伯爵の料理人

審査

調理場は、古くて大きかった。

ずっと使われてなかったようだ。

シンクがからからに乾いている。

「よっし！！」

ダレンは調理服に着替える。
さっそくオーブンに火をつけた。

持ってきたスーパーの袋から材料を取り出した。

小麦粉、バター、ミルク、クロテッドクリーム、干しブドウなど。
そしてアッサム・ティー。

制限時間は一時間。

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５０分が経過した。

トレーに出来上がったお菓子とポットにいれた紅茶をのせる。
審査場のダイニングに運ぶ。

ダイニングがゴージャスだった。

パーティできるほど大きなダイニング。

審査員は、さっきの上流クラスの青年、生意気な男の子、そして７歳ぐらいの金髪の巻き毛の少女がいた。

三人にスコーンを配り、クロテッドクリームとイチゴジャムの入った小さな小皿を渡す。

ミルクティーをいれる。

「スコーンか。シンプルなだけに技術と素材で味がきまる」生意気な少年が言った。

少女は、スコーンをむしゃむしゃと手づかみで食べた。
ミルクティーを飲み、またスコーンに戻る。

青年が「アンジェラ、どう？」と静かに聞いた。
少女はにっこりして叫んだ。「ごうかく！！」

青年は拍手をしながらダレンに言った。
「合格！　おめでとう」