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第91話
「一般人の方に魔法を放つのはだめです!」
しおりを挟むハノカ「ぐ・・・ぁ・・・・」
ハノカは斧と手にしてたエルマ人形をベランダに落とす。
カトレア「わざわざ我に殺されに来たか、小娘」
カトレアがハノカの首を締め上げる。
カトレアの瞳は赤く光っていた。
カトレア「人間の考えてることなど全てお見通し。神に楯突こうものなら、お前も醜き姿に変えてやろうぞ」
ハノカ「ぁ・・・」
ハノカは苦しくもがき、
静かに涙を流したその瞬間ハノカの中にある宝玉が眩く光だした。
驚いたカトレアはハノカから手を引くと、ハノカはその光に包まれながらカトレアの前から姿を消した。
そのベランダには斧とエルマ人形が取り残されていた...。
ーーー
「ひ・・・や、やめ・・・やめてくれぇ!」
店主はその場に尻餅をつき後方の方に後ずさる。
キキョウは無言で炎の纏った剣を振り上げ、そしてそれを振り下ろした。
店主はギュッと目を瞑る。
だがいくら待っても痛みなどこなくて、店主がゆっくりと瞳を開けると・・・・
キキョウ「!・・・・なぜ・・お前が、そいつを庇う。
リチア=アズマ」
リチアがバリアを張って店主の前に立っていた。
そしてユニコーンに乗って任務から帰還して学校に降り立つ生徒達。
その後にコチョウとノウゼンカズラとアザレアも遅れて到着する。
「これ、一体なにが起こって・・・」
ケイリィ「わ、かんないけど・・・キキョウ先輩と、あれは・・・誰だろう??」
コチョウ「人形屋で働いている店主ですよ。
貴方方にカトレア様がお土産したと思うのですが、その人形を作った張本人です」
生徒はへぇーと感心した声を上げる。
その中でコチョウは考えていた。
・・・・まさか生きていたなんてね。
リチア「き、キキョウ先輩!い、一般人の方に魔法を放つのはだめです!
どうされたんですか・・・!?」
キキョウ「・・・うるさい。お前には関係のないことだ。そこを退け。邪魔するのであれば・・・」
キキョウは火の火力を上げてリチアのバリアに剣をぶつける。それにはリチアは押され気味になった。
リチア「うぅ・・・っ」
キキョウ「貴様を斬る」
リチア「っ」
リチアはバリアの中からキキョウを見据える。怒りに満ちた瞳。
リチアはなにを思ったのかそっと目を閉じると、バリアを自ら解いた。
キキョウ「!」
キキョウの剣がすぐそこまで迫り、リチアにぶつかる直前でキキョウは魔法を止めて剣をリチアの肩で寸止めする。
キキョウ「・・・・・何故」
リチアはそっと、目を開けるとキキョウと瞳がぶつかる。
キキョウ「・・・自ら力を解く?
死にたいのか」
リチア「・・・死ねませんよ」
キキョウ「・・・・これは私の問題だ。その男を庇う必要などない」
リチア「でも、こんな・・・今回の任務の対象では、ないです。この方は・・・」
「そう、ですよ。その子の言う通りです。任務対象外を殺してしまっては、あなた方がただの人殺しになってしまいますよ。
いや・・・あなた方はもう数え切れないほどに、たくさんの罪を背負っておりますがね・・・
ただ私の場合、依頼書に人形職人は罪を犯してる騎士学校で対処してほしいなどと書かれない以上、私は一生無実なのです!」
キキョウ「貴、様・・・!」
コチョウ「キキョウ様。カトレア様はどちらに?」
「あ、そうそう。
確かカトレア様の元に殺し屋の子が向かったはずですがね?」
それを聞いてコチョウ達は目を見開く。
そしてすぐにカトレアの元へと向かうべく学校の門を潜って行ったコチョウ、ノウゼンカズラ、アザレア。
キキョウは店主に舌打ちした後、剣を手元から決して
自分もカトレアの元へと急いだ。
生徒達も先輩達の後を追いかけようと学校の中へと入り、最後にリチアも学校へ入ろうとした時店主に呼び止められた。
「確か、リチアさん・・・と言ったかね??」
リチア「?あ、はい・・・?」
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