛漫お転婆令嬢だったのに、皇太子の婚約者になったばかりに王妃教育の礼儀作法が苦手。1ミリ違うからってダメ出しされても…
おまけに王立学園の物理は世界的な権威がいるからかレベルは世界的に高くて寝る間も惜しんで勉強する羽目に…・
それだけ必死に努力してるのに婚約者は礼儀作法のなっていない娘と人目もはばからずイチャイチャ
もう一人の王女は別名暴風王女。礼儀作法って何、食べられるのって感じで、仲の良いお姉さまだけど敵国皇太子と仲良くしていて………
苦労するのは私だけ?
我慢の限界を超えて…
しかし、このクリス、実は建国の戦神、史上最強最悪のシャラザールが憑依していて、そんな彼女に逆らうと…
読んだ人がスカッとするお話書いていくつもりです。
新章始めました
小説家になろう カクヨムでも公開中
この1000年前の物語シャラザール帝国建国秘話はこちら
「娘の命を救うために生贄として殺されました・・・でも、娘が蔑ろにされたら地獄からでも参上します」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/237012270/474495563
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる