叔父様と私

東城

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叔父さまとの出会い

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あの日は終戦記念日だったと思う。

デパートの帰り道、祖母に手を引かれている私は小学二年生だった。

空には大きな入道雲が見えた。
玄関の引き戸を開け、涼しい家の中に入ると、チリンチリンと風鈴の音が聞こえた。

「ただいま」と祖母が言うと、奥から「おかえり」と若い男の人の声がした。
縁側で本を読んでいる人 ── それが叔父さまだった。関西の有名な大学に通っていたがお盆ということで帰省していたのだった。

叔父さまと私はすぐに仲良しになった。庭で鬼ごっこをした。庭といっても盆栽が所狭しと置かれている砂利地だった。暑さを和らげるため打ち水をしているが、まだ夕方で照り返しがきつい。蝉の鳴く声も一向に収まる気配もない。
叔父さまが鬼だ。
がんばって逃げたが五分ももたなかった。
叔父さまは私を抱きかかえるように捕まえると私のTシャツをまくり上げた。
「さやかちゃんは、やわらかくて美味しそうだから、食べちゃおう」
「やめてよ! くすぐったいよ!」
私はきゃきゃっと笑った
柔らかい唇が私のおなかの肉をついばむ。舌でわき腹をなめられる。
くすぐったかった。
のけぞると赤みを帯びていく薄いオレンジ色の空が見えた。
叔父さまの歯が軽くおなかに当たったとき私は飛び上がった。本当に食べられちゃうのかも。
「信男! 友達が来たよ」と祖母が叔父さまを呼ぶ声が暗い家の中から聞こえた。
叔父さまは私の服をただすと家の中に戻ってしまった。
つまらないの。私はがっかりした。
食べられてしまう ── 幼かった私が初めて感じた性のファンタジーかもしれない。
それが叔父さまに初めて会った日の記憶。
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