【完結】透明令嬢だったけれど、素敵な愛を知ることができました。

(25)すべてを受け入れて

その翌朝、アリシアはレオネルと過ごした夜のことを思い返しながら、少し恥ずかしさと興奮が入り混じった気持ちで目を覚ました。

レオネルが横にいないことに気づき、あわてて部屋を見回すと、彼は窓の外を眺めていた。

「おはよう、アリシア。」

レオネルは振り返り、にっこりと笑って言った。

「お、おはよう。」

アリシアは恥ずかしそうに顔を赤くしながら、ベッドから起き上がった。

「昨晩、まさかあんなことになるなんて…。」

「ふふ。」

レオネルは少しだけ照れた顔を見せながら、アリシアの手を取った。

「でも、君が望んだことだろ？」

アリシアはその手を握り返し、ちょっとだけにっこりと笑った。

「うん、望んでた。だから、これからはもっと、私たちの時間を大切にしようね。」

その言葉に、レオネルの笑顔がさらに優しくなった。

二人の関係は、今までのどんなものとも違う、新しい一歩を踏み出したばかりだった。

アリシアがベッドから立ち上がると、レオネルは彼女に向かって歩み寄り、優しく手を差し伸べた。

「じゃあ、今日はどこに行こうか？」と、ちょっとからかうように笑いながら言った。

「えっ？」

アリシアは少し驚き、頬を染めた。

「そんな、急に…。」

「君が何を望むか、ちゃんとわかってる。」

レオネルは少し意地悪く、でも愛おしそうに言った。

その表情に、アリシアは心の中でどきっとした。

昨晩の出来事を思い出して、ますます顔が赤くなる。

「や、やっぱり恥ずかしいってば！」

アリシアはレオネルの目を避けるように、顔をそむけて言ったが、心の中では嬉しさがこみ上げてきていた。

「ふふ、照れなくてもいいさ。」

レオネルは、アリシアの髪を優しく撫でながら、そっと彼女の手を握った。

「僕も、君ともっと一緒にいたい。」

アリシアはその言葉にドキッとし、ふいにレオネルを見つめ返した。

「レオネル、今、何言ったの？」

「言ったよ。もっと一緒にいたい。」

レオネルはそのままアリシアの手を引いて、彼女をそっと引き寄せた。近づいたその瞬間、アリシアは彼の温かさを肌で感じ、胸の中で心が弾むのを感じた。

「でも…ちょっと、待ってよ。そんなに急に…。」

アリシアは心の中で言い訳をしてみたものの、その実、彼の腕の中でふわっと安心感を覚えていた。

「急じゃないよ。」

レオネルはにっこりと微笑みながら、アリシアをギュッと抱きしめた。

「君と過ごす時間が、僕にとってどれほど大切か、君はまだわかっていないだろう？」

アリシアはその言葉に少し驚き、でも嬉しさが胸に広がった。

「あの、レオネル…」と、恥ずかしそうに言葉を切る。

「私も、あなたと一緒にいる時間が好きだよ。」

「なら、これからもずっと、こうして一緒にいよう。」

レオネルはそのままアリシアの顔を優しく手で包み、ゆっくりと唇を重ねた。

軽く、そして甘く。

「レオネル…」

アリシアは彼の唇に触れるたびに、心が高鳴り、身体が震えるのを感じた。

彼との距離が縮まるたびに、今まで感じたことのない幸福が広がっていく。

レオネルは少し顔を引き寄せて、甘い笑顔を浮かべた。

「本当に、君がどれだけ可愛いか…毎日、実感してる。」

「可愛いって…そんな。」

アリシアは恥ずかしさに顔を赤くしながらも、その言葉に心が溶けそうになるのを感じた。

「でも、嬉しい。」

「嬉しい？」

レオネルはさらに微笑んで、アリシアの髪を指で弄ぶ。「僕も、君が幸せそうな顔を見ていると、幸せになるよ。」

その瞬間、アリシアは全身を彼の腕の中で包み込まれるように感じ、心がすっと軽くなるのを感じた。

「じゃあ、私もずっと、あなたと一緒にいたい。あなたが幸せでいてくれるなら、私も幸せだから。」

レオネルは優しく頷き、再びアリシアの唇に自分の唇を重ねた。

その甘いキスが続くたびに、二人の心がどんどんと一つになっていくように感じられた。

「これから、ずっと一緒だよ。」

レオネルはアリシアの額に軽くキスをしてから、にっこりと笑った。

「うん、ずっと。」

アリシアは彼の胸に顔を埋めながら、幸せそうに笑顔を浮かべた。

そのまま、二人は再び静かなひとときを楽しみながら、幸せに包まれていった。