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第七章
第56話
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セリスと、ロリーネは、多勢のヒドラ獣たちの猛攻をさけ、常に移動しながら、一体ずつ、攻撃を仕掛けていた。
秘書官クレイは、リーダー格の5本首のヒドラ獣二体に戦闘の指揮を執らせていた。
切り株に腰をおろして、苦虫をかみ殺したように奥歯を擦り合わせながら、赤い目を光らせてふたりの勇者の動きを眺めている。
従者ごときに、まんまと騙されたと、クレイは思った。しかも、あのふたりの息の合ったコンビネーションは、はじめて会った者同士と思えない。
こんなところで、二の足を、踏んでいるわけにはいかない。あのふたりを殺さないと。
一方のセリスは襲いかかるヒドラ獣の腹を割き、ロリーネは赤玉を投入して爆死させていく。
同時に、セリスはクララに念を送りながら、援護を待っていた。
「赤玉が、切れました」
ロリーネは、腰袋に手を突っ込みながら、言った。
「分かった。自分の身は守れるか」
「大丈夫です」
ロリーネは、腰ベルトの短刀を引き抜くと、襲い来るヒドラ獣のかぎ爪を交わしながら言った。
「君は一旦、ここから引いてくれ。あとは俺がやる」
「まさか。セリスト様。まだ、わたしだって戦えます」
ロリーネは、短刀で、一回り大きなヒドラ獣に飛び上がると、眼球に切りつけた。
「今です!」
ヒドラ獣がひるんだ隙に、セリスは3本全ての首を斬首して、胸の心臓をひとつきした。
そのまま、ふたりは林を駆け抜けて木陰に身を寄せて座った。
セリスは、血まみれの剣先を膝に置いた。
「あと、何体、いそうだ?」
「あと十五体に、リーダー格の5本首が二体。それに、秘書官に化けた、ヒドラ獣の神ですね」
「あいつが、獣たちの産みの神か……」
セリスは、荒い息を吐きながら、言った。
ロリーネは、セリスの刃こぼれした刃に気づいた。
腰巻きベルトの袋から、小瓶を取り出すと、クリーム状の液体を刃先に塗り、自身の短刀にも塗り混む。
すると、みるみる剣に光沢が増して、銀色に輝き始めた。
「ありがとう、ロリーネ」
「私だって、共に戦えて光栄です」
「もし、俺の気持ちが通じていれば、クララには今の戦況は伝わっているはずだ。援護がくるまで、できるだけ、敵の数を減らしておこう」
「分かりました。そろそろ、行きますか」
ふたりは同時に頷くと、近くにいるヒドラ獣に斬りかかった。
秘書官クレイは、リーダー格の5本首のヒドラ獣二体に戦闘の指揮を執らせていた。
切り株に腰をおろして、苦虫をかみ殺したように奥歯を擦り合わせながら、赤い目を光らせてふたりの勇者の動きを眺めている。
従者ごときに、まんまと騙されたと、クレイは思った。しかも、あのふたりの息の合ったコンビネーションは、はじめて会った者同士と思えない。
こんなところで、二の足を、踏んでいるわけにはいかない。あのふたりを殺さないと。
一方のセリスは襲いかかるヒドラ獣の腹を割き、ロリーネは赤玉を投入して爆死させていく。
同時に、セリスはクララに念を送りながら、援護を待っていた。
「赤玉が、切れました」
ロリーネは、腰袋に手を突っ込みながら、言った。
「分かった。自分の身は守れるか」
「大丈夫です」
ロリーネは、腰ベルトの短刀を引き抜くと、襲い来るヒドラ獣のかぎ爪を交わしながら言った。
「君は一旦、ここから引いてくれ。あとは俺がやる」
「まさか。セリスト様。まだ、わたしだって戦えます」
ロリーネは、短刀で、一回り大きなヒドラ獣に飛び上がると、眼球に切りつけた。
「今です!」
ヒドラ獣がひるんだ隙に、セリスは3本全ての首を斬首して、胸の心臓をひとつきした。
そのまま、ふたりは林を駆け抜けて木陰に身を寄せて座った。
セリスは、血まみれの剣先を膝に置いた。
「あと、何体、いそうだ?」
「あと十五体に、リーダー格の5本首が二体。それに、秘書官に化けた、ヒドラ獣の神ですね」
「あいつが、獣たちの産みの神か……」
セリスは、荒い息を吐きながら、言った。
ロリーネは、セリスの刃こぼれした刃に気づいた。
腰巻きベルトの袋から、小瓶を取り出すと、クリーム状の液体を刃先に塗り、自身の短刀にも塗り混む。
すると、みるみる剣に光沢が増して、銀色に輝き始めた。
「ありがとう、ロリーネ」
「私だって、共に戦えて光栄です」
「もし、俺の気持ちが通じていれば、クララには今の戦況は伝わっているはずだ。援護がくるまで、できるだけ、敵の数を減らしておこう」
「分かりました。そろそろ、行きますか」
ふたりは同時に頷くと、近くにいるヒドラ獣に斬りかかった。
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