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お腹が減ってくると、ふたりは魚屋さんの店先にちょこんと座りました。そして、通りかかる人を目にすると、ちょっと愛想のウィンクをしました。すると、何人かの人は立ち止まり、頭をなでたりしました。そして、魚を買ってくれるのでした。
人のよさそうな店主のおじさんが出てきました。
「よう、ゴロにゃん。営業ありがとうよ」
そして、隣のみーぷを見て、
「お、ガールフレンドができたのかい?」
と言いました。
ゴロにゃんは赤くなった顔を見られたくなくて、下を向いてしまいました。みーぷは、そっとゴロにゃんのほほをなめてあげました。
「ゴロにゃん、ごめんよ。さあ、魚を分けてやるな」
店主はそう言って、店の奥から新鮮な魚を持ってきてくれました。ふたりは魚を口にくわえて、土手の階段に並んで座って、食べました。
「シャキシャキしていて、甘くて、おいしい!」
「そうだニャ。新鮮だからだからニャ」
お腹がぷっくり膨れたので、ふたりは肩をよせあって眠りました。
ゴロにゃんは目を覚ましました。もう、水平線は夕陽でオレンジ色に染まっていました。となりのみーぷはまだ寝ていました。ゴロにゃんは、幸せそうなみーぷの寝顔をじっと見ていました。
きっと、みーぷはそのまま家に戻るんだろうな。そして明日はこの町から出てしまう。もしかしたら、もう二度と会えないかもしれない。
ゴロにゃんの胸はぎゅっと締め付けられて、苦しくなりました。突然、ポロっと涙があふれてこぼれました。
「どうしたの、ゴロにゃん?」
エメラルドグリーンの瞳が、ゴロにゃんを見つめていました。
「泣いているの?」
ゴロにゃんは目をこすりました。
「目に砂が入っただけニャよ」
「そうだったの。今日はとても楽しかったわ。ありがとうね」
「うん。それはよかったニャね」
「ああ、そろそろ帰らないと。ご主人が心配するわ」
「じゃあ、送ってあげるニャ」
帰り道、まーぷはたくさんおしゃべりをしました。ご主人が滞在中、たくさんの洋服のデザインを思い付いたことを話しました。そして、この町が大好きになったことも。
人のよさそうな店主のおじさんが出てきました。
「よう、ゴロにゃん。営業ありがとうよ」
そして、隣のみーぷを見て、
「お、ガールフレンドができたのかい?」
と言いました。
ゴロにゃんは赤くなった顔を見られたくなくて、下を向いてしまいました。みーぷは、そっとゴロにゃんのほほをなめてあげました。
「ゴロにゃん、ごめんよ。さあ、魚を分けてやるな」
店主はそう言って、店の奥から新鮮な魚を持ってきてくれました。ふたりは魚を口にくわえて、土手の階段に並んで座って、食べました。
「シャキシャキしていて、甘くて、おいしい!」
「そうだニャ。新鮮だからだからニャ」
お腹がぷっくり膨れたので、ふたりは肩をよせあって眠りました。
ゴロにゃんは目を覚ましました。もう、水平線は夕陽でオレンジ色に染まっていました。となりのみーぷはまだ寝ていました。ゴロにゃんは、幸せそうなみーぷの寝顔をじっと見ていました。
きっと、みーぷはそのまま家に戻るんだろうな。そして明日はこの町から出てしまう。もしかしたら、もう二度と会えないかもしれない。
ゴロにゃんの胸はぎゅっと締め付けられて、苦しくなりました。突然、ポロっと涙があふれてこぼれました。
「どうしたの、ゴロにゃん?」
エメラルドグリーンの瞳が、ゴロにゃんを見つめていました。
「泣いているの?」
ゴロにゃんは目をこすりました。
「目に砂が入っただけニャよ」
「そうだったの。今日はとても楽しかったわ。ありがとうね」
「うん。それはよかったニャね」
「ああ、そろそろ帰らないと。ご主人が心配するわ」
「じゃあ、送ってあげるニャ」
帰り道、まーぷはたくさんおしゃべりをしました。ご主人が滞在中、たくさんの洋服のデザインを思い付いたことを話しました。そして、この町が大好きになったことも。
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