【完結】婚約解消だったので、嫌われ者の侯爵に嫁ぐことにしました。

最終章: 二人の結婚生活の再出発

あー、もー、幸せすぎて、どうしよう。

これが現実だなんて、信じられないくらい夢のような毎日。

結婚したのが今みたいに、アレクシスと一緒に過ごす時間が本当に幸せで、朝目が覚めるたびに顔が緩んじゃう。

だって、隣に彼がいるんだもの。

毎日のように朝から晩まで笑って、喧嘩もなく、ただ楽しい。

もちろん、毎日が完璧ってわけじゃないけど、私たちの間には以前よりも深い信頼と愛情が溢れている。

まるで新しい人生を再スタートしたかのよう。

「セシリア、今日は何をする？」

アレクシスが寝室のドアを軽くノックしながら、のんびりした声で尋ねてきた。

今、私たちは新しい部屋に引っ越してきたばかりで、まだ片付けも終わってないけど、それでも幸せそうな顔をしてるのが、何だかおかしい。

だって、片付けるのはほとんど私の役目なんだから。

「うーん、今日は昼寝でもしようかなー。」

私はふざけて答えると、アレクシスが目を見開いて驚いた顔をした。

「昼寝？お前、まだ寝るのか？」

アレクシスが笑いながら言うけど、私はお昼寝が大好きだってことを知ってるはず。

最近、忙しさもあって、ちょっと疲れ気味だったし。

「だって、寝てばかりいても悪いけど、寝ぼけていたら幸せな時間を無駄にしちゃうじゃない。」

私はにっこりと微笑んで、彼を見つめる。

その瞬間、アレクシスの顔が少し赤くなるのが見えた。

「そ、そうだな。」

アレクシスが恥ずかしそうに目を逸らして、「じゃあ、昼寝する前に一緒に散歩でも行こうか？」と提案してきた。

「えっ、散歩？」

私はちょっとびっくりして目を大きくした。

「忙しいのに、散歩してくれるの？」と聞くと、アレクシスは少し顔を赤らめながら、軽く笑った。

「もちろん。君と一緒にいると、どんなことでも特別になるんだ。」

彼がそう言って、私の手を引くと、思わず胸がドキドキした。

「じゃあ、行こう！」

私はすぐに彼に手を取られて、家の外へ出る。

新しい部屋近くの庭は広くて、花が咲き誇り、日差しが心地よい。

アレクシスと一緒に歩くその時間が、どこまでも幸せに感じる。

まるで二人で新しい世界を作っているみたいに、すごく幸せな気分になる。

「セシリア。」

アレクシスが、歩きながら突然呼んでくる。

「これから、俺たち、ずっとこうやって一緒に過ごせると思うと、胸がいっぱいだ。」

「私もよ、アレクシス。」

私は答えながら、彼の顔を見上げると、アレクシスがちょっと照れたように微笑んでくれる。

その笑顔が、もう、私にとっては最高のご褒美。

「前は、君をこんなに好きになるなんて思いもしなかった。」

アレクシスがポツリと言う。

「私も、よ。」

私は少し照れくさく答えるけど、それでもその言葉に胸が温かくなる。

「でも、今こうして君と一緒にいられることが、何よりの幸せだ。」

アレクシスが、私の手をしっかりと握り直す。

その手のぬくもりが、私の心をギュッと包み込んで、思わず胸が高鳴る。

「私も。」

私は答えたとき、ふと立ち止まってアレクシスを見上げる。

彼も同じように私を見つめていて、その目には、どこか不安や疑いの色がないことがわかる。

私たちがここにいることは、本当に運命だったのかもしれない、と思う。

「ねえ、アレクシス。」

私は少しドキドキしながら言った。

「これからも、ずっと一緒にいてくれるよね？」

アレクシスは優しく私の顔を見つめ、しばらく黙った後、うなずく。

「もちろんだ。君といることが、俺の一番の幸せだから。」

その言葉に、私は思わず笑顔が溢れた。

「ありがとう、アレクシス。私も、あなたとずっと一緒にいたい。」

アレクシスはそんな私に、にっこりと微笑み返してくれる。

その笑顔が、こんなにも愛おしくて、これから先もずっと彼と一緒にいられると思うと、胸がいっぱいになる。

「じゃあ、これからもずっと、君を守る。」

アレクシスが力強く言うと、私は思わず彼に寄り添いたくなる。

「うん、守ってね。」

私は軽く腕を回して、アレクシスの肩に顔を寄せる。

そのまま、二人でゆっくりと歩きながら、穏やかな時間が流れていった。

私たちの新しい生活、そして新しい信頼と愛情のもとで、これからも幸せに過ごすことを、心から願って――。


(おしまい)