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枚方
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次の日、朝ごはんのトーストを食べながら、自分も同性愛者だということを枚方にカミングアウトした。
「実は、中学生の時から男しか好きになったことなくて……」
「そうか。なんとなくそうだと思った。昨夜の失恋の話でびびっときたわ」枚方は標準語でまじめに言った。
「俺、ネコねん」
「ねこ?」
猫耳を付けた枚方を想像した。
「女役ってこと。知らんの?」
ゲイの隠語なんて全然知らなかった。
それから僕たちが恋人になるまで時間はかからなかった。
八月の四週に入り、東京に戻ることにした。
枚方は遠距離で逢えなくなるのがつらいからこれで終わりにしようと言う。
新大阪のホームで枚方は泣いた。ポケットティッシュを全部使い終わるほどひどい泣きかただった。
出張帰りらしいサラリーマンがジロジロ見ながら通り過ぎた。
慰めるのが精いっぱいで、自分は泣く心の余裕もなかった。
「ガチでこんな泣いたの小学校、以来や」
「九月の連休にくるから」まだ泣いてる枚方の両手を握りしめる。
「そういうのやめよ。月一しか会えんとかしんどい。東京でええ彼氏みつけな」
涙を拭きながら無理に標準語で枚方は言った。
夏休みが終わり、僕は大学に戻った。
なんどかメールを出したが、枚方からは一切連絡はなかった。
そのあと、何人の男と付き合っただろうか。
誰とも長続きしなかった。
「実は、中学生の時から男しか好きになったことなくて……」
「そうか。なんとなくそうだと思った。昨夜の失恋の話でびびっときたわ」枚方は標準語でまじめに言った。
「俺、ネコねん」
「ねこ?」
猫耳を付けた枚方を想像した。
「女役ってこと。知らんの?」
ゲイの隠語なんて全然知らなかった。
それから僕たちが恋人になるまで時間はかからなかった。
八月の四週に入り、東京に戻ることにした。
枚方は遠距離で逢えなくなるのがつらいからこれで終わりにしようと言う。
新大阪のホームで枚方は泣いた。ポケットティッシュを全部使い終わるほどひどい泣きかただった。
出張帰りらしいサラリーマンがジロジロ見ながら通り過ぎた。
慰めるのが精いっぱいで、自分は泣く心の余裕もなかった。
「ガチでこんな泣いたの小学校、以来や」
「九月の連休にくるから」まだ泣いてる枚方の両手を握りしめる。
「そういうのやめよ。月一しか会えんとかしんどい。東京でええ彼氏みつけな」
涙を拭きながら無理に標準語で枚方は言った。
夏休みが終わり、僕は大学に戻った。
なんどかメールを出したが、枚方からは一切連絡はなかった。
そのあと、何人の男と付き合っただろうか。
誰とも長続きしなかった。
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