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しおりを挟むその言葉を投げかけた瞬間──アドニス侯爵の表情が変わったような気がした。
どこか悲しげに見える。
「……」
セーリーヌがだまっていると、アドニス侯爵は続けて問いかけた。
「ずっと考えていた。あなたと殿下は長く付き合った仲だ。何か良からぬことがあったかもしれない、と鬱々としていた。だが、やっと分かった。正直、あなたが殿下をどう思っているかなど、どうでもいい。ただ、ひとつだけ言えることがあるとすれば──」
そこで言葉を止めると、真っ直ぐにこちらを見つめた。
そして、再び口を開く──今度は真剣な眼差しを向けてくる。
その迫力に圧倒されそうになったが、なんとか耐えることができた。
「私が愛しているのは、あなただけだ」
その言葉を聞き──思わずドキッとしてしまうセーリーヌであった。
「わ、わたくしだって……アドニス様だけをお慕いしております」
セーリーヌがそう答えると、彼はほっとした表情を見せた。
その仕草を見ているうちに胸が高鳴る──。
もしかして、彼も自分と同じ気持ちなのだろうか……?
そんなことを考えているうちに鼓動が激しくなるのを感じる──。
緊張してきた。どうしよう? どう答えればいいのだろうか?
戸惑っていると、彼が口を開いた。
「セーリーヌ……」
名前を呼ばれ、ドキッとする。
鼓動はさらに激しさを増す──。
もはや爆発寸前だ。
このままではどうにかなりそうだと思ったとき、不意に彼の手が伸びてきて頬に触れた。
「!?」
突然の行動に驚くセーリーヌ。
彼女は反射的に後ずさった──。
だが、すぐに壁際まで追い詰められてしまう。
逃げ場はない──。
どうすることもできないまま呆然としていると、彼の顔がゆっくりと近づいてきて唇を重ねてきたのである。
「あんっ……」
突然のことに驚きつつも受け入れてしまうセーリーヌであった……。
彼はセーリーヌの乳房を優しく揉みしだく。
その動きに合わせて甘い声が出るのを抑えられない……。
(こんな場所ではいけませんわ……)
そう思いながらも抵抗することができない。
むしろ、もっとして欲しいと思っている自分がいることに驚いていた──。
それが伝わったのだろうか?
彼はさらに激しく責め立ててきたのである──。
「アドニス様……だ、だめです……」
セーリーヌは弱々しく拒絶するが、彼は聞く耳を持たずに行為を続ける──。
そして、とうとう耐えきれなくなったセーリーヌはそのまま果ててしまった。
力が抜けてぐったりとしてしまうが、それでもまだ終わらない。むしろ激しさを増していったのである。
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