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その絵には、キラキラの星にまたがって、おおきく手をふる女の子でした。
夜空に向かって、どこまでも飛んでいきます。まゆみちゃんは胸の中で、そっとつぶやきました。
(わたし、まだヘタだから、心のなかでしかかけないよ。でもね。いつかきっとかくよ。みんながあっとおどろくような。だれもがしあわせになれるような。すごくステキな絵をね!)
まゆみちゃんは、ぱっちり目をあけました。お父さんは、顔をのぞきこみながら、
「今日の絵はなんだい?」
と、ききました。
「ごめん。今日はないの」
まゆみちゃんは、おねえさんにあげた絵のことはないしょにしました。じぶんだけのたからものにしたかったから。代わりにさっきの絵の話をします。
「あのね、お空にかいちゃったんだ。わたしがお星さまにのっている絵。いつか、お父さんに見せてあげるよ」
「それは、たのしみだ。あ、そうだ。こんやはお父さんがお星さまのかわりに、まゆみをのせてあげるぞ」
「やった!」
まゆみちゃんが大きなせなかにのったとき、今度はあかりが金色からピンク色に変わりました。まちじゅうがピンク色にそまっていきます。まるで、ポッカポカのハートがとびはねているみたい。まゆみちゃんのハートは、大きく手をふりながら、いつまでも星空にかがやいていました。
夜空に向かって、どこまでも飛んでいきます。まゆみちゃんは胸の中で、そっとつぶやきました。
(わたし、まだヘタだから、心のなかでしかかけないよ。でもね。いつかきっとかくよ。みんながあっとおどろくような。だれもがしあわせになれるような。すごくステキな絵をね!)
まゆみちゃんは、ぱっちり目をあけました。お父さんは、顔をのぞきこみながら、
「今日の絵はなんだい?」
と、ききました。
「ごめん。今日はないの」
まゆみちゃんは、おねえさんにあげた絵のことはないしょにしました。じぶんだけのたからものにしたかったから。代わりにさっきの絵の話をします。
「あのね、お空にかいちゃったんだ。わたしがお星さまにのっている絵。いつか、お父さんに見せてあげるよ」
「それは、たのしみだ。あ、そうだ。こんやはお父さんがお星さまのかわりに、まゆみをのせてあげるぞ」
「やった!」
まゆみちゃんが大きなせなかにのったとき、今度はあかりが金色からピンク色に変わりました。まちじゅうがピンク色にそまっていきます。まるで、ポッカポカのハートがとびはねているみたい。まゆみちゃんのハートは、大きく手をふりながら、いつまでも星空にかがやいていました。
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