伯爵の料理人

仕事内容

ダレンの仕事は少女アンジェラに３食作ること。庭と屋敷の手入れだった。

昼間、あまりあの青年と生意気な少年を見かけることはなかった。
仕事や学校に行っているんだろう。とくに不思議に思わなかった。

でもアンジェラも７歳なんだから小学校に通っていてもおかしくない年齢だ。

「あまりこのうちのことは色々聞くなってアンディにいわれてたじゃない」
少女はダレンに言った。

「アンディとマスターって親戚なの？　アンジェラはこの家の子なの？」
「わたしは、もらわれっ子。マスターと一緒に住んでいるだけ。アンディのことはよく知らない。たぶん、あの子も拾われたんじゃないの？」

アンジェラは、チーズケーキをほおばりながら言った。

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アンドレイが帰ってきた。
「ねえねえ！　今日はダレンがチーズケーキ作ってくれたの」
アンジェラはダレンに抱き着つく。
アンジェラはこの大きなお兄さんのことをすっかり気に入っていた。

やさしくて、甘いお菓子の匂いがする、お菓子作りの名人のお兄さん。

ダレンは聞いた。
「君も食べる？」
「いらね」
ぷぃっとそっぽを向いて、すごく機嫌の悪い顔。
「いつも気になるけど、君、朝ごはんも夕ご飯もたべないよね。大丈夫なの？」
「余計なこと詮索するなって、言っただろ。いらないものはいらないんだよ」
なにもそんなにイライラすることないのにとダレンは思った。