300 / 328
第十一章
第300話 決勝戦、キックオフ
しおりを挟む
ホテルのラウンジでは、巧たちの他にも多くの選手が集まり、それぞれの時間を過ごしていた。
しかし、全員がいるわけではなかった。
「……で、何よ。こんなところに連れ出して」
冬美は髪を指に巻きつけながら、ちらりと誠治を見上げる。
二人はホテルの敷地内を並んで歩いていた。冬美の問いからもわかるように、誠治が連れ出したのだ。
「いや、なんつーかその……」
誠治はぼりぼりと頬を掻きながら、目を逸らした。
「……巧も優も昨日、白雪とか七瀬と過ごしてたみてえだから……俺も冬美と過ごしてーなって思って」
「……はっ?」
冬美が間の抜けた声を出し、固まった。
ついで、彼女は眉をひそめた。
「……大事な試合前に、うつつを抜かしている余裕なんてないのよ?」
「いや、むしろ大事な試合前だからこそっつーか……」
「なっ……!」
冬美の頬がじわじわと色づいていく。
誠治はその前から真っ赤になっていたが、目は逸らすことなくじっと冬美を見つめた。
やがて、冬美は大きく息を吐いた。
「……はぁ」
「っ……」
調子乗りすぎたか、と身を縮こまらせた誠治を真っ直ぐ見据え、冬美は口を開いた。
「——誠治」
「は、はい」
「前を向いて、全力でがむしゃらに、ひたすら自分のやるべきことをやりなさい……これでいいかしら?」
誠治は一瞬驚いたように目を瞬かせ、それからニカッと笑った。
「おおっ、なんか一気にやる気出たわ! サンキュー冬美! やっぱ頼りになるよな!」
「……あなたが単純すぎるだけだと思うのだけれど」
冬美が呆れたようにつぶやき、ため息を吐いた。
その耳の先がほんのり朱色に染まっているのを見たとき、誠治の脳裏に巧の言葉が蘇った。
『慰めて、励ましてもらってたんでしょ? だったら、ありがとうって抱きしめるくらいの甲斐性は持たないとダメだよ』
誠治はぼりぼりと頭を掻きながら、なんとなく視線を逸らし、咳払いを一つした。
「……なあ、冬美」
「……なによ?」
「その……抱きしめてもいいか?」
「——はぁぁっ⁉︎」
本来の白色に戻りかけていた冬美の顔が、再び一気に真っ赤になる。
「な、何言ってんのよ! いくら敷地内とはいえ、他の人も通るのよ⁉︎」
「いや、でもそれくらいなら普通にみんなやってるだろ?」
「そ、そうかもしれないけれどっ……い、いきなりなんなのよ?」
「いや、その、試合前のエネルギーチャージっつーか……」
誠治はもごもごとつぶやきながら、どこか申し訳なさそうに視線を泳がせた。
「試合で全力出すための、冬美のパワーがほしいんだ……ダメか?」
「っ……!」
冬美の顔がますます真っ赤になった。
彼女は三度、大きく息を吐いてから、
「し、仕方ないわね……選手のモチベーション管理も、マネージャーの仕事だもの」
何とか自分に言い聞かせるようにつぶやき、視線を逸らしたまま、そっと控えめに手を差し出す。
「い、いいわよ……」
その瞬間、誠治の腕がぐっと冬美を抱き寄せた。
温もりが近い。鼓動が伝わる。
冬美はそっと、誠治の胸に顔を埋めた。
「なんか悪いな」
「……別に、嫌なら拒否すれば良かっただけよ。ただし、私にこんなことをさせておいて、少しでも手を抜いたら承知しないわよ——この、バ縢」
「わーってるよ!」
誠治は楽しそうに笑いながら、さらに冬美を抱きしめた。
「ありがとな、冬美」
「っ……」
冬美は小さく息を吸い込んだ後、そっと誠治の背に回した腕に力を込めた。
◇ ◇ ◇
誠治と冬美がホテルに戻った頃、ラウンジでは選手たちが続々と準備を始めていた。
「いよいよですね」
香奈が巧の横に立ち、真剣な表情で言う。
「そうだね」
巧は力強くうなずいた。
「絶対勝ちましょう!」
「うん!」
二人は拳を軽くぶつけた。
決戦の舞台となる国立競技場。
満員の観客が作り出す熱気が、ピッチにいる選手たちの肌を突き刺すようだった。
「——如月君」
アップが一段落したところで声をかけられ、巧は振り返った。軽く目を見張った。
旭玲央——洛王高校の司令塔にして、巧の上位互換とでも言うべき選手だった。
「旭さん、ですね」
「知っててくれたんだ。まあ、対戦相手なんだから当然と言えば当然だけど、君みたいな素晴らしい選手に知ってもらえてるのは嬉しいね」
玲央が目を細めた。
——その穏やかな笑みの裏に、巧は何か含みを感じた。今泉などとはまた異なるタイプのようだが、彼も一癖も二癖もありそうだ。
「よろしくね、如月君。いい試合をしよう」
玲央がニコッと笑い、手を差し出してくる。
「よろしくお願いします」
巧は無難に握手をした。
すると、玲央は満足そうに軽く手を挙げ、洛王の陣営へと戻っていった。
巧は少しの間、その背中を目で追っていた。
狙いはわからないが、少なくとも普通に挨拶に来たわけではないだろう。
アップを終えた試合前のベンチでは、飛鳥がチーム全員に向かって静かに、しかし力強く言葉を投げかける。
「みんな、ここまでよく戦ってきた。そして今、この舞台に立っている。それは実力があったからだ。相手はここまで無敗で勝ち上がってきていて、センターバックの壁谷とフォワードの若槻は世代別日本代表、ジョージも相当な強敵だ。事実として、プレミアファイナルでも刃が立たなかった。でも、俺はこのチームが劣っているとは思わない」
静かに、しかし確信を持って言い切る飛鳥。
「これが最後の試合だ。悔いが残らないよう、全員で勝ちに行くぞ!」
「「「おう!!!」」」
熱い声が、ベンチから響き渡った。
◇ ◇ ◇
咲麗のキックオフで、決勝戦が幕を開けた。
試合終盤に体力を持たせるため、そしてベンチから洛王のプレースタイル、玲央の考えの癖を観察させるため、巧はベンチスタートになった。
思い切った作戦だったが、序盤、咲麗は良いリズムで攻撃を組み立てた。
「キャプテン!」
優が絶妙なポジショニングで飛鳥からボールを引き取り、一人をかわしてから真にボールを預けた。
真はジョージの厳しいマークに遭いながらも、冷静にボールをさばき、左サイドの水田へと展開する。
「水田、仕掛けろ!」
縦一閃。水田はスピードに乗り、サイドを駆け上がった。
相手のサイドバックも必死に食らいつくが、そのブロックよりも一瞬早く、水田は左足でクロスを上げた。
世代別日本代表の洛王センターバック、壁谷にクリアされたものの、観客席からは大きな歓声が上がる。
立ち上がりは悪くない——いや、むしろ良かった。
「いいぞ!」
「このまま押し切れ!」
「先制できたらでかいぞ!」
ベンチメンバーも盛り上がる中、香奈は巧の表情が沈んでいることに気づいた。
「巧先輩……?」
香奈が不安げに問いかけるが、巧はそれには答えず、じっと洛王の陣形を見ていた。
というより、香奈の声すら聞こえないほどに集中していた。
(これは……罠かもしれない)
水田、優のドリブルが通用しているし、真もまだジョージのマークを受けつつも、なんとかパスをさばけている。
そのおかげで、咲麗のストロングポイントである左サイドも活性化している。
——あまりにも、順調すぎる。
「っまさか……!」
もう一度ピッチを見回し、巧はとある可能性に気がついた。
その瞬間、彼はベンチから立ち上がっていた。
「——西宮先輩っ!」
しかし、全員がいるわけではなかった。
「……で、何よ。こんなところに連れ出して」
冬美は髪を指に巻きつけながら、ちらりと誠治を見上げる。
二人はホテルの敷地内を並んで歩いていた。冬美の問いからもわかるように、誠治が連れ出したのだ。
「いや、なんつーかその……」
誠治はぼりぼりと頬を掻きながら、目を逸らした。
「……巧も優も昨日、白雪とか七瀬と過ごしてたみてえだから……俺も冬美と過ごしてーなって思って」
「……はっ?」
冬美が間の抜けた声を出し、固まった。
ついで、彼女は眉をひそめた。
「……大事な試合前に、うつつを抜かしている余裕なんてないのよ?」
「いや、むしろ大事な試合前だからこそっつーか……」
「なっ……!」
冬美の頬がじわじわと色づいていく。
誠治はその前から真っ赤になっていたが、目は逸らすことなくじっと冬美を見つめた。
やがて、冬美は大きく息を吐いた。
「……はぁ」
「っ……」
調子乗りすぎたか、と身を縮こまらせた誠治を真っ直ぐ見据え、冬美は口を開いた。
「——誠治」
「は、はい」
「前を向いて、全力でがむしゃらに、ひたすら自分のやるべきことをやりなさい……これでいいかしら?」
誠治は一瞬驚いたように目を瞬かせ、それからニカッと笑った。
「おおっ、なんか一気にやる気出たわ! サンキュー冬美! やっぱ頼りになるよな!」
「……あなたが単純すぎるだけだと思うのだけれど」
冬美が呆れたようにつぶやき、ため息を吐いた。
その耳の先がほんのり朱色に染まっているのを見たとき、誠治の脳裏に巧の言葉が蘇った。
『慰めて、励ましてもらってたんでしょ? だったら、ありがとうって抱きしめるくらいの甲斐性は持たないとダメだよ』
誠治はぼりぼりと頭を掻きながら、なんとなく視線を逸らし、咳払いを一つした。
「……なあ、冬美」
「……なによ?」
「その……抱きしめてもいいか?」
「——はぁぁっ⁉︎」
本来の白色に戻りかけていた冬美の顔が、再び一気に真っ赤になる。
「な、何言ってんのよ! いくら敷地内とはいえ、他の人も通るのよ⁉︎」
「いや、でもそれくらいなら普通にみんなやってるだろ?」
「そ、そうかもしれないけれどっ……い、いきなりなんなのよ?」
「いや、その、試合前のエネルギーチャージっつーか……」
誠治はもごもごとつぶやきながら、どこか申し訳なさそうに視線を泳がせた。
「試合で全力出すための、冬美のパワーがほしいんだ……ダメか?」
「っ……!」
冬美の顔がますます真っ赤になった。
彼女は三度、大きく息を吐いてから、
「し、仕方ないわね……選手のモチベーション管理も、マネージャーの仕事だもの」
何とか自分に言い聞かせるようにつぶやき、視線を逸らしたまま、そっと控えめに手を差し出す。
「い、いいわよ……」
その瞬間、誠治の腕がぐっと冬美を抱き寄せた。
温もりが近い。鼓動が伝わる。
冬美はそっと、誠治の胸に顔を埋めた。
「なんか悪いな」
「……別に、嫌なら拒否すれば良かっただけよ。ただし、私にこんなことをさせておいて、少しでも手を抜いたら承知しないわよ——この、バ縢」
「わーってるよ!」
誠治は楽しそうに笑いながら、さらに冬美を抱きしめた。
「ありがとな、冬美」
「っ……」
冬美は小さく息を吸い込んだ後、そっと誠治の背に回した腕に力を込めた。
◇ ◇ ◇
誠治と冬美がホテルに戻った頃、ラウンジでは選手たちが続々と準備を始めていた。
「いよいよですね」
香奈が巧の横に立ち、真剣な表情で言う。
「そうだね」
巧は力強くうなずいた。
「絶対勝ちましょう!」
「うん!」
二人は拳を軽くぶつけた。
決戦の舞台となる国立競技場。
満員の観客が作り出す熱気が、ピッチにいる選手たちの肌を突き刺すようだった。
「——如月君」
アップが一段落したところで声をかけられ、巧は振り返った。軽く目を見張った。
旭玲央——洛王高校の司令塔にして、巧の上位互換とでも言うべき選手だった。
「旭さん、ですね」
「知っててくれたんだ。まあ、対戦相手なんだから当然と言えば当然だけど、君みたいな素晴らしい選手に知ってもらえてるのは嬉しいね」
玲央が目を細めた。
——その穏やかな笑みの裏に、巧は何か含みを感じた。今泉などとはまた異なるタイプのようだが、彼も一癖も二癖もありそうだ。
「よろしくね、如月君。いい試合をしよう」
玲央がニコッと笑い、手を差し出してくる。
「よろしくお願いします」
巧は無難に握手をした。
すると、玲央は満足そうに軽く手を挙げ、洛王の陣営へと戻っていった。
巧は少しの間、その背中を目で追っていた。
狙いはわからないが、少なくとも普通に挨拶に来たわけではないだろう。
アップを終えた試合前のベンチでは、飛鳥がチーム全員に向かって静かに、しかし力強く言葉を投げかける。
「みんな、ここまでよく戦ってきた。そして今、この舞台に立っている。それは実力があったからだ。相手はここまで無敗で勝ち上がってきていて、センターバックの壁谷とフォワードの若槻は世代別日本代表、ジョージも相当な強敵だ。事実として、プレミアファイナルでも刃が立たなかった。でも、俺はこのチームが劣っているとは思わない」
静かに、しかし確信を持って言い切る飛鳥。
「これが最後の試合だ。悔いが残らないよう、全員で勝ちに行くぞ!」
「「「おう!!!」」」
熱い声が、ベンチから響き渡った。
◇ ◇ ◇
咲麗のキックオフで、決勝戦が幕を開けた。
試合終盤に体力を持たせるため、そしてベンチから洛王のプレースタイル、玲央の考えの癖を観察させるため、巧はベンチスタートになった。
思い切った作戦だったが、序盤、咲麗は良いリズムで攻撃を組み立てた。
「キャプテン!」
優が絶妙なポジショニングで飛鳥からボールを引き取り、一人をかわしてから真にボールを預けた。
真はジョージの厳しいマークに遭いながらも、冷静にボールをさばき、左サイドの水田へと展開する。
「水田、仕掛けろ!」
縦一閃。水田はスピードに乗り、サイドを駆け上がった。
相手のサイドバックも必死に食らいつくが、そのブロックよりも一瞬早く、水田は左足でクロスを上げた。
世代別日本代表の洛王センターバック、壁谷にクリアされたものの、観客席からは大きな歓声が上がる。
立ち上がりは悪くない——いや、むしろ良かった。
「いいぞ!」
「このまま押し切れ!」
「先制できたらでかいぞ!」
ベンチメンバーも盛り上がる中、香奈は巧の表情が沈んでいることに気づいた。
「巧先輩……?」
香奈が不安げに問いかけるが、巧はそれには答えず、じっと洛王の陣形を見ていた。
というより、香奈の声すら聞こえないほどに集中していた。
(これは……罠かもしれない)
水田、優のドリブルが通用しているし、真もまだジョージのマークを受けつつも、なんとかパスをさばけている。
そのおかげで、咲麗のストロングポイントである左サイドも活性化している。
——あまりにも、順調すぎる。
「っまさか……!」
もう一度ピッチを見回し、巧はとある可能性に気がついた。
その瞬間、彼はベンチから立ち上がっていた。
「——西宮先輩っ!」
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…
senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。
地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。
クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。
彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。
しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。
悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。
――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。
謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。
ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。
この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。
陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる