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信頼編
第九十七話 弱点
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焔と戦闘を交える35班。焔の攻撃を一手に引き受けていたサイモンだったが、3分ほど耐え続けたところで限界が来たようで、
「二人とも! もういいかな!?」
「もう大丈夫よ! 行くわよ! リンリンちゃん!」
「オッケーネ!」
苦しそうに声を出すサイモンに応えるようにコーネリア、リンリンの二人は再び焔に飛び込んでいく。攻め方は先ほど同様。コーネリアが速い突きと斬撃。リンリンは強力な蹴り技で焔に一発浴びせようと試みる。だが、状況はさっきと変わらず、またしてもダメージを与えることなく、サイモンと交代する。
「コーネリアちゃん、今度はあたしも速い攻撃で焔を翻弄するネ」
「そうね……長期戦になりそうだし、一発を狙うよりも、少しでも集中力削ってダメージ与えるほうがいいかも」
焔と戦い情報を集め、適宜攻め方や戦略を練り直しながら、何度も何度も戦いを挑む。それでも無表情を貫いてきた終焔モードの焔であったが、次第に汗が滴り、歯を食いしばる表情が見られるようになってきた。
「30分……そろそろ終わりが見えてきたかな」
「そうだね。あんな焔の表情は久しぶりに見たよ。やっぱりあの三人相手じゃ分が悪すぎたかな」
ハクの言葉にシンも同意する。
「まあ、あの三人がもう少し普通に戦ってくれれば、焔もまだまだ粘ることが出来たんだろうけどね。ソラ戦では、一人って言うのもあるけど、攻撃パターンがけっこう同じだったからね」
「ソラ……弱い?」
ハクの発言に勘違いしたのか、ソラが少し不安そうな表情になる。だが、ハクは笑顔で首を横に振る。
「ソラは長期戦は初めてだっただろうから仕方ないさ。同じような攻撃を続けていると、目が慣れて攻撃の癖や太刀筋がバレちゃうからね。高いレベルで集中しているという終焔モードの焔ならなおさらね。だけど、あの三人……主にコーネリア、リンリンの二人はサイモンが焔の相手をしている間、互いに意見を交換し、大した打ち合わせもしていないのに、臨機応変に焔へのアプローチの仕方をコロコロ変えてきている」
「……確かに、最初はコーネリアちゃんが速い攻撃で牽制役引き受けてたのに、さっきはその役をリンリンちゃんがしていたし、他にも……」
茜音も思い返してみれば、一貫して同じような攻撃方法をコーネリアとリンリンがとっていないことに気づく。その推測にハクはうなずき話を続けた。
「そう。あの二人は持久戦の意味をよく理解している。自分たちの情報はなるべく与えず、相手の情報を確実に奪っていく。彼女らはそれをできるだけの高い戦闘技術と多くの攻撃レパートリーを持ち合わせている。焔に長い時間戦っても攻撃を見切られず、目を慣れさせないような戦い方を初めての共闘でできてしまうほどにね」
「それにサイモン君も最初は守りに徹していたのに今ではかなりの頻度で攻めて行っているね。中々の人選じゃないか。流石は総督だ」
戦いを見ながら、語り合うハクとシン。
「あ、あのー、シン教官。そろそろ教えてくれませんか?」
その二人の会話の中に、少し躊躇しながらも茜音が割って入る。
「えーっと……弱点のことかな?」
「はい……焔に弱点があるって言われてから、ちょっと注意して戦闘を見てたんですけど、わからなくて……」
「へえ、茜音ちゃんは真面目だねー」
「い、いえ。それほどでも」
「ま、確かにわからなくて当然かもね。今見ていていても焔の弱点は分からないだろうからね」
「今見ていても……(つまりは戦っている最中じゃなくて、戦いが終わった後……もしくは、もっと限定的な状況で焔の弱点は露呈するってこと?)」
難しい顔になって必死に脳みそ回転させる茜音。だが、わからなかったのか、息を長い時間止めていたかのように大きな息を吐く。その様子を見ていたシンは改めて真面目な子だと思うのだった。
「じゃあ、戦いももうそろそろ終わるだろうし、焔の弱点教えてあげるよ」
そう話すシンの言葉に、茜音は再び焔たちの戦いに目を向けた。
実際に焔はだいぶ三人の攻撃に押されてきていた。焔の体力、集中力がもうそろそろ限界と悟ったコーネリアたちは今度は三人で一斉に焔をつぶしにかかる。長い時間お互いに戦闘スタイルを見せてきた三人。まだ、上手な連携とは言えないが、疲れてきた焔を叩くには十分すぎる対応力だった。
それでも粘る焔。焔も限界だが、同時に三人の体力も底をつきそうになってきていた。
(本当にこの男しぶとすぎ……!)
(でも、もう焔も限界のはずネ!)
(このまま押し切らせてもらうよ!)
三人はラストスパートとばかりに畳みかけてきた。そのあまりの迫力と熱気にさっきまで別のことを考えていた茜音であったが、一瞬で引き込まれる。意識が戦いの方へ持っていかれそうになったが、シンが口を開き、言葉を発したのと同時に我に返り、すぐにシンの言葉に耳を澄ませる。ハク、ソラも顔は焔たちの方向へと向いていたが、意識はしっかりとシンの言葉へと向いていた。
「焔の弱点、それは……」
少し間を置くシン。より、皆の注意を引いたところで満を持して口を開いた。
「……集中力だ」
「二人とも! もういいかな!?」
「もう大丈夫よ! 行くわよ! リンリンちゃん!」
「オッケーネ!」
苦しそうに声を出すサイモンに応えるようにコーネリア、リンリンの二人は再び焔に飛び込んでいく。攻め方は先ほど同様。コーネリアが速い突きと斬撃。リンリンは強力な蹴り技で焔に一発浴びせようと試みる。だが、状況はさっきと変わらず、またしてもダメージを与えることなく、サイモンと交代する。
「コーネリアちゃん、今度はあたしも速い攻撃で焔を翻弄するネ」
「そうね……長期戦になりそうだし、一発を狙うよりも、少しでも集中力削ってダメージ与えるほうがいいかも」
焔と戦い情報を集め、適宜攻め方や戦略を練り直しながら、何度も何度も戦いを挑む。それでも無表情を貫いてきた終焔モードの焔であったが、次第に汗が滴り、歯を食いしばる表情が見られるようになってきた。
「30分……そろそろ終わりが見えてきたかな」
「そうだね。あんな焔の表情は久しぶりに見たよ。やっぱりあの三人相手じゃ分が悪すぎたかな」
ハクの言葉にシンも同意する。
「まあ、あの三人がもう少し普通に戦ってくれれば、焔もまだまだ粘ることが出来たんだろうけどね。ソラ戦では、一人って言うのもあるけど、攻撃パターンがけっこう同じだったからね」
「ソラ……弱い?」
ハクの発言に勘違いしたのか、ソラが少し不安そうな表情になる。だが、ハクは笑顔で首を横に振る。
「ソラは長期戦は初めてだっただろうから仕方ないさ。同じような攻撃を続けていると、目が慣れて攻撃の癖や太刀筋がバレちゃうからね。高いレベルで集中しているという終焔モードの焔ならなおさらね。だけど、あの三人……主にコーネリア、リンリンの二人はサイモンが焔の相手をしている間、互いに意見を交換し、大した打ち合わせもしていないのに、臨機応変に焔へのアプローチの仕方をコロコロ変えてきている」
「……確かに、最初はコーネリアちゃんが速い攻撃で牽制役引き受けてたのに、さっきはその役をリンリンちゃんがしていたし、他にも……」
茜音も思い返してみれば、一貫して同じような攻撃方法をコーネリアとリンリンがとっていないことに気づく。その推測にハクはうなずき話を続けた。
「そう。あの二人は持久戦の意味をよく理解している。自分たちの情報はなるべく与えず、相手の情報を確実に奪っていく。彼女らはそれをできるだけの高い戦闘技術と多くの攻撃レパートリーを持ち合わせている。焔に長い時間戦っても攻撃を見切られず、目を慣れさせないような戦い方を初めての共闘でできてしまうほどにね」
「それにサイモン君も最初は守りに徹していたのに今ではかなりの頻度で攻めて行っているね。中々の人選じゃないか。流石は総督だ」
戦いを見ながら、語り合うハクとシン。
「あ、あのー、シン教官。そろそろ教えてくれませんか?」
その二人の会話の中に、少し躊躇しながらも茜音が割って入る。
「えーっと……弱点のことかな?」
「はい……焔に弱点があるって言われてから、ちょっと注意して戦闘を見てたんですけど、わからなくて……」
「へえ、茜音ちゃんは真面目だねー」
「い、いえ。それほどでも」
「ま、確かにわからなくて当然かもね。今見ていていても焔の弱点は分からないだろうからね」
「今見ていても……(つまりは戦っている最中じゃなくて、戦いが終わった後……もしくは、もっと限定的な状況で焔の弱点は露呈するってこと?)」
難しい顔になって必死に脳みそ回転させる茜音。だが、わからなかったのか、息を長い時間止めていたかのように大きな息を吐く。その様子を見ていたシンは改めて真面目な子だと思うのだった。
「じゃあ、戦いももうそろそろ終わるだろうし、焔の弱点教えてあげるよ」
そう話すシンの言葉に、茜音は再び焔たちの戦いに目を向けた。
実際に焔はだいぶ三人の攻撃に押されてきていた。焔の体力、集中力がもうそろそろ限界と悟ったコーネリアたちは今度は三人で一斉に焔をつぶしにかかる。長い時間お互いに戦闘スタイルを見せてきた三人。まだ、上手な連携とは言えないが、疲れてきた焔を叩くには十分すぎる対応力だった。
それでも粘る焔。焔も限界だが、同時に三人の体力も底をつきそうになってきていた。
(本当にこの男しぶとすぎ……!)
(でも、もう焔も限界のはずネ!)
(このまま押し切らせてもらうよ!)
三人はラストスパートとばかりに畳みかけてきた。そのあまりの迫力と熱気にさっきまで別のことを考えていた茜音であったが、一瞬で引き込まれる。意識が戦いの方へ持っていかれそうになったが、シンが口を開き、言葉を発したのと同時に我に返り、すぐにシンの言葉に耳を澄ませる。ハク、ソラも顔は焔たちの方向へと向いていたが、意識はしっかりとシンの言葉へと向いていた。
「焔の弱点、それは……」
少し間を置くシン。より、皆の注意を引いたところで満を持して口を開いた。
「……集中力だ」
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