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意識が浮上した感覚がして目蓋が開く。
一瞬、ここどこだっけ?とぼんやりと考えて、司の部屋だったと思い出した。いつの間にかベッドに運ばれていて、一人でそこで横たわっていた。
何か……嫌な夢見てたな……と思いながら、私は重い体をノロノロと持ち上げた。
「やっと起きたな」
後ろから声がして振り返ると、司がソファに座ってパソコンを眺めていた。その向こうに見える空はまだ明るい。
司はパソコンを閉じるとこちらまでやってきて、私の向かい側のベッドの縁に腰掛けた。
「お前、3時間近く寝てたぞ。さすがに途中で息してるか心配になった」
乱れた私の髪を整えるように撫でながら、優しい口調で司は笑った。
まだ覚醒し切っていない頭を持ち上げて司を見ると、ふんわりと笑顔を見せられた。
「………ねぇ。私の事、愛してる?」
唐突に尋ねる私を見て、少し動揺したように瞳が開かれた。
しばしの静寂の後、ゆっくりと司の唇が開く。
「あ……い、してる……」
抑揚なく、文字を辿るように司はそう呟いた。
しばらく間が空き、「わけねーだろ!馬鹿かお前は」と私の額をピンっと弾いて、冗談を受け流すようにそう答えた。
「ふふ。だよね?知ってる」
予想通りの答えが返ってきて安心した私が笑いかけると、司も同じような表情をしてから立ち上がり、私の手を引いた。
「ほら、こっち来い」
「何?」
「いいから」
ベッドから降り、入り口近くまで連れてこられると、そこには何も書かれていない白い大きめの紙袋がいくつか並び、その横にも靴箱らしき物がいくつか積まれていた。
「これ何?」
「馴染みの仕事相手からサンプル品貰った。お前にやる」
近寄って中を確認すると、上から下まで一揃え。ご丁寧に下着まで入っている。
「こんなにたくさん貰えないわよ」
司を見上げて呆れるように言うと、「いらなきゃ誰かにやれ」と、飄々とした顔で返事が返ってくる。
「けど……」
私がそう続けると、司は私を抱き寄せた。
「こんだけ着るものありゃ、今日も帰らなくていいよな?」
司は熱を帯び始めた瞳でこちらを見つめると、ゆっくりと私にその唇が降って来た。
一瞬、ここどこだっけ?とぼんやりと考えて、司の部屋だったと思い出した。いつの間にかベッドに運ばれていて、一人でそこで横たわっていた。
何か……嫌な夢見てたな……と思いながら、私は重い体をノロノロと持ち上げた。
「やっと起きたな」
後ろから声がして振り返ると、司がソファに座ってパソコンを眺めていた。その向こうに見える空はまだ明るい。
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「お前、3時間近く寝てたぞ。さすがに途中で息してるか心配になった」
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「………ねぇ。私の事、愛してる?」
唐突に尋ねる私を見て、少し動揺したように瞳が開かれた。
しばしの静寂の後、ゆっくりと司の唇が開く。
「あ……い、してる……」
抑揚なく、文字を辿るように司はそう呟いた。
しばらく間が空き、「わけねーだろ!馬鹿かお前は」と私の額をピンっと弾いて、冗談を受け流すようにそう答えた。
「ふふ。だよね?知ってる」
予想通りの答えが返ってきて安心した私が笑いかけると、司も同じような表情をしてから立ち上がり、私の手を引いた。
「ほら、こっち来い」
「何?」
「いいから」
ベッドから降り、入り口近くまで連れてこられると、そこには何も書かれていない白い大きめの紙袋がいくつか並び、その横にも靴箱らしき物がいくつか積まれていた。
「これ何?」
「馴染みの仕事相手からサンプル品貰った。お前にやる」
近寄って中を確認すると、上から下まで一揃え。ご丁寧に下着まで入っている。
「こんなにたくさん貰えないわよ」
司を見上げて呆れるように言うと、「いらなきゃ誰かにやれ」と、飄々とした顔で返事が返ってくる。
「けど……」
私がそう続けると、司は私を抱き寄せた。
「こんだけ着るものありゃ、今日も帰らなくていいよな?」
司は熱を帯び始めた瞳でこちらを見つめると、ゆっくりと私にその唇が降って来た。
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