がんばれ、わたしたちのラストダンス

朝日みらい

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 外は、今にも降り出しそうな曇り空だ。でも会場の広場には、たくさんのチームが、受付で大会の手続きをしている。みんな、私より、一回りも大きく感じる。握ったこぶしに汗がにじんでくる。

「平気だよー」

 となりのモモチが、こぶしを手のひらで包んだ。ぬくっとして、温かい。

 中学のエントリーは、十四チームあった。トーナメント方式で、順番はくじ引きで決まる。中でも、サクラーズは去年の優勝チームだ。勝ち進むと、準決勝で当たる。撃破しないと、優勝できない。対戦表を前に、キコが腕組みをした。

「サクラにだけは負けたくない。あとは、楽勝だけど」

 その通りだった。私たちは、順調に勝ち進んだ。そして、やっぱりサクラーズもステージに上がってきた。

 先行のサクラーズの踊りが始まる。サクラの柄をあしらったユニホーム姿で、なめらかなステップを確実にふんでいく。

(すごい上手だ。勝てそうにない)

「マコさん、大丈夫です。実はたいしたことないです」

 前を向いたまま、リツがささやいた。

「私たちが全力を出せば、ぜったい勝てますから」

 そう言うリツの肩が、こきざみにゆれている。

(きんちょうしてる。正直、みんなすごく怖い。だけど、今は前を向いてやるだけだ)
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