【完結】婚約は断固拒否します!~宿敵イケメンと喧嘩ばかりの私が、なぜか恋に落ちた件~

朝日みらい

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第6章:好きって、言いたい。でも言えない。だって私たち、敵だから。

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 決闘の一件以来、レオンとの距離はみるみる縮まりました。

「お前の笑った顔、もっと見たい」なんて台詞を吐くくらいには。

 やめてほしいです。

そういうの、心にずるいです。

聞き流したいのに、心は勝手に反応して――。

「ちょっと……反則ですよね」

 バルコニーでぽつりと呟く夜。

隣の部屋の灯が見えるたび、あの“塀越し時間”を思い出してしまいます。

 けれど、わたしがレオンに惹かれていくほどに、周囲の反応は冷たくなっていきました。

 父も、母も、騎士団の面々も、そして婚約予定のカイも。

「アルジェント家の次男など論外だ」

「お前は感情で動くには未熟だ」

「レオンとの接触は慎むように」

 耳障りな言葉ばかりが、わたしの感情を否定してきました。

「こんな気持ち、間違ってるのかもしれない……」

 でも、レオンはいつもまっすぐで、ずるいくらい優しくて。



 ある夜の塀越し会話。

「なあ」

「……またですか。いつも唐突」

「お前のこと、本気で好きになってんだけど。……どうすればいい?」

 月明かりの下、塀の向こうからこぼれるその言葉は、爆弾みたいに心に落ちてきました。

 好きって、言いたい。でも言えない。

 だって、敵なんです。

家同士は犬猿の仲。

両親も、国も、誰もふたりのことなんて祝福してくれない。

「わたし、……逃げたい」

「は?」

「この気持ちを否定され続けるくらいなら、全部投げ出してでも、好きって言える場所に行きたい」

 沈黙のあと、レオンは言いました。

「……じゃあ、逃げよう。一緒に」

 ふたりの手が、初めて塀越しに触れ合ったあの夜――それは、恋が覚悟に変わった瞬間でした。

 わたしの人生は、もう“決められるだけのもの”じゃない。

 自分で選ぶ。自分で進む。

 レオンとなら、きっと――。
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