がんばれ、わたしたちのラストダンス

朝日みらい

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 とうとう、踊る番になった。舞台に立ったが、まだ会場は、サクラーズの興奮で充満している。

 音楽が始まった。目を閉じて、フウと息をはいてから、私は飛び上がった。つま先立ちから、いきおいよく上半身をくねらせる。一回、二回と体が回っていく。

 無我夢中で、音楽が聞こえなくなる。ドキドキ、心臓の鼓動だけが響く。だんだん、観客が私達のリズムに乗ってきた。体が軽くなってくる。踊り終えた時、一斉に拍手のシャワーが降りそそいだ。

 先のチームが白い旗で、後が赤旗だ。三人の審判が、パッと旗を上げた。白一つ、赤二つ。勝った。勝ったんだ。私たちは肩を寄せ合って、はね飛んだ。

(これでうまく行く。そのまま行けば、優勝だ)

 これまでの私たちはノーミスだ。体がすごく動けている。そのままいけば、絶対勝てる。

 次のチームは、去年四位のマシュマロンズだ。ちょっと風変わりな踊りで攻めてくる。確か、前回は恐竜の被り物を付けて、会場をわかしていた。

 今回はパンダの姿で、ササみたいな緑のポールをもって、ヘンテコなダンスをしている。目のまわりを黒く塗ってあった。見た目だけで親子には大受けだ。確かにオリジナリティがあるのかもしれない。

 だけど、私達の方が絶対いい。シンプルだけど気持ちのこもった真っすぐなダンスには、かなわないはずだ。
 最初は私達のダンスからだった。負けたくない。私は笑顔で足を振り上げた。すごく順調だ。

(そのままなら、勝てる)

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