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第七章
第55話
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城内の広間で、クララは突然、瞼の奥で、複数のヒドラ獣たちと戦闘をしている光景を見た。
それは、セリスの見ている視点と同じようだ。
そして、その魔物たちの背後で、秘書官クレイが、険しい顔で腕を組んで、様子を見ているのを確認した。
転移魔法により、セリスの視覚や聴覚までも、自身に共有されている。
クララは、銀杖を手にして、席を立った。
「森でヒドラ獣との戦闘が始まっています! クレイ様は、ヒドラ獣側の人間のようです」
一同は、騒然となった。
メディス家の面々は、信じられないといった表情を浮かべた。
冒険者たちは、危機を察したのか、起ち上がり、クララの元に集まった。
「神官、今、敵はどこにいる?」
剣士アルベルが、きいた。
クララは革鞄から地図を取り出すと、呪文を唱えた。
すぐに、セリスのブーツに仕込んだ魔法薬で、位置を知らせる光が、杖から地図上に照射される。
その目まぐるしく動く光点に、冒険者たちはただならない気配を感じ取った。
「ロリーネが危ない。すぐ、行きましょう」
弓手のイジスは、肩のホルダーに弓を詰め始める。
「よし。やるか」
打撃手のロドリゴが、二メートルはありそうな棍棒を肩にかついだ。
「ロドリゴ、ロリーネの調薬ケースを持っていってくれ」
アルベルが言うと、ロドリゴは重そうな木箱のケースを軽々と持った。
「ちょっと、待ちなさいよ」
長女マリンピアが、出て行こうとする四人を呼び止めた。
「あなたたち、わたしたちを守るために、ここに来たんじゃなかったの? 置いて行かれるわたしたちはどうするわけ?」
クララは振りかえって、微笑した。
「大丈夫ですよ。城内には警備兵もいます。そして、わたしたちは、何とか敵を城の前で食い止めます。皆さんは、安全な場所に隠れていてください」
四人は、城外に出る間、すれ違う警備兵に、ヒドラ獣の出現を伝達しながら進んだ。
城門から外に出ると、すでに暗い森のあちこちで、真っ赤な火花が起ち上がっていた。
クララは、銀杖を持つ手に力を込めた。
セリスト様。今、助けに行きます。
それは、セリスの見ている視点と同じようだ。
そして、その魔物たちの背後で、秘書官クレイが、険しい顔で腕を組んで、様子を見ているのを確認した。
転移魔法により、セリスの視覚や聴覚までも、自身に共有されている。
クララは、銀杖を手にして、席を立った。
「森でヒドラ獣との戦闘が始まっています! クレイ様は、ヒドラ獣側の人間のようです」
一同は、騒然となった。
メディス家の面々は、信じられないといった表情を浮かべた。
冒険者たちは、危機を察したのか、起ち上がり、クララの元に集まった。
「神官、今、敵はどこにいる?」
剣士アルベルが、きいた。
クララは革鞄から地図を取り出すと、呪文を唱えた。
すぐに、セリスのブーツに仕込んだ魔法薬で、位置を知らせる光が、杖から地図上に照射される。
その目まぐるしく動く光点に、冒険者たちはただならない気配を感じ取った。
「ロリーネが危ない。すぐ、行きましょう」
弓手のイジスは、肩のホルダーに弓を詰め始める。
「よし。やるか」
打撃手のロドリゴが、二メートルはありそうな棍棒を肩にかついだ。
「ロドリゴ、ロリーネの調薬ケースを持っていってくれ」
アルベルが言うと、ロドリゴは重そうな木箱のケースを軽々と持った。
「ちょっと、待ちなさいよ」
長女マリンピアが、出て行こうとする四人を呼び止めた。
「あなたたち、わたしたちを守るために、ここに来たんじゃなかったの? 置いて行かれるわたしたちはどうするわけ?」
クララは振りかえって、微笑した。
「大丈夫ですよ。城内には警備兵もいます。そして、わたしたちは、何とか敵を城の前で食い止めます。皆さんは、安全な場所に隠れていてください」
四人は、城外に出る間、すれ違う警備兵に、ヒドラ獣の出現を伝達しながら進んだ。
城門から外に出ると、すでに暗い森のあちこちで、真っ赤な火花が起ち上がっていた。
クララは、銀杖を持つ手に力を込めた。
セリスト様。今、助けに行きます。
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