【完結】透明令嬢だったけれど、素敵な愛を知ることができました。

朝日みらい

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(23)夜の熱い囁き 

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その晩、アリシアはレオネルとの会話を思い出しながら寝室に戻った。

心の中で、あの言葉がぐるぐると回っている。

「君が選ぶべきは、自分の気持ちだ。」

その言葉が頭から離れない。

彼の言葉に込められた真摯な気持ちに、心が温かくなる一方で、胸の奥にはちょっとした不安も生まれていた。

アリシアはベッドに横たわり、天井を見つめながら無意識に手を顔に当てる。頬が赤くなるのを感じた。

「もしかして、私、レオネルのこと…?」

そう思った瞬間、ドアがほんの少しだけ開く音がした。

アリシアはビクッと身体を震わせ、すぐに振り返ると、そこにはレオネルが立っていた。

「ちょっと、レオネル!なんでここに?」

アリシアは驚きすぎて、思わず声を上げてしまった。

レオネルはあくまで冷静を装って、しかしその目はどこか熱を帯びていた。

「君がひとりでいると心配でね。」

彼はふっと笑って、「それに、君がさっきの話を本気にしているなら、ちょっとは自分の気持ちを確かめたくてね。」

「な、なにを確かめるって…!」

アリシアは顔を赤らめて、身を起こした。思わず言葉に詰まってしまう。

レオネルはゆっくりと部屋に入ってくると、ドアをそっと閉めた。

そしてアリシアの前に立ち、少し間を置いた後、彼女をじっと見つめる。

「アリシア、君が僕のことを好きだって言ったよね。」

「そ、それは…」

アリシアは今度こそ顔を真っ赤にして、何か言おうとしたが、言葉が出ない。

「本当に、好きだって。」

レオネルの声が、少しだけ低く、甘く響いた。

その響きに、アリシアの心臓が一気に速くなる。

レオネルの目が、だんだんと彼女に近づいてくるのがわかる。

「レオネル…」

アリシアは自分の唇を噛んだ。心の中で、すべてを受け入れる覚悟を決める。

「どうしても、君に触れたくなってきた。」

レオネルは少しだけ笑いながら、アリシアの顔を見つめる。彼の瞳の奥に、明らかな欲望が宿っていた。

その瞬間、アリシアはレオネルが自分に手を伸ばしてくるのを感じ、思わず後ろに下がる。

「ちょっと待って、まだ…私は…」

「焦らなくていい、アリシア。」

レオネルは穏やかに言ったが、その声には力強さが込められている。

「君が準備できていないことはわかっている。でも、これだけは言わせてほしい。」

彼は一歩、また一歩とアリシアに近づいてきて、ついにはアリシアの背中がベッドの縁に触れるような位置にまで来てしまった。

「君が、僕にとってどれほど大切な存在か、知ってほしい。」

その言葉にアリシアは胸が高鳴るのを感じた。

「レオネル…」

アリシアはもどかしさと心の中の熱を感じながら、ついに彼を引き寄せるように手を伸ばした。

「私も、あなたが…」

その言葉が終わる前に、レオネルは彼女を引き寄せ、柔らかく唇を重ねた。

最初は優しく、次第に情熱的になり、アリシアの心臓が早鐘のように鳴り響いた。

「これが、君が僕に与えてくれた答えだと思うんだ。」

レオネルが唇を離すと、息をつきながら笑った。

「答え?」

アリシアはまだ少し混乱していたが、彼の手が優しく自分の髪を撫でるのを感じ、少しずつ心が落ち着いていくのを感じた。

「うん、君の気持ちを確かめたかったんだ。」

レオネルの声は少しだけ響いて、アリシアは彼を見つめ返す。

「だって、君が僕をどう思っているかが、今すごく大切だから。」

アリシアはその言葉に、ほんの少しだけ頬を染めながらも、頷いた。

「私…あなたがどうしても必要だって思うようになってきた。」

レオネルは満足げに微笑んで、アリシアの手を軽く握りしめた。

「それでいいんだよ。」

彼は再び近づき、軽く唇を重ねると、柔らかく言った。

「焦らなくていいから、少しずつお互いを知っていこう。」

「うん、わかった。」

アリシアは顔を赤くしながらも、彼の言葉にほっとしたように息をついた。
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