【完結】契約結婚ですが、心を開いてみたら、素敵な恋になりました。

朝日みらい

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(21)手紙で繋がる愛

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ある日、ロバートは急な国務で王都を離れることになった。エリスはそれを聞いて、急に胸が締め付けられるような寂しさを感じた。

「何日くらいかかるの?」

エリスはロバートの出発準備を手伝いながら、少し不安げに尋ねた。

「一週間、いや…十日くらいかな。でも、すぐ戻るよ。」

ロバートはエリスの頬にキスをして、軽く笑った。

「心配しなくていい。エリスが待ってると思えば、どんな仕事も片付けて帰ってくる。」

「待つのはいいけど、あんまり無茶しないでよ。」

エリスはロバートの襟元を直しながら、少し唇を尖らせた。

「仕事に集中してると、つい食事を忘れたりするんだから。」

「ふふっ、わかったよ。」

ロバートはエリスを優しく抱きしめた。

「でも、エリスがこんなに俺を心配してくれるの、ちょっと嬉しいな。」

「もう、そういう言い方がずるいんだから。」

エリスは赤くなりながらも、ロバートの背中に腕を回した。

しかし、その別れは思ったよりも長引いた。王都から遠く離れた地方で、急な反乱が勃発し、ロバートが任務に追われる日々が続いたのだ。エリスの元には数日ごとに手紙が届くものの、その内容は「すぐ戻るから心配するな」の繰り返し。



「エリス、何か手紙届いてる?」

メイドのルイーズが庭のテーブルにお茶を置きながら尋ねた。

「うん、今日もロバートからだわ。」

エリスは微笑みながら手紙を開いた。ロバートの字は少し雑だけど力強く、読むたびに彼の声が聞こえてくるような気がした。

「ふむふむ…『反乱軍のリーダーが捕まった!でも、あと少し片付けが必要だ。もうすぐ帰れると思う』…ねえ、いつももうすぐって言ってるけど、全然帰ってこないじゃない。」

「でも、愛がこもってるわね。その顔を見ればわかる。」ルイーズは笑いながらエリスにお茶を差し出した。「ロバート様のこと、信じて待ってあげてください。」

「もちろん信じてるよ。でも、やっぱり会いたいなぁ…。」
エリスは手紙を胸に抱えながら、ため息をついた。「こんな気持ちになるなんて、私、完全にロバートにやられてるわね。」



やがて、反乱が無事に鎮圧されたという知らせが届いた。しかし、帰り道の途中で嵐に見舞われ、ロバートの乗った馬車が立ち往生してしまった。エリスはその知らせを聞くや否や、いてもたってもいられず、自ら迎えに行く決意をする。

「待ってるだけなんて嫌!私が行くわ!」

エリスは決然と言い放ち、急いで準備を始めた。

ルイーズは驚きつつも、「やれやれ、これが愛の力ってやつかしらね」と呆れながら手伝った。

ロバートが足止めを食らっている場所にたどり着いたエリスは、泥だらけになりながらも必死にロバートを探した。

「ロバート!どこなの!」

大声で叫びながら、雨の中を走るエリスの姿に、突然ロバートが目を見張った。

「エリス!?なんでここに…!」

「だって、待ってるだけなんてできないでしょ!」

エリスは息を切らしながらロバートに駆け寄り、その胸に飛び込んだ。

「お前、バカだな…」

ロバートは困ったように笑いながらも、エリスをしっかりと抱きしめた。

「でも、こんなに会いたかったなんて、俺もバカかもな。」

二人は雨に濡れながら、離れた日々を埋めるように抱き合った。その瞬間、嵐の中にいるのに、二人の心は晴れやかで、温かかった。



屋敷に戻った二人は、濡れた服を着替えた後、暖炉の前でお互いの顔をじっと見つめていた。

「エリス、お前がここまで俺を思ってくれるなんて、正直、俺は何をしたらお前に釣り合うのかわからなくなる。」

ロバートが真剣な目で言うと、エリスは少し笑った。

「そんなこと言わないでよ。ロバートがいるだけで、私は十分幸せなのに。」

「じゃあ、もっと幸せにしてやる。」

ロバートは優しく微笑み、エリスの手を握った。

「お前と一緒にいられる時間を、これからも大事にするよ。」

その後も二人は話しながら、時折笑い合い、そして静かにキスを交わした。困難を乗り越えた二人の愛は、さらに深く結ばれていた。
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