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第1章

13、目を覚ます(彩奈視点)

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 目を覚ますと、幼い私でも分かる。

 回りは木々でおおわれており、
ここまできたら林ではなく森の中だ。

 ママが心配そうに見つめるので「うん」と頷いたら、
気が抜けたらか腰を下ろし、周りを見渡していた。

「ママ、ここはどこなの?」

 頭の中では【最後に出てきた人は誰だったの?】と考えながら手足を動かそうとするが、
目覚めたばかりかしびれが感じられ、頭が重く感じる。

「ごめんなさい。私にもわからないの、
今ママにも分かることは、この場所に一度も来たことがない場所なのはすぐに分かったのだけど」


「これからどうするの?」


「とにかく・・・・」

お母さんも今の状況が把握しきれていないらしい、
私自身も混乱しているお母さんの姿を見て
だんだん不安な気持ちが少しづつ強くなっている。

焦りと不安が高まり、お母さんの袖を引っ張った。


 これから、どうすればいいのか・・・・・
きっとお母さんも考えてるはず。 


 すると、風も吹いていないのに、花畑が揺れ始めた。

 二人は、驚きの余り体が固まってしまった。



 飛び出してきたのは・・・・・・・・


「うさぎ?」

『・・・・・・・?』

 そうです。花畑から飛び出してきたのは、

 お母さんも驚いていたがうさぎだったのです。
「何でと言われても、目が覚めたらここに・・・」


 驚いているうさぎに対し、鳥は普通に答えた。

おばあちゃんから聞いたことがある。

私はあまり見ないが、

お母さんの家系はみんな、動物関係の仕事をしていると言っていた。

私がもう少し大きくなったら、犬や猫など動物を買う
予定ともお母さんから聞いた。

私自身も猫や犬などもとても好きで昔から買いたいと頼んだことがある。


『・・・・・』



「分かるわね。ここはどこか知らないかしら」



 この場所について何か情報がないか、 
聞き出そうとしている。

うさぎが何かに反応し「ぴょんぴょん」と跳ねたり、
不思議なしぐさで、返してくれた。


『・・・・・・・・』

 お母さんがうさぎと何か話しているのは分かるが、
とても暇だ。

そして、揺れる尻尾やしぐさはもう我慢ができなく。


「うさぎだ」


 そう、うさぎを抱きしめた。

うさぎは、腕から脱け出そうとしている。

 できるだけ、その力の加減を間違えないようにしているつもりだが、
お母さんがしゃがみ彩奈に目線を合わせた。


「こら、ダメでしょう。彩奈、今ママは、このうさぎさんとお話をしているんだから」

「ママ、私暇だよ。」


「分かったは、そのうさぎさんを抱っこしてていいから、だけど、うさぎさんはこっちに向けてね。
私はうさぎさんとお話するから」


お母さんから抱っこするための許可がおりて、笑いながら頷いた。
 
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