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11話ー➁ 神界最強の剣技
しおりを挟む「埒が明かんな。こちらから仕掛けるぞ!!」
「……」
どんな剣術、足さばき、戦術を使ってくるのか。
僕は脳内に埋め込まれたCPUをフル稼働させて予測する。
しかし、そんな僕の予測を裏切るように、先生はただ真っ直ぐに突っ込んできた。
その速度は驚異的だが、僕が対応できる範囲内に加減されている。
先生は何の変哲もない横なぎの剣戟を放ってきたが、その一撃には圧倒的な技量が込められていた。
「くっ……」
僕は思わず苦しげな声を漏らしてしまった。
対応が難しい。普通の斬撃とは違うのだ。
攻撃は完全に視認できているが、その一撃一撃が卓越した技の結晶だ。
全てが完璧かつ緻密にに計算されている。
いつまでも防戦一方ではいけない。
紙一重で後ろに身を躱し、そのまま反撃に転じることにした。
「甘いな。君らしくない!」
すでに先生が横なぎで振り抜いた剣が手元に戻っている。
その引き戻しの速度は驚異的で、先生の超越的な剣の技量が垣間見える。
そして次の瞬間、地下訓練場の床に亀裂が走る。
最上位神の全力に耐えられる床が割れたのだ。
とても身体強化なしに、模擬戦闘用の剣で出せる威力とは思えない......
化け物すぎる......
もうここまでくるとコワい......
斜め下方向からの切り上げ――
その凄まじい斬撃の力は、地面に刻まれた深い傷跡から容易に想像できる。
「嘘でしょ……」
先生の斜め下方向からの切り上げ。
それは延長線上にある地面と、戦闘場の壁に小さな渓谷を作り出していた。
あの時、僕は嫌な予感を感じ、咄嗟に横方向に回避した。
もし後ろに避けていたら……
確実に今ので模擬戦闘は終了していただろう。
「凄まじい勘の冴えだな。それは一朝一夕身に付くものではない!では......少し激しく斬り結ぶ!!」
その後の打ち合いは、時間にして僅か1分ほどだった。
その間、10km四方の広大な部屋を超高速で縦横無尽に飛び回り、剣戟を重ねた。
剣の音が激しく響き渡る中、次第に攻撃が激しくなり、僕の体にはダメージが蓄積していくのが分かる。
捌くだけで手一杯であり、とても反撃する余裕はない。
更に、先生の攻撃は模擬訓練場をズタズタに引き裂いたため、
その破片が視界と足場を悪くしていた。
僕はほとんど全力を出している。
身体強化を駆使し、運動能力を極限まで引き出している。
しかし……先生は魔力による初歩的な身体強化さえ使っていない。
ただ己の身体能力と、至高の領域まで研ぎ澄まされた剣技だけで全力の僕を圧倒して見せた。
「ハァ……ハァ……ハァ……」
「うむ!ここまでにしよう!!よく耐えたな!!」
神術や回復手段を使わなかったとはいえ......
上位神最強の僕が1分しか持たないとは……。
一方、先生の方は息一つ乱さず、汗一滴すらかいていない。
「どう、でしたか?何かご指導をいただければ……」
「後ろに避けすぎだな!それと足さばきが漠然としている。足さばきの意図が感じられない。」
先生はいつもに増して真面目に話し出した。
「全ての攻撃を後ろに避けるな!とは言わない。だが基本、剣士同士の斬り合いは、懐に入り込む事が多い。もちろん全ての攻撃に対して懐に潜り込むのは愚策だ。しかし今回の模擬戦、間合いを潰すべき局面は多くあった!特に最初の横なぎは下に潜り込むべきだったな。」
「はい……」
「まっ!!下に回避したら!切り上げで終了していたのだがな!だが!!あの切り上げは、俺と同等クラスの実力者でなければできない!!そんな実力者と相まみえれば何をしても殺される。つまり!これについて対策する必要はない!!ハハハハ!!!」
「えぇ……」
それって絶対死ぬから諦めろってこと.......?
しかし回避の癖については心当たりがある。
僕は様々な戦闘手段を持っているため、そもそも剣で決着をつける必要がないのだ。
僕にとって剣は数ある決着手段の一つに過ぎない。
僕の剣術の根本は、勝率を上げるために練り上げた防衛手段なのだ。
「足さばきについては、足の位置が不明瞭だ。考えがなしという訳でもない。君のレベルならmm、秒単位で足さばきを調整できた方がいい。」
思えば、これまで足さばきについては基本の形を漠然と感覚で行ってきた。
そして今回の打ち合いでは、先生にしばしば重心を崩された……
最初の横なぎがその最たる例だ。
「ご指導ありがとうございます。今後意識してみます!」
「うむ!その意気!それでは次だ!!」
そしてその後、ルシアの指導が始まった。
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