【完結】透明令嬢だったけれど、素敵な愛を知ることができました。

朝日みらい

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(38)家族の温かさ 

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結婚式の準備が進む中で、アリシアとレオネルの家族は少しずつお互いに近づき、親しくなっていった。

最初はぎこちなさが残ることもあったが、徐々に会話が弾み、お互いに理解し合うことができた。

そして、時には笑い声が響き渡り、時には真剣に結婚式の準備について話し合う日々が続いていた。

ある日のこと、アリシアの家での夕食の席で、父親が少し照れくさそうに言った。

「お前たち、本当に大丈夫か? もう結婚式の準備も進んでるし、私もそろそろ実感が湧いてきたが…まあ、レオネルなら何とかしてくれるだろう。」

アリシアの父親は真面目な顔で心配そうに言ったが、その言葉の裏には確かな信頼も感じられた。

「もちろん、僕が君を幸せにします、お父さん。」

レオネルは真剣な表情で答え、アリシアの父親の肩を軽く叩いた。

「アリシアをしっかり守って、支えていきますから。」

その言葉に、アリシアは少し胸が熱くなった。

彼がこんなにも真摯に自分を思ってくれていることが、改めて心に響いた。

その後、アリシアの母親がレオネルの母親と向き合い、手をしっかりと取り合った。

最初は少し緊張した様子だったが、次第に表情が和らぎ、お互いににっこりと微笑んだ。

そして、アリシアの母親が言った。

「これからも、よろしくお願いしますわ。」

その言葉に、レオネルの母親はうなずきながら、「こちらこそ、よろしくお願いします。」と応じ、二人はお互いに軽くお辞儀をした。

そして、乾杯の音が響くと、みんながグラスを手に取り、祝福の言葉が交わされた。

「結婚を祝って、皆で乾杯!」

レオネルの父親が大きな声で言い、アリシアの父親も笑顔を浮かべて、「乾杯!」と声を上げた。

その温かい雰囲気に包まれたテーブルで、アリシアはじっとその光景を見つめていた。

両家の関係が少しずつ深まっていくのが感じられ、心の中でふっと温かな気持ちが広がっていった。

家族の間に流れる静かな喜びが、彼女にとっては何よりも大切に思えた。

「なんだか、こうやってみんなが笑ってると、これからもきっと素敵な家族になるんだろうな。」

アリシアは心の中でつぶやいた。

そして、その思いを胸に、隣に座っていたレオネルの腕にそっと寄り添った。

「ねえ、レオネル。」

アリシアは優しく彼に話しかけた。

レオネルはグラスを持ちながら、彼女を見つめ返す。

彼の目には、いつもの真剣な輝きに加えて、少し優しさも混じっていた。

「うん、どうした?」

レオネルは軽く眉を上げて聞いた。

「今日、こうして家族が和解していくのを見て、なんだか幸せだなって思ったの。」

アリシアは少し照れながらも、素直に言葉を続けた。

「私、きっと幸せになれるんだろうなって、心から感じる。」

レオネルはその言葉を聞いて、思わず微笑んだ。

「君がそう感じるなら、僕も嬉しいよ。」

そして、軽く彼女の手を握った。

「これからも、ずっと一緒だよ。」

アリシアはその手の温もりを感じながら、少しだけ顔を赤らめて彼を見上げた。

「うん、一緒にいるだけで、すごく幸せ…。」

彼女の声には、これから先の二人の未来への期待と、何よりも深い愛情が込められていた。

その後、会話はどんどん和やかになり、皆で笑いながら過ごす時間が続いた。

レオネルの母親が「アリシアさん、何か気になることがあったら、いつでも言ってね。」と優しく声をかけ、アリシアの母親が「もちろん、私たちも協力するわ。」と笑顔で応じた。

これからの生活に向けて、少しずつ準備が整っていくのが感じられた。

「そうだ、アリシア。」

レオネルはふと思い立ったように言った。

「結婚式の準備、どうしても君にお願いしたいことがあるんだ。」

アリシアはその言葉に少し驚いて目を見開いた。

「え、何?」

「君の笑顔、ずっと見ていたいから。」

レオネルはにっこりと微笑んで、言葉を続けた。

「結婚式の時、君が一番輝く瞬間を見逃したくない。」

アリシアはその言葉に胸が高鳴り、照れくさくも嬉しそうに笑った。

「ふふ、もちろん!でも、私が輝けるのは君がいるからよ。」

「それなら、僕も負けないように頑張らなくちゃね。」

レオネルはウィンクをして、再び彼女の手を握りしめた。

アリシアはその手を見つめながら、ふわっと幸せな気持ちに包まれた。
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