虐げられた王女は隣国の王太子と出会ったので、真実の愛を見つけることにしました。

朝日みらい

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第1章: 冷たい宮殿の日々

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あぁ、また今日も冷たい宮殿の日々。

継母リヴィアとその完璧な娘ソフィアの前では、私はただの影だ。

母が残してくれた唯一の遺品、小さな鏡を手にしながら、私はそっと息をつく。  

リヴィアはいつだって完璧な笑顔で微笑むけど、あの顔の裏には毒蛇みたいな意地悪が詰まっている。

「アリシア、これがあなたにとっての王女らしいディナーですわよ」と、目の前に置かれるのは昨日の残り物らしきスープと硬いパンだけ。

ソフィアは横で私の大好きなローストチキンをかじりながら、にやりと笑うのだ。  

「ありがとうございます、リヴィア様」と私は丁寧にお辞儀をする。

それでも、心の中で母の教えを唱える。

「王家の誇りを忘れないで」

でも、チキンの香りが鼻をくすぐるたびに、その誇りもぐらつきそうになる。  

夜会だって、私には招待状なんて届かない。

ドレスアップしたリヴィアとソフィアが「今日は楽しい夜になりそうね」と楽しげに出かけていくのを見送るだけだ。

そんなとき、鏡を手にして自分にそっと囁く。

「大丈夫、アリシア。君はまだ輝いてるよ」って、母の声が聞こえるような気がするのだ。  

でも、そんな日々が続く中、宮廷がざわつき始めたのは突然だった。

「隣国ヴァルトハイムから政略結婚の話が届いたようです」と侍女がささやいてくる。

もちろん、話の中心は私じゃなく、あの完璧なソフィアだろうって思った。

でも、どうやらそうではないらしい。  

「王女アリシア様にご縁があるお話とか…」と控えめに侍女が耳打ちしてくる。

その瞬間、私は持っていた鏡を落としそうになった。  

「えっ、私?本当に?」  

「どうやら、隣国の王子が…」  

それ以上の話は聞けなかったけど、心臓がバクバクして止まらない。

だって、これまで冷遇されてきた私に、そんな話が舞い込むなんて夢みたいじゃない?  

そしてその夜、リヴィアが部屋に入ってきた。

いつもとは違う、妙に穏やかな笑顔だ。

でもその目は何かを企んでいる。  

「アリシア、ヴァルトハイムの王子とのお話、聞きましたか?」  

「ええ、少しだけ」  

「そう。素晴らしいことですわね。でも、まだ油断は禁物ですわ。あなたが王家の顔を立てられるか、それが問題ですのよ」  

つまり、失敗したらどうなるか分かってるわね、ということだ。

私は静かに微笑んで、答えた。

「ご心配なく、リヴィア様。私、王家の誇りは忘れませんから」  

そのときのリヴィアの顔といったら、引きつった笑顔が最高に面白かった。

ふふ、これだから少しは意地悪を返してもいいよね。  

鏡に映る自分を見つめながら、私は少しだけ希望を感じていた。

隣国の王子なんてどんな人か分からないけど、この冷たい宮殿の日々から抜け出せるチャンスかもしれない。

何より、これが私の新しい一歩になるかもしれないと思うと、ほんの少し、胸が高鳴るのを感じた。  

「さぁ、どうなるのかしらね?」と自分に問いかけながら、私は窓から月を見上げた。

きっと、この先には少しだけ温かい日々が待っている――そう信じて。  
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