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第4話

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 亜里砂は、一番最後だったで、他の三人を見ならって、あまりきんちょうしないで、ポーズがとれています。

 パパは、ファインダーをのぞきながら、カシャッカシャッ、写真をとっていました。

 それから、しばらくして、
「あっ」と、ひらめいたように、カメラのファインダーから目をはなしたのです。

「あの、亜里砂ちゃん。もしよかったら、新作のドレス、着てみないかい?」

「えっ?」

「すごく、きみににあうと思うんだよ。みんなもそう思わない?」

 パパがスタッフたちに声をかけると、スタッフのみんなはうなずきました。

「どうだい? 着てみる?」
 パパは、ききました。

「あっ、ええ」
 亜里砂は、ちょっとドキドキしながら、うなずきました。

 さっそく、亜里砂はスタッフたちにつれられて、さっき入った作業場にむかいます。

 ハンガーには、ぬい終わったばかりの、大きなひまわりの絵柄がプリントされた、ゆったりとしたサマードレスがかけてありました。

 亜里砂が試着ルームで着がえて、さつえい室に行くと、雫と楓がまっ先に亜里砂のまわりにあつまってきました。

「かわいい!」「ステキよ!」と、口々にほめてくれます。
 亜里砂もきんちょうの糸がほどけて、太陽みたいな笑顔になりました。

 早苗パパも、スタッフたちも、うれしそうな笑顔で見合わせています。

 そんな中で、早苗だけは、部屋のすみに立ったまま、笑っているのか、くやしがっているのか、なんともいえない浮かない顔で、うでをくんでいました。

「おい、早苗。悪いけど、そこの麦わら帽子を、亜里砂ちゃんにわたしてあげてくれないか」
 早苗パパが、早苗に椅子の上の帽子を指さして言いました。

 早苗は、だまってうなずきました。
 スタスタと帽子を、スクリーンの前にいる亜里砂に、手わたしました。
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