手向け花を捧ぐーREー

井上なぎさ

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第20話

「わたしのお兄ちゃん・・・だから」

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「お前はまだその時は赤子だったから分からんだろうがな。そんな関係ない他人に着いていったところで何になる?お前の行くべき場所はどこにもない。商品として売られていく価値しかない。その為に生まれてきたようなものなんだよ、お前は」


ロネ「・・・っ」


お兄、ちゃんじゃ・・・ない・・・?


デット「ロ・・・・ネ・・・」


その時、まだ意識あったのか。
デットはロネを見上げる。

デット「ろ・・・ね・・・・」

ロネ「!」


デットはなんとか体を動かし、そして最後の力を振り絞って懐からナイフを出してその場に置いた後で事来れるデット。
そのナイフがどういう事かロネにわからなかった。
だけど・・・。


「さぁ、分かったら大人しく俺と一緒に来い」

父がロネに歩み寄って行く。
ロネは身構え、そしてデットに託されたナイフを拾うとそのナイフを父へ矛先を向ける。



「・・・親に歯向かうのか?」


ロネ「親・・・じゃ、ない。わたしのこと・・・売・・・たのに・・・」

「っその目・・・イライラする。商品の癖によぉ・・・お前には死んだ魚の目がお似合いなんだよ!!」

バン!
思わず放った弾をロネは避けることなく、その銃弾はロネには当たらずにロネの枷の鎖に弾がヒットしたことで鎖は壊されずっと繋がったままだったロネの両手は自由にはなった。






お兄ちゃん・・・。





ロネはナイフを持ち父へと駆け出すと腹目掛けてナイフを深く突き刺した。
咄嗟の出来事で父は避けれずもろに刺されてお腹からは血が溢れ出ると出血多量によりその場に倒れ伏した。


ロネは今はもうこの世に居ないデットへと近づくとしゃがみこみ、ナイフを自分に喉に当てる。


ロネ「・・・お兄ちゃんはずっとわたしのお兄ちゃん・・・だから」


そんな、お兄ちゃんが・・・いなくなるなら・・・わたしが生きてる価値なんか・・・ない・・・


そうしてロネは躊躇わずにナイフで自分喉元を突き刺した。













その頃、ロネの母親が買い物に行こうと丁度家の外へと出れば二つの墓が出現される。
墓にはロネとロネの父の名前がそれぞれ掘られていた。


それには母親は言葉を失うしかなかった。









「・・・・ロ、ネ・・?
・・・嘘・・・でしょ・・・」

















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