手向け花を捧ぐーREー

井上なぎさ

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第74話

「それでも私たちと同じ人間ですか!!」

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ー地下


店主はノコギリを手にし、机に置かれた人形の手足を斬ろうとするもやはり勇気がでないで躊躇している。



カトレア「なにをびびってるの?
これからあなたは職人になるのだから、これくらい慣れなさい?」

「こ、こんなの・・・ビビらない人間なんかいない、ですよ・・・!!貴方方は・・・なんでそんな平然として・・・それでも私たちと同じ人間ですか!!」

カトレア「生憎人間はやめた身なの」

「え・・・?」

カトレア「さぁ早くした方が良いわ。わらわをあまり待たせないで頂戴。
うちの可愛い従者たちはそんな気が長い方じゃないからね」


キキョウ達は何もない空間から剣を手にする。


「ひ、ひぃぃい・・・!!」

カトレア「早くしないと、そなたの首が飛ぶことになるわよ?」





う・・・・



「うわあああああああああぁぁぁあ!!!!」


店主は目を瞑りながらその人形の首めがけノコギリを振り下ろした・・・。





ザク・・・。





気づいた時には首、手足、両足全部切断していた店主。
その場は血の海と化し店主は肩で息をしていた。そして瞳から次々と溢れ出てくる涙。



キキョウ達は血がつくのが嫌だったのかその部屋から廊下に避難していた。



「はぁ・・・はぁ・・・う、ぷ・・・っ」

店主は気持ち悪くなり、その場に膝をつく。

カトレア「これからずっとこれが続くのよ。早く慣れないと、ね?職人さん?」

店主は口を塞ぎ嘔吐しそうでありこれ以上の作業は不可能だと感じたカトレアは、

カトレア「・・・まったく、仕方ないわね。
はじめてにしてはうまく切断できたし上出来だと褒めてあげるわ。
わらわ達が最初お手本として人形を作ってしまうから、ちゃんと見て覚えてね?これからどんどん人形提供していくわけなのだから。

キキョウ、ノウゼンカズラ、コチョウラン、アザレア、手伝って・・・って、何でそんな部屋の外にいるのよ」

キキョウ「・・・いえ」

コチョウ「血が付くのが嫌なだけです」

ノウゼンカズラ「匂いがキツイ」

アザレア「・・・」コクリ


カトレア「はぁ・・・
貴方達はこちらの首に体を取り付けたり目をくり抜いて新しい目に取り替える作業をしてほしかったんだけど?職人さん初めてみたいで今なにもできる状態じゃなさそうなの。お手本みせてやってくれないかしら?」

キキョウ「・・・手伝います」


カトレア「その前に、コチョウランの魔法でこの血糊を消してちょうだいな」

コチョウ「・・・はい」

コチョウさ手を伸ばし、魔法の力で一瞬にして血糊を拭き取ってその場は綺麗になった。血も匂いもなくなったことには
店主も驚いていた。


「な・・・ち、血が・・・」

カトレア「コチョウランにはそんな力があるの。彼らにはそれぞれがさまざまな力を備えられているわ。

コチョウランの魔法なら血糊をいつでもどこでも全て無かったことに消し去ることはできるけど、
コチョウランをずっとは貸し出すことはできないから職人さんは自力で雑巾とかで綺麗に血を拭き取るのよ?」

「・・・っ」





そして人形作りが始まった。

人形の目ん玉をくり抜き、そこに新しい目を取り入れたり、手足をボンドかなにかでくっつけて最後にお洋服を着せる作業が行われる。

時間は30分かかり、そしてようやく一つ目の人形が出来上がった。




カトレア「完成ね。これで完成でもいいけど、アンドロイドにしたいなら廃棄された人形の中から心臓をくり抜いてこの人形の体内に心臓をいれてやってね?
それにはまたこの子の衣装を脱がしてお腹を割いてそこに心臓をいれるっていう工程があるから少々面倒なのだけどね。それに電源ボタンも取り付けないとならないし・・・

まぁ、初めての人形はこれで完成てことで」



どうして・・・顔色ひとつ変えずに・・・あんな・・・こと・・・できるんだ・・・
化け物、か・・・!?
わたし・・・これから、人形職人として、あ、あんな気持ち悪くなるようなこと、これから、毎日・・・


カトレア「応援してるから、頑張って可愛い人形作ってね、職人さん?あと、表の看板はこちらでしっかり作っておくわ。ちゃんと、目立つようにね?」


店主は言葉にならずに、カトレア達はその場を立ち去っていった後もまだ吐き気が治らなかった。










なんで・・・私がこんな目に・・・。







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