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学芸院凰雅は頼まれる
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事件から数日、凰雅たちは平和な学園生活を取り戻していた。しかしそれは束の間のものだった。
その日エキスパンダーを使用しながら凰雅は、能丸、ジェシーらクラスメイトと談笑していた。
「ジェシーさんって、アメリカのどこから来たの?」
「LAの方デース。」
「アメリカか。向こうの一般的な高校生はどういう生活をしているのか気になるな、能丸。」
「僕はLAの方っていうのが引っかかるけど。その言い回しって昔の詐欺っぽいよね。」
「全く能丸の言う通りだな。LAの方角って意味じゃアバウト過ぎてほぼアメリカ全土だぜ。」
「おー、ジャパニーズは細かすぎデース。」
皆で取るに足らない話をしていると、そこに慌てた様子の御用崎がやって来た。
「大変だ!ヤバい情報が入って来たぜ。」
「どうしたの?ヤバい情報って?」
「ああ、うちの学園の番長のことは知っているよな?」
「番長って、生徒会長の津曲番先輩のこと?」
「ああ。その番長が学園の武力の実権を裏番長に譲るって言っているらしいんだ。」
「武力っていうのはよくわからないけど。会長は3年だし普通に世代交代なんじゃない?」
「でも武力の面となると番先輩はもちろん、副会長の互助宮太助先輩や書記の三築瑞希先輩、会計の三築水月先輩の代わりを務められる人なんて他にいないだろ?これからこの学園はどうなっちまうんだ・・・。」
「ヤバい情報なんて言うから何かと思えばやれやれだ。確かに現生徒会は歴代最強という話を聞いたことがあるが、そんなの俺達一般生徒には関係ないだろう。」
「というか前から疑問だったんだけど、生徒会長とか学園に武力って要るの?」
「要るだろ!当たり前だ!」
「そうなんだ?ごめん。」
「バンチョーが代わるとして、新しくバンチョーになるというウラバンチョーというのはどんな人なんデスか?」
「それは俺にもわからない。まだ詳しい情報が噂の段階になっていないんだ。」
そんな話をしている時、まるでその様子を外で見ていたかのようなナイスタイミングで来客が現れた。
その男は頭髪はリーゼント、学ラン風に改造した制服を着て下駄をはいた、あまりに古風なヤンキースタイルだった。
「オウオウオウオウ、学芸院って奴はどいつだ。てめえか?」
「なんだお前は。偉そうに。」
「凰雅、失礼だよ。この人は太鼓持先輩。学園でも有名人だよ。」
「そうなのか。そんな有名な先輩を知らなかったというのは俺の不徳の致すところだな。」
凰雅の元に現れたこの男は学園でも有名な不良、太鼓持宵曙。
「裏番長がてめえに用があるんだ。ちょっとツラァかしてもらうぜ。」
「ほう、そうか。だが俺はそいつに用はない。だから行かない。事件に巻き込まれそうだしな。」
「なんだぁ、てめえ。なんだその口のききかたは。」
「口のききかたで先輩にとやかく言われる筋合いはない。」
険悪な雰囲気にのまれる教室。教室の皆が喧嘩は止めてくれよと思いながら2人の動向に注目していた。しかし、その緊張はある人の一言で解かれた。
「行きまショウ、ミスターオーガ。」
「何故だ?」
「ワタシの勘がそう言っているのデース。」
「それみろ。お前が興味を示すということは厄介ごとということだ。俺は断固拒否する。もし行ってみろ、こんな奴の言うことを聞くみたいで嫌だぜ。俺は威圧的な態度を振り回す奴が3時のおやつより嫌いなんだ。」
「会いたいって言っているんだったら、僕は会ってあげるべきだと思うけどな。」
「能丸がそう言うなら仕方ないな。」
その日エキスパンダーを使用しながら凰雅は、能丸、ジェシーらクラスメイトと談笑していた。
「ジェシーさんって、アメリカのどこから来たの?」
「LAの方デース。」
「アメリカか。向こうの一般的な高校生はどういう生活をしているのか気になるな、能丸。」
「僕はLAの方っていうのが引っかかるけど。その言い回しって昔の詐欺っぽいよね。」
「全く能丸の言う通りだな。LAの方角って意味じゃアバウト過ぎてほぼアメリカ全土だぜ。」
「おー、ジャパニーズは細かすぎデース。」
皆で取るに足らない話をしていると、そこに慌てた様子の御用崎がやって来た。
「大変だ!ヤバい情報が入って来たぜ。」
「どうしたの?ヤバい情報って?」
「ああ、うちの学園の番長のことは知っているよな?」
「番長って、生徒会長の津曲番先輩のこと?」
「ああ。その番長が学園の武力の実権を裏番長に譲るって言っているらしいんだ。」
「武力っていうのはよくわからないけど。会長は3年だし普通に世代交代なんじゃない?」
「でも武力の面となると番先輩はもちろん、副会長の互助宮太助先輩や書記の三築瑞希先輩、会計の三築水月先輩の代わりを務められる人なんて他にいないだろ?これからこの学園はどうなっちまうんだ・・・。」
「ヤバい情報なんて言うから何かと思えばやれやれだ。確かに現生徒会は歴代最強という話を聞いたことがあるが、そんなの俺達一般生徒には関係ないだろう。」
「というか前から疑問だったんだけど、生徒会長とか学園に武力って要るの?」
「要るだろ!当たり前だ!」
「そうなんだ?ごめん。」
「バンチョーが代わるとして、新しくバンチョーになるというウラバンチョーというのはどんな人なんデスか?」
「それは俺にもわからない。まだ詳しい情報が噂の段階になっていないんだ。」
そんな話をしている時、まるでその様子を外で見ていたかのようなナイスタイミングで来客が現れた。
その男は頭髪はリーゼント、学ラン風に改造した制服を着て下駄をはいた、あまりに古風なヤンキースタイルだった。
「オウオウオウオウ、学芸院って奴はどいつだ。てめえか?」
「なんだお前は。偉そうに。」
「凰雅、失礼だよ。この人は太鼓持先輩。学園でも有名人だよ。」
「そうなのか。そんな有名な先輩を知らなかったというのは俺の不徳の致すところだな。」
凰雅の元に現れたこの男は学園でも有名な不良、太鼓持宵曙。
「裏番長がてめえに用があるんだ。ちょっとツラァかしてもらうぜ。」
「ほう、そうか。だが俺はそいつに用はない。だから行かない。事件に巻き込まれそうだしな。」
「なんだぁ、てめえ。なんだその口のききかたは。」
「口のききかたで先輩にとやかく言われる筋合いはない。」
険悪な雰囲気にのまれる教室。教室の皆が喧嘩は止めてくれよと思いながら2人の動向に注目していた。しかし、その緊張はある人の一言で解かれた。
「行きまショウ、ミスターオーガ。」
「何故だ?」
「ワタシの勘がそう言っているのデース。」
「それみろ。お前が興味を示すということは厄介ごとということだ。俺は断固拒否する。もし行ってみろ、こんな奴の言うことを聞くみたいで嫌だぜ。俺は威圧的な態度を振り回す奴が3時のおやつより嫌いなんだ。」
「会いたいって言っているんだったら、僕は会ってあげるべきだと思うけどな。」
「能丸がそう言うなら仕方ないな。」
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