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私、ずっと自由なんだ。もう、めんどくさいことから、おさらばだ。ベッドで体を回転させて、笑い転げた。そして、開けてある窓から、顔を出した。今日は真っ青の空。雲ひとつない。さわやかな風が心地よい。本当に、最高の気分!
そうだ。お腹も減っていないから、居間でテレビでも見ようっと。でも、誰にも気付かれないようにしないといけない。だって、本当は学校にいないといけないんだから。
テレビのリモコンのボタンを押した。けれども、電源が入らない。
「ヘンだな」
「ウォンオォン」
ミルキーがゲージでベロを出して笑っている。
「ミルキー。お散歩行こう」
ゆり子はゲージのフックを外そうとした。でも、いっこうに持ち上がらない。
「変ねえ。全然力が入らないよ」
すると、ミルキーがグイッと後ろあしに力を入れてさくを乗りこえた。それからゆり子に抱きつこうと、右足に飛びついた。
「あれ。ミルキーがわたしをすり抜けた?」
気づくと、ミルキーが後ろでとまどっている。気のせいかな?
「外に出よう」
でも、今度は玄関のドアが開かない。ミルキーがけんめいに前あしで引っかいたが、ダメだった。
「ミルキー、ちょっとはなれていて。体当たりしてみる」
ゆり子は、三歩離れてかけ出した。おもいきり肩をぶつける。と、なんとドアをすり抜けた。
そうだ。お腹も減っていないから、居間でテレビでも見ようっと。でも、誰にも気付かれないようにしないといけない。だって、本当は学校にいないといけないんだから。
テレビのリモコンのボタンを押した。けれども、電源が入らない。
「ヘンだな」
「ウォンオォン」
ミルキーがゲージでベロを出して笑っている。
「ミルキー。お散歩行こう」
ゆり子はゲージのフックを外そうとした。でも、いっこうに持ち上がらない。
「変ねえ。全然力が入らないよ」
すると、ミルキーがグイッと後ろあしに力を入れてさくを乗りこえた。それからゆり子に抱きつこうと、右足に飛びついた。
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気づくと、ミルキーが後ろでとまどっている。気のせいかな?
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