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第1章 白醒めた息止まり
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一週間も経てばいい加減梅雨も明け始め、高校も晴れて夏休みに突入した。
家にいると妹がガミガミと文句をつけてくる──あっちはあっちで友達の子と家の中で遊ぶと来た──ので、冷房の利いた部屋を泣く泣く後にし、夏休み初めの一日は、僕の苦手とする地下鉄の無機質な壁を眺める羽目になった。蒸し暑いし、最悪の気分だった。
家の最寄り駅である五水峰から二駅ほど跨いで、栗岐坂で降りる。
上根という土地は、市の所要たる駅周辺は都市開発のため平野として切り拓かれた歴史があるようだけど、そこ以外は丘陵による起伏が多く、道路の網は入り組み、軒並みがこみごみとしている。
栗岐坂は、その最たる例だ。僕の目指す避難所は、そんな区画整理も後回しにされ、アクセスがお世辞にも良いとはいえない土地で探偵業なんかを営んでいる物好きな人の所だった。
「先日は面倒を掛けたね」
僕が事務所のソファで横になっていると、その主がコーヒーカップを片手に給湯室を出てきた。ボサッと跳ね上がり盛り上がった髪の毛。柔和な笑みは相手を必要以上に威圧しないためだとか。
彼の名前は寄木照須。碧菜とその双子の姉の後見人にあたり、探偵社“寄木探偵事務所”の社長だ。個人業だから他に社員はいない。主に取り扱っている依頼は家出や行方不明者の捜索など。寄木曰く、公的手続きを踏まずに済むのが昨今の需要に見合っているらしい。
「本来は俺が出向くべき所なのだが」
「構わない。どうせ碧菜ちゃんの暴走でしょう」
寄木が苦笑気味に言葉を濁す。でも沈黙は肯定と同義。それがわかっているからこそ、あえて笑って済ますしかないのだろう。
僕としても、彼女のああいった面に以前助けられた事があったし、また出会ったきっかけでもあるから、一概に否定はできない。
「ま、あれで恩返しできてるのなら別に」
「それをあの子の前で言ったらきっと怒るな」
だから、今のうちに口を滑らせている。理由はわからないけど、碧菜は僕からのお礼をやけに拒む。ありがとうと口にしようとするだけで口を塞ぎに来るほど。その時ばかりは爪先立ちまでするから、余程嫌なのだろう。
「依頼人の反応はどうだった? 僕の予想では怒ってるか、がっかりしてるかの二択なんだけど」
対象の確保はできたけれど、薬物に脳がヤられてしまっていたのでは、けっきょく問題は表面化を免れない。この前の依頼は早いとか遅いとか以前に、対象が薬物を所持していた時点で破綻していた。
「先方は、息子さんの事を甚く信頼していた」
寄木はそれ以上語らず、肩を竦めていた。
無自覚のコミュニケーション不全。声なき言葉に実体は伴わない。言葉にするまでもない信頼など、実のところ甘言の類。何の効力も発揮しない。先方はどうも、僕の両親とは真逆の轍を踏んだようだ。
「君が回収してきた薬物だが、検査してみると、巷に流通している覚醒剤と成分は変わらなかったそうだ。やはり薬物そのものに異常はなかった。昨今のSIA患者急増の件と関連性なしとする警察の動きには、それを根拠としているのは間違いない」
「違法薬物の横行自体は、たまたま時期が重なっただけ」
「度重なる治安の悪化が事案の拡大を促しているという推測が、今では現場での共通見解だよ。ようするに反響だ。不安は膨れ上がって、感染していく。SIA自体がそうした性質を補強するとされている以上、世間は依然として自己責任などという身も蓋もない結論に帰着させてみせるだろうがね」
いつものように──。
そこまで話し終えると、寄木は涼しげな顔でコーヒーを啜った。
垂れ流しの講釈を聞いていた僕はなんとなく、廊下のパッとしない張り紙と梓乃に相談された夜を思い出していた。何が発端となって問題が浮き彫りになり出したのか。結局、その根本を知る人は何処にもいない。それこそ、神のみぞ知る、というヤツなのかもしれない。
「しかし、薬物乱用の一役を買ってる密売組織には早急に手を打たなければならないことにも変わりはない。警察もとっくにそっちの方針で固まっていて、捜査も進んでいるとの話だ。頼もしい限りだよ」
大舞台の清掃は、いつの世も公的機関の役回り。世間の渦はますます、路傍の石を隅に追いやり、置いてけぼりにしていく。そこにさしたる実感はなかった。僕もしいていえば石側の人間だから。僕たちのやることなすことは、あくまでも一週間前のような日陰の塵拾いに留まる。
それにしても、寄木は一体どこからそんな情報を仕入れてくるのだろう。薬の検査結果の事もそうだけど、警察の内部事情に詳しすぎやしないだろうか。見当はつくけど、だからこそ謎が深まる。
「───気になるかい?」
と、寄木に心を見透かされる。
「いや、聞かないでおく」
君子危うきに近寄らず。用のない角は曲がらない主義だ。
そんな僕の素っ気ない返事に寄木は気を悪くするでもなく、むしろ満足げに頷いていた。
「うん。そのほうがいいだろう」
釈然としない納得の仕方。でもこの感じには覚えがある。
初対面のときに言われた事とどことなく雰囲気が似ていた。
『───君は、早く大人になりなさい』
一年と半年が過ぎた今でも、その言葉の真意は掴めていない。また掴めそうな気配もない。
しかし戯言と訂正されたら、きっとそれまでの価値とも思う。
「そういえば、今日は碧菜ちゃんも紅葉ちゃんも見掛けないけど、どこか出掛けてるの?」
「俺は知らないよ。小さかった頃は何でもかんでも一日の出来事を教えてくれたけど、あの年頃になるとねぇ、教えてくれなくなる」
寂しいもんさ、と感慨深そうにコーヒーを啜る寄木。嘆くようでいて親バカだ。
「…………」
子育ての苦労を聞かされたところでたかだか高校一年の僕には何とも返しようがない。いずれにしろ、双子の姉妹が揃ってお出掛け中である事に変わりなさそうだった。
「君はいいのかい? 貴重な夏休みの一日を、こんな草臥れた男しかいない薄暗がりでやり過ごしてしまって」
「うちの妹みたいな事を言うんだ、寄木も」
「ははっ、つまりやる事が見つからなくてここに来たってわけだ」
僕は図星を突かれた気持ちでソファに身を沈めた。
目標を与えられなければ、特に動く気にもなれないのが僕だった。梓乃や碧菜の半分くらい目的意識とか義務感があればよかったのだろうけど、僕がそれを持ってしまえば、ろくでもない末路が待っているのは目に見えているし、結局今くらいがちょうどいいのかもしれない。
「若者らしくて結構だよ」
天井を見上げると、照明付きのファンが回り、純白の五枚羽根が生真面目に一定の風を運び続けている。気が抜ける昼間の安穏をこれでもかと体現するような回転ぶりだ。
「……これは、言い出そうか迷っていた事なんだが」寄木が遣る瀬なさそうに切り出す。「一つ、依頼が入ったんだ。君にうってつけのね。すでに碧菜が偵察に向かっている」
「へぇ、碧菜ちゃんがね」
雲行きが急に怪しくなった。
さっき何処にいるかわからないって答えていたはずだけど、紅葉の名前が出てこない事から見るに、どうも半分は嘘だったらしい。
「僕にうってつけって?」
「“異能転換症”患者の確保。無論、対象は生きた状態に限る」
わざわざ世間一般に浸透していない“別称”のほうを使うという事は、確信があっての依頼なわけで、お鉢がこっちに回ってきたのだろう。
そしてタイミングを図っていたかのようにちょうどよく、応接用のテーブルに放置してあったスマホが死にかけの蝉のように一度だけ震え出した。横になったままスマホを手に取る。
……噂をすれば何とやら。
僕は待ち合わせ場所のみの簡潔な文面を一瞥して、事務所を出た。
家にいると妹がガミガミと文句をつけてくる──あっちはあっちで友達の子と家の中で遊ぶと来た──ので、冷房の利いた部屋を泣く泣く後にし、夏休み初めの一日は、僕の苦手とする地下鉄の無機質な壁を眺める羽目になった。蒸し暑いし、最悪の気分だった。
家の最寄り駅である五水峰から二駅ほど跨いで、栗岐坂で降りる。
上根という土地は、市の所要たる駅周辺は都市開発のため平野として切り拓かれた歴史があるようだけど、そこ以外は丘陵による起伏が多く、道路の網は入り組み、軒並みがこみごみとしている。
栗岐坂は、その最たる例だ。僕の目指す避難所は、そんな区画整理も後回しにされ、アクセスがお世辞にも良いとはいえない土地で探偵業なんかを営んでいる物好きな人の所だった。
「先日は面倒を掛けたね」
僕が事務所のソファで横になっていると、その主がコーヒーカップを片手に給湯室を出てきた。ボサッと跳ね上がり盛り上がった髪の毛。柔和な笑みは相手を必要以上に威圧しないためだとか。
彼の名前は寄木照須。碧菜とその双子の姉の後見人にあたり、探偵社“寄木探偵事務所”の社長だ。個人業だから他に社員はいない。主に取り扱っている依頼は家出や行方不明者の捜索など。寄木曰く、公的手続きを踏まずに済むのが昨今の需要に見合っているらしい。
「本来は俺が出向くべき所なのだが」
「構わない。どうせ碧菜ちゃんの暴走でしょう」
寄木が苦笑気味に言葉を濁す。でも沈黙は肯定と同義。それがわかっているからこそ、あえて笑って済ますしかないのだろう。
僕としても、彼女のああいった面に以前助けられた事があったし、また出会ったきっかけでもあるから、一概に否定はできない。
「ま、あれで恩返しできてるのなら別に」
「それをあの子の前で言ったらきっと怒るな」
だから、今のうちに口を滑らせている。理由はわからないけど、碧菜は僕からのお礼をやけに拒む。ありがとうと口にしようとするだけで口を塞ぎに来るほど。その時ばかりは爪先立ちまでするから、余程嫌なのだろう。
「依頼人の反応はどうだった? 僕の予想では怒ってるか、がっかりしてるかの二択なんだけど」
対象の確保はできたけれど、薬物に脳がヤられてしまっていたのでは、けっきょく問題は表面化を免れない。この前の依頼は早いとか遅いとか以前に、対象が薬物を所持していた時点で破綻していた。
「先方は、息子さんの事を甚く信頼していた」
寄木はそれ以上語らず、肩を竦めていた。
無自覚のコミュニケーション不全。声なき言葉に実体は伴わない。言葉にするまでもない信頼など、実のところ甘言の類。何の効力も発揮しない。先方はどうも、僕の両親とは真逆の轍を踏んだようだ。
「君が回収してきた薬物だが、検査してみると、巷に流通している覚醒剤と成分は変わらなかったそうだ。やはり薬物そのものに異常はなかった。昨今のSIA患者急増の件と関連性なしとする警察の動きには、それを根拠としているのは間違いない」
「違法薬物の横行自体は、たまたま時期が重なっただけ」
「度重なる治安の悪化が事案の拡大を促しているという推測が、今では現場での共通見解だよ。ようするに反響だ。不安は膨れ上がって、感染していく。SIA自体がそうした性質を補強するとされている以上、世間は依然として自己責任などという身も蓋もない結論に帰着させてみせるだろうがね」
いつものように──。
そこまで話し終えると、寄木は涼しげな顔でコーヒーを啜った。
垂れ流しの講釈を聞いていた僕はなんとなく、廊下のパッとしない張り紙と梓乃に相談された夜を思い出していた。何が発端となって問題が浮き彫りになり出したのか。結局、その根本を知る人は何処にもいない。それこそ、神のみぞ知る、というヤツなのかもしれない。
「しかし、薬物乱用の一役を買ってる密売組織には早急に手を打たなければならないことにも変わりはない。警察もとっくにそっちの方針で固まっていて、捜査も進んでいるとの話だ。頼もしい限りだよ」
大舞台の清掃は、いつの世も公的機関の役回り。世間の渦はますます、路傍の石を隅に追いやり、置いてけぼりにしていく。そこにさしたる実感はなかった。僕もしいていえば石側の人間だから。僕たちのやることなすことは、あくまでも一週間前のような日陰の塵拾いに留まる。
それにしても、寄木は一体どこからそんな情報を仕入れてくるのだろう。薬の検査結果の事もそうだけど、警察の内部事情に詳しすぎやしないだろうか。見当はつくけど、だからこそ謎が深まる。
「───気になるかい?」
と、寄木に心を見透かされる。
「いや、聞かないでおく」
君子危うきに近寄らず。用のない角は曲がらない主義だ。
そんな僕の素っ気ない返事に寄木は気を悪くするでもなく、むしろ満足げに頷いていた。
「うん。そのほうがいいだろう」
釈然としない納得の仕方。でもこの感じには覚えがある。
初対面のときに言われた事とどことなく雰囲気が似ていた。
『───君は、早く大人になりなさい』
一年と半年が過ぎた今でも、その言葉の真意は掴めていない。また掴めそうな気配もない。
しかし戯言と訂正されたら、きっとそれまでの価値とも思う。
「そういえば、今日は碧菜ちゃんも紅葉ちゃんも見掛けないけど、どこか出掛けてるの?」
「俺は知らないよ。小さかった頃は何でもかんでも一日の出来事を教えてくれたけど、あの年頃になるとねぇ、教えてくれなくなる」
寂しいもんさ、と感慨深そうにコーヒーを啜る寄木。嘆くようでいて親バカだ。
「…………」
子育ての苦労を聞かされたところでたかだか高校一年の僕には何とも返しようがない。いずれにしろ、双子の姉妹が揃ってお出掛け中である事に変わりなさそうだった。
「君はいいのかい? 貴重な夏休みの一日を、こんな草臥れた男しかいない薄暗がりでやり過ごしてしまって」
「うちの妹みたいな事を言うんだ、寄木も」
「ははっ、つまりやる事が見つからなくてここに来たってわけだ」
僕は図星を突かれた気持ちでソファに身を沈めた。
目標を与えられなければ、特に動く気にもなれないのが僕だった。梓乃や碧菜の半分くらい目的意識とか義務感があればよかったのだろうけど、僕がそれを持ってしまえば、ろくでもない末路が待っているのは目に見えているし、結局今くらいがちょうどいいのかもしれない。
「若者らしくて結構だよ」
天井を見上げると、照明付きのファンが回り、純白の五枚羽根が生真面目に一定の風を運び続けている。気が抜ける昼間の安穏をこれでもかと体現するような回転ぶりだ。
「……これは、言い出そうか迷っていた事なんだが」寄木が遣る瀬なさそうに切り出す。「一つ、依頼が入ったんだ。君にうってつけのね。すでに碧菜が偵察に向かっている」
「へぇ、碧菜ちゃんがね」
雲行きが急に怪しくなった。
さっき何処にいるかわからないって答えていたはずだけど、紅葉の名前が出てこない事から見るに、どうも半分は嘘だったらしい。
「僕にうってつけって?」
「“異能転換症”患者の確保。無論、対象は生きた状態に限る」
わざわざ世間一般に浸透していない“別称”のほうを使うという事は、確信があっての依頼なわけで、お鉢がこっちに回ってきたのだろう。
そしてタイミングを図っていたかのようにちょうどよく、応接用のテーブルに放置してあったスマホが死にかけの蝉のように一度だけ震え出した。横になったままスマホを手に取る。
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