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第七章
第188話 ずっと親友で
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「あれ、香奈。部活に行ったんじゃなかったの?」
あかりは尋ねた。和也を遮ったのは香奈だった。
「忘れ物しちゃってさ」
そう言いつつ、彼女はあかりと和也の間に入り込んだ。
和也は見るからに動揺していた。どもりながら、
「な、なんだ白雪さん。僕は今七瀬さんと——」
「あかりって普段からわりとズバズバ物を言うところあるけど、なんだかんだ優しいよね」
「なっ……!」
香奈は和也の言葉を無視してあかりに話しかけた。
絶句する和也を放置して「でもさ」と続けた。
「たまにはガツンと言い返さないと自分が苦しくなるよ。それに、百瀬先輩だって嫌な思いするかもしれないし」
「うん……そうだね」
あかりは神妙な面持ちでうなずいた。心当たりはあった。
完全にいないものとして扱われている和也は瞳を血走らせて叫んだ。
「おいっ、僕を無視して話を進めるんじゃない!」
「さっきうるさいっつったんだけど、聞こえなかった?」
「っ……!」
振り返った香奈に射殺さんばかりの視線で睨みつけられ、和也は言葉を詰まらせた。
(睨まれただけで何も言えなくなるとか、小物かよ)
香奈は内心で毒づいた。廊下を歩いている段階で和也の暴論は聞こえていた。言葉遣いが過去最高級に乱れるくらいには苛立っていた。
臆することなく和也との間合いをつめる。彼の顔に怯えが浮かんだ。
「田口さ、あれだけ断られてんだから自分に脈がないことくらい気づいたら? 教室で少ししゃべった程度で何がわかるとか格好つけてたけど、生理的に無理かどうかくらいは普通にわかるし」
「なっ、なっ……!」
二の句が告げない様子の和也の額には、はっきりと青筋が浮かんでいた。怒り心頭といった様子だ。
香奈も言葉を止めたほうがいいことはわかっていた。しかし、止められなかった。
「浮気のラインがどのくらいとかはどうでもいいけど、どんな状況になったってあかりが田口とデートに行くことはないよ。普段しつこく話しかけてるのだってウザがられてるんだからいい加減——」
「ちょ、ちょっと香奈。さすがに言いすぎだよっ」
呆気に取られていたあかりは、我に返って慌てて親友の暴走を止めにかかった。
いつも陽気で明るい彼女がここまで怒っているのは見たことがなかった。
「……そうだね」
香奈はふぅ、と息を吐いた。他の人ならいざ知らず、親友のあかりに止められたことでわずかに冷静さを取り戻した。
怒りでわなわな震えている和也に、静かな口調で話しかける。
「ごめん。ちょっと言い過ぎた。私が言いたかったのは、今後二度とあかりにちょっかいをかけるなってことだけだから」
「そ、そんなもの強制力はないじゃないか!」
「いや、普通に彼氏持ちに下心全開で絡むとかあり得ないでしょ。ちょっと前に二年生と三年生で停学と退学になった人たちがいたの、覚えてる?」
「それがどうしたっ」
「その人たち、処分受けるちょっと前に私と私の彼氏に絡んでたんだよね。この意味、推薦を狙うような秀才ならわかるでしょ?」
「っ……!」
和也の顔がサァ、と青ざめた。
「もしあかりを悲しませたりこれ以上迷惑をかけるようなことがあったら、あかりが許しても私が絶対に許さないから」
香奈はもう和也に用はないとばかりに自席に向かった。
忘れ物を確保し、「行こう」とあかりの手を引っ張って教室を出た。
校舎を出たところで、香奈はため息を吐いた。
「あーあ、また悪い癖出ちゃった……私自身が危ないからって巧先輩に注意されて、最近は抑えられてたんだけどなぁ」
香奈の悪い癖。それは怒りが一定ラインを超えると口が過ぎてしまうというものだ。
「そうだね。言いすぎると香奈に怒りの矛先が向かっちゃうから、気をつけたほうがいいと思う」
「だよねー……」
「でも、それくらい怒ってくれたのは嬉しかったよ」
あかりは笑みを浮かべてありがとう、と言った。
香奈はふんわりと柔らかく微笑んだ。
「当たり前じゃん。親友なんだから」
「……そうだね」
あかりもふっと笑いをこぼす。
「ずっと親友でいようね、香奈」
「うん!」
香奈は無邪気な笑みを浮かべてうなずいた。右手を差し出す。小指だけがピンと伸びていた。
「約束だよっ」
「うん、約束」
あかりは香奈の小指に自身のそれを絡めた。苦笑にも似た笑みを浮かべながら。
二人の少女が今後の友情を誓い合う中、彼女たちと言葉を交わしていた和也もまたあることを誓っていた。
その顔に浮かんでいるのはあかりと香奈のような笑みではない。恐怖一色だった。
「も、もう二度とあの二人に関わるものか……!」
香奈の剣幕だけでも恐ろしかったというのに、停学や退学の可能性まで示唆されたのだ。推薦を狙っている彼にとっては恐怖でしかなかった。
それでもなおあかりを狙い続けようと思うほど彼の想いは強くなかったし、肝が据わっているわけでもなかった。
その日以来、和也は二人を露骨に避けるようになった。
ペアワークなどでも明らかにあかりを怖がっていた。
当然、香奈とあかりの友人たちは疑問に思った。
「田口に何かしたの?」
「いや、しつこかったから軽く注意しただけよ」
「絶対軽くじゃないよね?」
さらに尋ねると、香奈とあかりは曖昧な笑みを浮かべた。
「あっ、うん。やっぱりいいや」
特に香奈の笑顔を見て、友人たちはこれ以上は聞かないほうがいいと判断した。
同時に、絶対にこの子を怒らせないようにしようと心に誓った。
あかりは尋ねた。和也を遮ったのは香奈だった。
「忘れ物しちゃってさ」
そう言いつつ、彼女はあかりと和也の間に入り込んだ。
和也は見るからに動揺していた。どもりながら、
「な、なんだ白雪さん。僕は今七瀬さんと——」
「あかりって普段からわりとズバズバ物を言うところあるけど、なんだかんだ優しいよね」
「なっ……!」
香奈は和也の言葉を無視してあかりに話しかけた。
絶句する和也を放置して「でもさ」と続けた。
「たまにはガツンと言い返さないと自分が苦しくなるよ。それに、百瀬先輩だって嫌な思いするかもしれないし」
「うん……そうだね」
あかりは神妙な面持ちでうなずいた。心当たりはあった。
完全にいないものとして扱われている和也は瞳を血走らせて叫んだ。
「おいっ、僕を無視して話を進めるんじゃない!」
「さっきうるさいっつったんだけど、聞こえなかった?」
「っ……!」
振り返った香奈に射殺さんばかりの視線で睨みつけられ、和也は言葉を詰まらせた。
(睨まれただけで何も言えなくなるとか、小物かよ)
香奈は内心で毒づいた。廊下を歩いている段階で和也の暴論は聞こえていた。言葉遣いが過去最高級に乱れるくらいには苛立っていた。
臆することなく和也との間合いをつめる。彼の顔に怯えが浮かんだ。
「田口さ、あれだけ断られてんだから自分に脈がないことくらい気づいたら? 教室で少ししゃべった程度で何がわかるとか格好つけてたけど、生理的に無理かどうかくらいは普通にわかるし」
「なっ、なっ……!」
二の句が告げない様子の和也の額には、はっきりと青筋が浮かんでいた。怒り心頭といった様子だ。
香奈も言葉を止めたほうがいいことはわかっていた。しかし、止められなかった。
「浮気のラインがどのくらいとかはどうでもいいけど、どんな状況になったってあかりが田口とデートに行くことはないよ。普段しつこく話しかけてるのだってウザがられてるんだからいい加減——」
「ちょ、ちょっと香奈。さすがに言いすぎだよっ」
呆気に取られていたあかりは、我に返って慌てて親友の暴走を止めにかかった。
いつも陽気で明るい彼女がここまで怒っているのは見たことがなかった。
「……そうだね」
香奈はふぅ、と息を吐いた。他の人ならいざ知らず、親友のあかりに止められたことでわずかに冷静さを取り戻した。
怒りでわなわな震えている和也に、静かな口調で話しかける。
「ごめん。ちょっと言い過ぎた。私が言いたかったのは、今後二度とあかりにちょっかいをかけるなってことだけだから」
「そ、そんなもの強制力はないじゃないか!」
「いや、普通に彼氏持ちに下心全開で絡むとかあり得ないでしょ。ちょっと前に二年生と三年生で停学と退学になった人たちがいたの、覚えてる?」
「それがどうしたっ」
「その人たち、処分受けるちょっと前に私と私の彼氏に絡んでたんだよね。この意味、推薦を狙うような秀才ならわかるでしょ?」
「っ……!」
和也の顔がサァ、と青ざめた。
「もしあかりを悲しませたりこれ以上迷惑をかけるようなことがあったら、あかりが許しても私が絶対に許さないから」
香奈はもう和也に用はないとばかりに自席に向かった。
忘れ物を確保し、「行こう」とあかりの手を引っ張って教室を出た。
校舎を出たところで、香奈はため息を吐いた。
「あーあ、また悪い癖出ちゃった……私自身が危ないからって巧先輩に注意されて、最近は抑えられてたんだけどなぁ」
香奈の悪い癖。それは怒りが一定ラインを超えると口が過ぎてしまうというものだ。
「そうだね。言いすぎると香奈に怒りの矛先が向かっちゃうから、気をつけたほうがいいと思う」
「だよねー……」
「でも、それくらい怒ってくれたのは嬉しかったよ」
あかりは笑みを浮かべてありがとう、と言った。
香奈はふんわりと柔らかく微笑んだ。
「当たり前じゃん。親友なんだから」
「……そうだね」
あかりもふっと笑いをこぼす。
「ずっと親友でいようね、香奈」
「うん!」
香奈は無邪気な笑みを浮かべてうなずいた。右手を差し出す。小指だけがピンと伸びていた。
「約束だよっ」
「うん、約束」
あかりは香奈の小指に自身のそれを絡めた。苦笑にも似た笑みを浮かべながら。
二人の少女が今後の友情を誓い合う中、彼女たちと言葉を交わしていた和也もまたあることを誓っていた。
その顔に浮かんでいるのはあかりと香奈のような笑みではない。恐怖一色だった。
「も、もう二度とあの二人に関わるものか……!」
香奈の剣幕だけでも恐ろしかったというのに、停学や退学の可能性まで示唆されたのだ。推薦を狙っている彼にとっては恐怖でしかなかった。
それでもなおあかりを狙い続けようと思うほど彼の想いは強くなかったし、肝が据わっているわけでもなかった。
その日以来、和也は二人を露骨に避けるようになった。
ペアワークなどでも明らかにあかりを怖がっていた。
当然、香奈とあかりの友人たちは疑問に思った。
「田口に何かしたの?」
「いや、しつこかったから軽く注意しただけよ」
「絶対軽くじゃないよね?」
さらに尋ねると、香奈とあかりは曖昧な笑みを浮かべた。
「あっ、うん。やっぱりいいや」
特に香奈の笑顔を見て、友人たちはこれ以上は聞かないほうがいいと判断した。
同時に、絶対にこの子を怒らせないようにしようと心に誓った。
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